ベルリン在住の若き才能、David KochことDeWalataのデビューアルバムが、レーベルHauntから遂にリリースを果たした。
自身のレーベルMeanderやOnur OzerやMathias Kaden、Alex SomokeなどがリリースするVakant、そして最近ではCynosureから主宰のMike Shannonとの共作をリリースをし、ここ日本のテクノ系パーティーでも彼のトラックを耳にする機会が多くなっている。そんな彼の今回のアルバム"Wander"には脱帽した。どちらかというとディープなミニマルで引っ張る感じな曲が多かった彼だが、今回は確実に彼の今までの音楽キャリア、育った環境が全て詰め込まれた内容になっているのではないだろうか?
1曲目の"The Eagle"は高揚感のあるピアノリフが続くハウスビートでところどころノイジーなミニマルテイストなトラック、2曲目"Keep on"は
ボーカルが印象的なジャジーなトラックでトリッキーなミニマルビートがよりクラブで映えそうな1曲になっている。次のトラック"Waltfunk"は乾いたロービートにシンセで変化をつけていく、このトラックで新しい新境地へ連れ出そうしてくれた。そして"The Peregrine (Second Race)"は「DeWaltaはこういう感じ!」と伝えたくなるベースラインと地味に変化し続ける上モノ。ミニマルDJは大好物だろう。5曲目の"Right Here"は「これはベースライン勝ち!」ウッドベースがとても気持ちいいジャジーなテイストで、ところどころのオルガンやローズピアノがこのアルバムの聴き所じゃないかと思うくらい絶妙であった。この曲に続く"Pace"は前半の曲とは全く異なるテイストのロービート。2分少々のショートトラックだが、次のトラックに繋がる序章を聞かせてくれた。そしてこのアルバムの第2のサプライズ"Barksdale (Movin On)"。完全なるジャジーヒップホップ。とはいえDeWaltaらしいSEやエフェクトが目立ち、あっという間に吸い込まれてしまった。まさかのラッパーとのコラボレーションが聴けるなんて。。。そして、"The Hawk"、"Machine Soul"はデトロイトサウンドの要素も詰まっていて、一貫してジャジーな生音とマシーンサウンドの融合がとても素晴らしい。とにかく、テクノ、ハウス界では彼を知っていた人もわずかにはいたとは思うが、是非知らなかった人は今回のアルバム是非聞いたほうがいいと思う。大推薦!
01: The Eagle
02: Keep On
03: Waltfunk
04: The Peregrine (Second Race)
05: Right Here
06: Pace
07: Barksdale (Movin On)
08: The Hawk
09: Machine Soul