ISAO TOMITAプロジェクト最新作。
前作『スペース・ファンタジー』に続く第2弾オムニバスアルバム。トミタのシンセサイザーサウンドの色彩感ともっとも親和性の高いフランスものから、ラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』と、『マ・メール・ロワ』がメインのプログラムとなる。さらに、好評を博したトミタの最新作『イーハトーヴ交響曲』により明るみになった冨田の宮沢賢治への思慕が、今回のアルバムにも刻印されている。
具体的には、「賢治最愛の妹トシから賢治にあてた架空の手紙」を音世界で描いた『オホーツク幻想』が冒頭に置かれているのが特徴。さらに、トミタのシンセサイザーによる最も初期の作品でファンの間では「まぼろし」とされていた『銀河鉄道の夜』(TBSブリタニカの付録で音源化されたのみで初CD化)がアルバムの末尾に置かれてる。
つまり聴くものはたちまち北方オホーツクへのノスタルジーと憧憬に満ちた音世界に没入し、さらに、視線は旋回し、フランス中世の幻想世界(=亡き王女、マメールロワ)へと至り、その先にはまた、賢治が描いた天空の銀河へと至る、という幻想が大きく弧を描き宇宙へと飛翔するような大きなコンセプトに貫かれているアルバム。
[Track List]
①オホーツク幻想(冨田勲)
②亡き王女のためのパヴァーヌ(ラヴェル)
<マ・メール・ロワ>(ラ ヴェル)
③眠れる森の美女パヴァーヌ
④夜の森に迷った一寸法師
⑤パゴダの女王レドロネット
⑥美女と野獣の対話
⑦妖精の園
<銀河鉄道の夜>(冨田勲)
⑧ケンタウルス祭の夜~天気輪の柱~白鳥の停車場~水晶の 砂の川原~鳥捕りのおじさん~さそりの火
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