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playtime -Japanese edition-

reagenz
playtime -Japanese edition-

Source Records主催、これまでにWarp Records, Plug Research, Fax, Compost Black, Liebe*Detail, BineMusic, Modern Love, Uzuli, Running Back, Shanti Records, Intermedium Records, Philpot, Time Unlimited, Smallville Records, United States of Mars等の無数のレーベルから、トレンドと一線を画した独自のスタンスで作品をリリースしてきたドイツのベテラン・アーティスト"Move D"ことデヴィッド・ムーファングと、再結成グレイトフル・デッドのツアー・エンジニアであり、ミックスマスター・モリスから絶大な信頼を得るサンフランシスコのアンビエント・マエストロ、 ジョナ・シャープによるユニット“reagenz”(レアゲンツ/ドイツ語で “試験管”の意味)による、実に15年振りとなるフルアルバム。

 

使用機材は本作レコーディングの数週間前にジョナが拾ったという80年代のポリシンセ:オーバーハイムOB8にNORDモジュラー・シンセ、ローランドTR808(ドラム・パートの大半を扱う)、Ableton Live(彼らいわく「タイムキーパーとして使用しているがいまだに安定していない」)、ヴァーチャル・コルグMS20、アナログ・ディレイなど。これらを使ったいくつかのレコーディング・セッションによって生まれたパーツをトリガーした素材と、デヴィッド(Move D)が演奏するギターなどのライブ・ハードウェアとをミックスさせる形でレコーディングとライブの両方を行なう。 いわく「機材を可能な限りクールに働かせる意味と、同時にライブの際に観客や自分達の興味を喚起し続けるため」このやり方を選んだとのこと。つまり、今回のプロジェクトは当初からライブPAとしての可能性の追求と、スタジオワークとライブとの相互作用という点に重心を置いたものだった。 その結果、本作『playtime』には、ライブ中に生まれた無数の即興要素や予期せぬミックスがふんだんに使われることとなった。


ジョナが弾くベースとデヴィッドのギターなどの生楽器にアナログ・シンセが絶妙に絡み合うサイケデリックなハウストラックM-1から、前作『Reagenz』(’95年リリース、’05年Spiral Recordsより再発)に収録された同名曲のリメイク版M-2、東京在住のアナログ・シンセ・コレクターのスタジオで制作され、本ユニット再始動の契機となったM-3、ブギーなリズムが印象的な、妖しくクセのあるダンストラックM-5、北イングランド郊外で行われている同名パーティーから題材を得たと思われるエクスペリメンタルトラックM-6、ヴィンテージ・シンセの暖かい響きが印象的なノンビート曲M-7、彼らと親交の深いNYの黒人モダン・ディ-プハウス・アーティスト“フレッドP”(a.k.a. Black Jazz Consortium)のポエトリー・リーディングをフィーチャーしたM-4とM-8(国内盤のみ収録)まで、美しくも冒険心に溢れた意欲作。