MUSIC
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Songs Of Praise

AFRICAN HEAD CHARGE
Songs Of Praise
今年新作を発表するとともに来日も果たしたグループが発表したファースト・アルバム。チャントや、今でいうサンプリングと思しき、多くアラブのものとも思われる民衆の歌(世界各地の民族音楽を長くレコーディングしてきたアラン・ロマックスへの感謝も裏ジャケに)を随所にさしこんだ音楽性はどこか儀式めき、それぞれの曲のタイトルも暗示的。ここそこに現れる「UKダブ」という括りも虚しくなるような作風は、'90年代初頭のワールド・ミュージックの文脈からダブに至るカッティング・エッジとでも言った風情か。そう思うと興味深い気も。 文/一ノ木裕之