ダンスミュージックを人力で鳴らすDUB STRUCTURE #9。彼らのライブはストイックに淡々と流れつつも、後半には強烈に盛り上がり自ずと体も揺れてしまう。今作は、ライブでの生のグルーヴが十二分に感じられる内容になっている。例えばクラブミュージックにおいては、多用されて当たり前のループフレーズもそうはしない。ベースの強烈なグルーヴはストイックに弾き続けることから生まれている。3人の楽器隊の音と、テープエコー/サンプリング…といった"ハメモノ"との絶妙なバランスも聴きどころ。ボーカル曲もあり、インストもあり、また曲によってはゲストボーカルを迎えたり、ローズピアノやサックスを入れたりと、とにかくアルバム全体を通してもバランス感覚の良さが際立つ。アルバムの曲のほとんどが10分弱という長尺なことも見逃せない。これは間違いなく踊れる。
MUSIC