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11.25 (Fri) Cartier Secret Party - How far would you go for love? - @ SOUND MUSEUM VISION

11月25日(金)にジュエリーブランド「Cartier」のパーティーが、渋谷に新しくできた"SOUND MUSEUM VISION"で完全招待制の中、開催された。今回は、この「Cartier」のパーティーに潜入してきた。
Text by : yanma (clubberia)
Photo by : Official Photo 
この日の"SOUND MUSEUM VISION"は、いつもの雰囲気とまったく異なる空間となっていた。エントランスに光るロゴが描かれた看板も姿を消し、黒いカーテンで覆われた通路やフロアに作られたテーブル席、その全てが黒で統一され、この日のためだけに大掛かりな内装が施されていた。メインフロアには、赤いレーザーが照射され続けており、まるで恋人たちを繋ぐ赤い糸を連想させた。バーカウンターは、シャンパングラスで埋め尽くされ、シャンパン、ペリエ、ジュースが来場者へ何杯でも提供されていたり、ボーイが常に飲み物とフィンガーフードを持って回っていたりと、来場者への手厚いもてなしに驚くばかりだった。
   
今回のパーティーは、2007年からはじまった「LOVE」をテーマに展開されるCartierとアーティストたちとのコラボレーションプロジェクトの発表の場でもあった。今年は、1998年「MOON SAFARI」が世界的ヒットを記録したフランスのデュオグループ「Air(エール)」とニューヨークの映像制作グループ「Waverly Films」が、オリジナルビデオクリップ「Painted Love」を制作した。

なぜ、Cartierのような高級ブランドが渋谷は地下の音楽スペースでパーティーをやるのか?行く前からの疑問だったのだがCartierのマーケティング&コミュニケーション ディレクターであるルノー・レストランガン氏のスピーチで納得した。氏が言うには、この継続的に行うクリエイティブなコラボレーションプロジェクトを発表する場として、音楽のカルチャーの発信地である渋谷ほど適した街は無かったと言っていた。確かに、ライブハウスやクラブが集中し、一時は、世界一のレコード街とも呼ばれ、さらにTOWER RECORDやHMVといった大型店から流行が生まれた、これほど音楽を配信し続けた街は、世界でも稀有の存在だろう。  
AIR、Waverly Filmsも来日しており、ルノー氏の後に続きスピーチをしていった。そして、スクリーンが降りてきて今回のオリジナルビデオクリップ「Painted Love」を来場者で試写することとなる。この「Painted Love」は、ある画家のギリシャ神話の女神ミューズに対する盲目的な愛を描いた映像に、「LOVE」と繰り返されるサウンドが苦悩と情熱を美しく表現したAIRの前衛的な音楽が見事に溶け合った作品となっているので、ぜひご覧いただきたい。



 
作品の最後に今回のコンセプトである「How far would you go for love?」が表示された。「あなたは愛のためにどこまでいけますか?」。Cartierの象徴とでも言っていいだろう、ラブリング。あのデザインのもとは、1970年に誕生したオリジナルのブレスレットがビスで手首に愛を固く閉じ込めることから、ビスモチーフが愛の融合と絆のアイコン的象徴として使用されている。そういった背景を知るとなおさら、この問いと向き合うが答えは人それぞれだろう。ビスで手首に愛を閉じ込めたように、映像の主人公は、自らの画に入り込み現実と折り合えなくなった次元で彼女と融合を望んだのだ。「ミューズ」という概念、「LOVE」という概念は、一種の原動力と言ってもいいだろう。理想を追い求める力となり、その衝動が不可能を可能にさえすることを示唆する作品だった。  
約5分の上映が終わり、スクリーンが上がると"KITSUNE"のGILDAとAIRのNicolas GodinがDJブースに立っていてパーティーを再び動かし始めた。彼らの後にも夏木マリ、田中知之、SEBASTIAN TELLIERとアーティストが矢継ぎ早にパフォーマンスが繰り広げられた。SEBASTIAN TELLIERのアコースティックライブは、1部のトリだったわけだがパーティーで高揚した気持ちを、彼の繊細で優しい音色に再び「How far would you go for love?」の問いかけが脳裏によぎった。

 
クリスマスを目前に控え、"あなたは愛のためにどこまでいけますか?"というカルティエの問いかけにあなたは何て答えますか?この後も、セカンドフロアも開放して2部がスタート。出演者には、GILDA、大沢伸一、VERBALなどといったクラブイベント的なダンスミュージックが鳴り響きつづけた。