Ghostlyの古株Lusine、3年振り待望のニュー・アルバム!
エレクトロニカ~テクノを自由自在に横断し、ロック、ハウス、ソウル・ミュージックをも飲み込む職人による冷えついた緊張感と適度なポップさが見事に同居した、ビート・ミュージックの傑作が誕生!
過去にIsophlux、U-Cover、HymenといったIDM/音響系の名レーベルから作品を発表してきた、Lusine(L'usine、Lusine Icl)ことJeff McIlwain。デトロイトを拠点とするレーベル:Ghostly Internationalに移籍し、『Serial Hodgepodge』(04年)、『Podgelism』(07年:REMIXアルバム)、『A Certain Distance』(09年)を発表。同レーベルからの3年ぶりのアルバムとなる本作『The Waiting Room』は、1曲1曲が多様ながらも、アルバムとしては一貫性を保つ、ジャンル・ベンディングの達人Lusineの本領が十二分に発揮されている。感電しそうなIDM(1)“Panoramic”でゆっくりと立ち上がり、エレクトリック・ソウルの(2)“Get The Message”へと続くアルバムの冒頭部分で、既にその世界に引き込まれてしまう。その後は、弾力性のあるハウス・ビートに体が疼く(3)“Lucky”、洗練されたゲットー・エレクトロ(7)“First Call”、ドラマチックに展開していくテクノ(9)“Stratus”、素晴らしい幕切れとなるコラージュめいたハウス(10)“February”と、前作よりも更にバラエティに富んだエレクトロニック・ダンス・ミュージックが、目まぐるしく展開するが、この男の素晴らしいところは、それを雑多と感じさせず、調和した一つの流れとして纏めあげてしまうところだろう。前作『A Certain Distance』を特徴付けていたヴォーカル・トラックだが、本作においてもおよそ半数の曲でヴォーカリストを招待している。先に挙げた(2)では、妻であるSarah McIlwainが、そのハスキーで艷っぽい歌声を響かせ、楽曲によりエモーショナルな雰囲気を加味している。
1. Panoramic
2. Get the Message
3. Lucky
4. On Telegraph
6. Without a Plan
7. First Call
8. By this Sound
9. Stratus
10. February