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Serious Times

LUCIANO
Serious Times
"ジャー・メッセンジャー"の異名を取るラスタ・シンガーの昨年リリースの傑作。どっしりと重厚で隙のないバンド演奏を軸に、硬軟おりまぜ様々に広がるバックがその塩っからい歌唱の魅力を多角的に切り取った。軽量級のミディアム・トラックを穏やかに、気持ちよく泳ぐヴォーカルはもちろん素晴らしいが、そのスケール大きな歌唱がここぞという時に見せる感情のほとばしりが圧巻。言葉で示すもの以上にヴォーカリストとしてのあり方がもはやメッセンジャーだとはちょっぴりひいき目だろうか。ともあれ見逃せん一枚。 文/一ノ木裕之