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Lua no Ceu Congadeiro

Yuri Popoff
Lua no Ceu Congadeiro

ミナス・ジェライスの光射す豊穣なる音楽。
ミルトン・ナシメントをはじめ日本でも大人気のブラジル内陸部の音楽「ミナス・サウンド」。プリミティブなインディオたちの音楽とヨーロッパの教会音楽、アフリカ人が持ち込んだダイナミックなリズムが融合して豊かな音楽の生まれる土壌が育まれました。トニーニョ・オルタの妹のレナの夫としてトニーニョの活動を支えてきた一方で、ミナスの伝統音楽を研究するユリ・ポポフ。彼の音楽への愛と伝統への賛美が詰まった、風、土、太陽香る大傑作です。

本作はミュージシャン、ユリ・ポポフのソロ3 作目のアルバムである。ブラジル/ ミナス地方に古くから伝わる音楽を研究、現代の音楽に昇華させてきた彼の活動の最新のものである。鉱物資源が豊富なミナス地方には多くのアフリカ人が労働力として投入され、彼らの歌う労働歌はそのままミナスの音楽の大きな基盤となった。今作ではアフリカ・コンゴ系の黒人奴隷コンガータ族の音楽 に焦点をあてている。もともとの音楽が持つ土着性や垢抜けなさを大切に残しつつ、トニーニョらと磨き上げた楽曲としての現代性を合わせもったオリジナリティと、日本に住む我々にとってもどこか懐かしさを感じさせる傑作である。実力と独創性を兼ね備えたアーティストでありながら彼のアルバムは日本ではまだほとんど知られていない。