REPORTS

Staff Interview - Red Bull Music Academy, Madrid / 2011.11.21

アカデミーの理念、存在意義とは何か。ドイツのケルンにてアカデミーのヘッドクオーターで働く Niklas に話を聞いた。 
- 簡単に自己紹介をお願いできますか?

どうも、ニコラス ヤンセンです。アカデミーのケルンにあるメインオフィスで働いています。アカデミー期間中は機材の管理などをやってますね。

 - マドリッドでの開催はどのように決まったんですか?
今年のアカデミーは、皆さんご存知の通り東京で行われるはずだった。でも、残念なことに色々な理由でキャンセルせざるおえなくなった。そこで迅速に別のロケーションを見つける必要があったんだ、妥協することなくね。
スペインの文化の中心地は、バルセロナだって言う人は多いと思うけど、アカデミーとしてはここマドリッドにも大きな可能性を感じている。都市の規模で言ってもヨーロッパで4番目の規模を誇るし、この街は大きな可能性を秘めていると思っている。まだまだ進化の余地はあるけど、新しいカルチャーをサポートできる基盤がここにはあるし、マドリッドの人はアンダーグラウンドな精神も持ち合わせている。地域に根ざした長期的な文化貢献を会場である Matadeo Madrid を軸にアカデミーはサポートしていきたいと思っているよ。

  - 長期的な影響を重要視しているようですね。
本当の意味での文化支援は長期的でなければあり得ない。アカデミーはもう10年以上続いているけど、卒業生とも連絡を取り合っているし、アカデミーを通じたネットワーク、人や音楽のつながりも増え続けているよ。
アカデミーは出発点に過ぎない。アカデミー後が勝負だよね。我々にとっても、マドリッドの芸術文化にとっても、生徒たちにとっても、今後の可能性は大きく広がったはずだ。
アカデミー期間中に生徒は色々なことを学ぶと思う。音楽仲間が世界に増えて、アイディア、可能性が広がったと思う。でもそれはただのきっかけに過ぎない。生徒たちには、アカデミーをもとに日々成長していってほしいよね。

  - 決まったカリキュラムは存在するんですか?
生徒たちには決まったものを教えるというよりも、インスパレーションを受けて、すばらしい環境の中で音楽を作りたいって自然に思えるような環境を提供している感じかな。アカデミーの講師たちは、これをしなきゃいけない、こうするべきだ、とは言わないと思う。生徒たちはあくまで自然にすべてのことを学び、自分で理解した上での結果を導きだすと思うよ。曲の制作手段、アーティストとしての哲学などをね。レクチャーに来ているどんな大物アーティストだって無名の頃はあったし、元々のアイディアは似ていると思う。それを生徒も再確認してるんじゃないかな。

  - 生徒たちはアカデミーにすごく感謝しているようでしたよ。
そういうフィードバックは嬉しいよね。生徒たちにも機材、講師、アフターパーティーなど含めて最良な環境を提供しているつもりさ。アカデミーで働いている人たちは、例外無く音楽ファンだ。プロジェクトの発案者から、スタッフ、ドライバーに至までね。音楽に対する愛が僕たちのモチベーションだよ。

 - 貴重なお時間をどうもありがとうございました。