このアルバムのジャケットを見ていたらオープンリールデッキのテープが、一反の布のように見えてきた。この「TAPE AND CLOTH」と名付けられたアルバムは、ISSEY MIYAKEのパリコレでショーを3シーズン手がけてきたドキュメンタリーを記録したもの。DVDとCDの2枚組みとなっており、DVDの最初の15分は、打ち合わせから制作現場までを追った映像、残り30分はショーの映像となる。私は、CDから聴いたが正直、Open Reel Ensembleの音楽としか捕らえることができなかった。ただ、DVDを見た後はその音楽をサウンドスケープとして捕らえることができた。DVDで答えを先に見たから分かる気になっているだけかもしれないが(笑)。機織の音、スチームアイロンの音、石を叩く音、鳥の囀りなどなど、フィールドレコーディングされた素材で糸を紡ぎ、そして布を織るようにISSEY MIYAKEの世界観を音楽を形にしていったように思う。
Text : yanma