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DJ MOCHIZUKIのWMCマイアミアンダーグラウンドリポート

10年程前からずっと行きたかった「MIAMI WMC」。これまで行く機会に恵まれなかったのですが、今年ようやく実現しました。このレポートではDJとして体験したWMCのアンダーグラウンドサイドをフィーチャーします。 「WMC」とは「Winter Music Conference」の略。「Conference」と銘打ってはいるものの、実際には「ダンスミュージック祭」っという感じ。マイアミビーチサイドの巨大スペースやクラブ、バー、カフェなどで1〜2週間の間、連日連夜、昼も夜もパーティーが続けられます。規模はWMCオフィシャルイベントからレーベル主催イベント、アーティスト主催のパーティーまで大小さまざま。とにかく、WMC中は、街全体がダンスミュージック一色に染まるのです。 今回のマイアミ行きの目的は、DJが2ギグと、4月末にLOOP SOUNDSからリリースするPETE Zをフィーチャーした僕自身の曲「Star….LIBRE」のプロモーション。あとはなんと言っても、しばらく会えていないDJたちに会いに行くこと!

2007.03.20(火)第一夜

夕方、成田発デトロイト経由でマイアミに。乗り継ぎの時間も入れると 実に20時間かかった計算。でも、機内はずっと寝てたのであっという間に到着。着いたのが夜だったこともあり、最初の印象は、思っていたより涼しい感じ。 蒸している所なのかなと思っていたが、そうでもない。ちょうど過ごしやすそうな気候だ。すぐにタクシーをつかまえ、サウスビーチのホテルに直行した。

WMCが開催されている中心地、マイアミサウスビーチの周辺は基本的に碁盤の目のようになっているのでわかりやすい。僕らが泊まったホテルは「Tudur Hotel&Sweets」というコリンズアベニュー11番、サウスビーチのメインスリートの中央に位置する、どこに行くにも非常に便利なホテル だった。

深夜12時、ホテルで一息つくとすぐに外へ。今夜の予定は、まず今回僕をDJとしてブッキングしてくれたオーガナイザーの1人、Cory Soulfusion(コリー・ソウルフュージョン)に会うこと。ホテルから徒歩7、8分くらいの「CAFETERIA」へ行ってみる。メインフロアで は、Roy Davis Jr.がDJをしているようだ。さすがWMC期間中、平日の夜だというのにかなりの人でにぎわわっている。入ってすぐに、WMC常連DJ、MITOMI TOKOTOに遭遇&乾杯、そしていろいろとWMCのおもしろパーティー情報を仕入れる。結局Coryとは会えなかったのだが、そのまま次へ。

近くの「Blue」という箱でDJ SpenがDJしているということなので行ってみる。そこではSTUDIO APARTMENTを含めたNEW WORLD PRODUCTIONの面々をはじめ、SILVA、Danny Krivit、AK 、などが集まっていたのでごあいさつを。それぞれパーティーのインフォやらリリース情報などを交換。あとは、飲み!フロアもラスト朝5時までいい感じで盛 り上がり、店を出る。

最後は、パーティーを終えたDJや関係者などが多く集まっている近くのデリに行き、くつろぐ。マイアミ第一夜終了。

【写真左から】
01.Blueに遊びにきていたAKとDANNY KRIVIT
02.バーカウンターに乗って踊る人あらわる!
03.サウスビーチの中心にあった朝までやってるダイナー

2007.03.21(水)第二夜

昼、起床。ホテルのすぐ裏がビーチだったので、砂浜をフラフラ散歩。なんか東京にいるときのせわしない感じがまったくなく、ホントのんびり。ものすごく緑色な海にビックリ。エメラルドグリーンってこういう色のことなんだ、と変な満足感に浸る。

午後からは、ビーチ北にあるホテルのプールサイドで行われている「POJI」レーベル15周年パーティーへ。行ってみると、そこには「When Can Our Love Begin」で知られるNYハウスディーバKimala Lovelace(キマラ・ラブレイス)の姿も。彼女とは初対面だったのだが、ホントに気さくな感じで軽く話を。あいにく小雨がパラついていたのだが、そ んなことものともせずパラフルなライブを披露。彼女が歌い出すと不思議と雨も上がり、一気に3、4曲を熱唱。プールサイドの観客を魅了した。

その後、僕らはいったんホテルに戻り夜に備えて休憩。そう、今夜は「Buck 15」でDJだ。このパーティーは「Centric Music」というレーベルと「PUSH FM」というインターネットラジオの共同主催のパーティー。夜12時スタートとのことだったので、11時ごろに店に行ってみる。すると、そこではなんと Ian FridayがDJプレイ中!?どうやら僕が回すパーティーの前にも別のパーティーが入っていたようだ。まったくそんな情報は入ってきていなかったので、 ラッキー!と思いながら、しばしIanのDJを堪能。ハウスからクラッシックへ流れるような展開。ダンスフロアのお客さんたちも、夜12時とは思えないほ どのハイテンションで、店内は熱気ムンムンだ。そのまま音を止めずに、いよいよCentric Music &PUSH FMのパーティーが始まる。トップバッターは僕だったので、IanからDJバトンタッチ。逆にクラッシックからテッキーなモノへ上げていく。基本的に4つ 打ちで選曲を構成。最初ターンテーブルが接続されてなかったのには戸惑ったが(他のDJは全員CDJのみだった。。。)お客さんの手ごたえもよく、楽しく DJすることができた。DJをし終わると、意外なことにいろいろな人たちから声をかけられた。DJもいればお客さんも。「アノ曲ヤバカッタヨ!!」みたい な感じで、ものすごくフレンドリーに話しかけてくれる。うれしかったのは、今度リリースする「Star…LIBRE」の評判が思っていた以上によかったこ と!オリジナルのピアノトラック、そしてセルフリミックスしたエレクトロトラックの両方をプレイしたのだが、両方共に相当反応がよかったことに自分自身で もビックリ!!「これ、その曲だヨ!」ってプロモ渡すと、大喜びしてくれるのが、ホントに嬉しかった!聴いてくれる人がいるっていうのは、やっぱり嬉し い。。。
っといった感じで無事DJを終えて、あとはパーティーを楽しむダケ。シカゴから来たDJ O や、スペインから来たJose、そしてPUSH FM主宰、CoryのDJを存分に楽しむ。かなり良質のディープハウスパーティーだった。ひと段落したところで、Centric Music &PUSH FMのパーティーを後にした。

そのあと、まずJazzanovaとBugz In The AtticがDJをしている「SOBE Live」へ顔を出す。僕が行ったときは、もう深い時間だったので客はちょっと引き始めていたのだが、盛り上がった余韻が十分に伝わってくる。そこで、約 1年ぶりにIG Cultureに再会!!IG Cultureと言えば西ロンドンサウンドのドン。「CO-OP」というブロークンビーツの聖地ともいわれるパーティーの主催としても知られている。ここ 数年は、マイアミでもCO-OPを開催し話題を呼んでいる。今回僕をCO-OP in MAIAMIにブッキングしてくれたのも彼だ。ここ1年のお互いの話や、今週金曜日のCO-OPの話をしていたら、気が付くともう朝方。待ち合わせの約束 もあったので、あわててTimmy Regisfordの「SHELTER」へ向かう。場所は「Shine」というShelborneホテル内のパーティースペースだ。ここはWMC期間中 Todd Terry、Kenny Dope、Terry Hunter、DJ Jazzy Jeff、Timmy Regisford、Quentin Harris、Satoshi Tomiie、David Morales、Frankie Knuckles、Miguel Migs、Julius Papp、Danny Krivitといったハウス系トップDJたちが連日ブッキングされている。話を聞くと、どうやらこの場所では毎年このあたりのDJたちがブッキングされて いるようだ。キャパ的には400~500人程だろうか。特別に大きいというわけではないが、居心地のいい空間だ。時間が時間だったために、ゆっくり Timmy RegisfordのDJを楽しむという感じにはならなかったのだが、パーティー最後の雰囲気だけを楽しんで、第二夜終了。

【写真上段左から】
01.広大なビーチ&エメラルドグリーンの海!
02.Kimala Lovelase @ POJI Anniversary party!
03.DJ @ Centric Music & PUSH FM
04.BUCK 15のアングラな雰囲気を好んで集るダンサー達
05.PUSH FMのCORY、すばらしいパーティーをありがとう!
06.2月のジャパンツアー以来SIMBADと再会

【写真左】
07.JAZZANOVA vs Bugz In The Attic
08.AFRONAUGHT、IG Culture、DAZ-I-KUEそしてウェストロンドン公式乳酸菌ドリンク
「カルピス」!!
09.Jazzanovaからバトンを受けてウェストロンドンクルーがブロークンビーツの本域
を魅せる!

2007.03.22(木)第三夜

今日はDJもなく完全オフ。といっても相変わらずパーティー三昧の1 日が始まる。昼からはホテルからすぐの「Marine」へ。James Brownのトリビュートパーティーで、IGやBugzのDaz、SpinaなどがJ.B.の曲だけでDJしているらしい。会場に着くと入口で偶然にも King Brittと再開!相変わらずクールなんだけどオチャメな感じ。しかもやっぱりオシャレ。さすがここでも人気者であれよあれよという間に人だかりが。。。 落ち着いて話すこともできないまま、音源交換だけして中へ。IG、Daz、Orin(Afronaught)、Simbatたちにあいさつ!DJブース内 には、Spina、DJ MONIそして「BRAKESTRA」のMusic Man Milesまでもが!!みんな思い思いにJBをかけまくり、フロアは昼間だというのに思いっきり盛り上がっている。汗だくのダンサーたちでいっぱいだ。そ れどころか、店の外にまでお客さんは溢れ出している。それが原因かどうかは知らないが、結局パトカーが来てパーティーは夕方には強制終了。そのあと僕は1 人で街をフラフラ。近くにレコ屋があったので立ち寄ってみたりした。

夜からは、まずダウンタウンの「Y Ultralounge」のTottham Gardenで行われている「OM」のパーティーへ。さすが人気レーベルOMのパーティーというだけあり、会場の規模はかなり大きい。ワンフロアに4つの ダンスフロアがあり、迷路っぽい作りとなっていてロンドンのファブリックを連想させるような感じ。4つのうち2つのダンスフロアは屋外で、外ではシェフが 料理したりしているオープンブースがあったり、なんとなくバブリーな空間だ。僕らのこのパーティーのお目当ては、なんといってもBUGZ In The Attic。Mark FarinaやDJ Sneakなど米西海岸系のDJたちに混じって、西ロンドンのDJが回す!っていうことに興味が湧く。お客さんはブロークンビーツにどんな反応を示すのだ ろうか?メインフロアでBugzのDJスタート。Orinが回してDazがMCという役割分担。選曲はプエルトリコよりのブロークンビーツ中心。Dazの MCもいつもながらのスタイルで思い切りBugzらしい!まったくOMっぽくないのだがフロアの雰囲気は上々。いい感じだ。2人で1時間半ほど回したあと は次のDJへ。急激にOMっぽくなり、フロアのテンションはさらに上がっていく。あっという間に2時間、3時間が経ってしまう。気がつくともう深夜3時を 回ってしまっていたので、Mark FarinaのDJを聴かずしてそのまま外へ。

さらにBen Wattのパーティーに行くこともあきらめ「DEF」のパーティーへ。場所は昨夜も行った「Shine」。今年はDEF結成20周年ということもあり、深 い時間だというのに、入口には中に入れない人々で溢れかえっていた。ようやく中に入るとちょうどSatoshi TomiieのDJが始まったトコロ。DJブースの周りは取材陣がズラリ!!だ。やはりSatoshi Tomiieは日本が世界に誇るDJ/サウンドクリエイターだということを再認識。DJも相変わらずカッティングエッジかつ繊細なプレイで、フロアをはめ まくっていた。パーティー終了後トミイエさんに軽くあいさつし、プロモCDを渡して会場を後に。第三夜終了。

【写真上段左から】
01.KING BRITTと再会
02.J.Bのトリビュートパーティーは大合唱!
03.DJ MONI @JB Tribute Party.JPG
【写真下段左から】
04.\'Bugz\' on the table! @ om
05.ハウスヘッズが\'BUGZ\'のブロークンビーツ・セットに反応する!
06.OMが開催されたダウンタウンのTottham Garden、このエリア一帯は24時間クラブ営業OK!

【写真上段左から】
07.DEF MIXのパーティーが行われたShelbone Hotel
08.David Morales, Satoshi Tomiie, Frankie Knacles
09.Satoshi TomiieのDJに湧き上がるクラウド!

2007.03.24(金)第四夜

前の晩ハシャギスギのため、ぜんぜん寝れずに午後をむかえてしまった 金曜日。マズイ。。。今夜は「CO-OP」でのDJだ。今回のツアーの1番の目玉ともいうべきパーティーなのに。。。何年もDJをやっている経験上、睡眠 不足でのDJはあまりよくない。集中力が足りなくなるっていうか。ちょっとあせってあわてて夜まで睡眠を取る。

CO-OPが行われた場所はホテルのすぐ近くの「JAZID」という箱。2フロアでトータルで300人ほどのキャパだ。今夜のパーティーは上がCO-OP チーム。下ではシアトルのDJ、JusticeとAtleeがプレイ。僕はもちろんCO-OPチームに参加。23時オープンで、IGが遅めのブロークンで 雰囲気を作っていく。ゆるい感じで1時間ほど経過し、気がつくとお客さんは十分たまってきている。テンションが上がってきたところでOrinがDJブース に。軽く早めのプエルトリコ系ブロークンで雰囲気は一気に明るく。それに釣られるかのように、ドヤドヤと人が入ってくる。あっという間に箱はいっぱいに。 どうやら外には行列ができている様子だ。マイアミでここまでブロークンビーツ目当てのお客さんがいることに正直ビックリ。話を聞くとシアトルや、LA、サ ンフランシスコ、タンパ、ワシントンDCなどなど、アメリカ各地から遊んできている人々もいた。

再びIGがDJブースに、そしてそのあとはDazが入りさらにテンションが上がっていく。そろそろ僕の出番だ。彼らに負けじとDJブースに乗り込み、レ コードをセットアップ。CO-OPでは、過去2回(ロンドンの「Velvet Room」と「Plastic People」)で回しているのでお手のもの、と言いたいところだがまったくそんなことはない。何度やってもいい意味でプレッシャーを感じるパーティー だ。というもCO-OPクルーはもちろん、来ているお客さんたちもみんなが音に対してシリアスだから。でもジッーと聴き入るということではなく「オレらを 心から楽しませてくれよ!一緒に楽しみたいんだよ」みたいな。音に飢えたハイなテンションの人たちの集まり、という感じ。それを証明するかのごとく Gilles Peterson、DJ Spina、Mike Clarke、Simbad、BASSMENT JAXXのヴォーカルも務めるBlue、Richi Medina、Jazzanova のDaniel、Benji B、Nickodemus、Flow Riders のVictor Duplex Litzなどなど、世界各地のサウンドジャンキーたちがジャンルの壁を越え「CO-OP」に集まっていた。そんなそうそうたる面々の中、思い切りのブロー クンセットでDJを。自分の予想をはるかに上回る盛り上がりだ。完全に上げきったところで、OrinとDJ交代。CO-OPのおもしろいところはDJが入 れかわり立ちかわりブースに入って、お互いにテンションを高め合って行くところ。MCも重要だ。そんなDJブースの熱気がフロアにダイレクトに伝わり、箱 全体が一体になる。それが「CO-OP」って感じだ。結局最後までいい感じのまま、大盛況でマイアミでのCO-OPは幕を閉じた。

パーティーの余韻も冷めやらぬまま、みんなで店をあとにしホテルの近くのレストランで食事を。来年またマイアミの「CO-OP」で再会することを約束し別れた。IGはこのあとシカゴへ、Orinはプエルトリコへ曲を作りに行くそうだ。第四夜終了。

【写真上段左から】
01.ウェストロンドンのメッカCo-Opマイアミ編!
02.このパーティのポスター
03.クラブの前には長蛇の列!
【写真下段左から】
04.MOCHIZUKI on the deck!
05.Spinaもco-opのヴァイブを真剣に感じていた。
06.IG Culture spinning. Main man!

【写真上段左から】
07.BASSMENT JAXXのヴォーカルも務めるBLUEが飛び入りでライブを披露。
08.普段から一緒に音楽活動をするIGとBugzメンバーは息もピッタリ!
09.Gilles Peterson, Simbadをはじめ数々のクロスオーバー/ジャズ/ブロークンビーツの重要人物が来場!
【写真下段左から】
10.Co-Opのヴァイブを体験するために世界各国から音好きが集結!
11.Co-Opマイアミクルー集合!来年もぜひ同じメンバーで!
12.大成功に終ったパーティーの後ダイナーで食事。おつかれさま!!

2007.03.25(土)~2007.03.26(日)第五夜、帰国

いよいよ、マイアミ最後の晩。今 夜もおもしろいパーティーが目白押しだ。ただあまりにもハシゴしてしまうと1つのパーティーを十分に堪能できないということもあって、今夜は「Pawn Shop Lounge」で行われるパーティーにねらいを絞って楽しむつもり。なぜなら今の日本では体感できないDJ Harveyのプレイが味わえるのだから!!

ねらいを絞ったとはいえやはり午後から活動。まずはKing BrittがインストアDJをしている「fye」という大型CDショップへ。先日ゆっくり話ができなかったので、しばらく話を。同じ場所で「KING STREET SOUNDS」と「VAGA RECORDS」とのコラボイベントがあるとのことでKING STREETの主宰、ヒサさんが登場した。あいさつを交わしたあと、僕らは次の場所、Gilles Petersonが回しているインビテーションオンリーのパーティーへ移動。場所は「Delano Hotel」のプールサイド。来ている人たちは少し年齢層高めな感じ。ちょとセレブっぽい感じ漂うパーティーだ。小雨にもかかわらず会場は招待客でいっぱ い。Gillesの心地よい選曲とともに、いい雰囲気で夜はふけていった。

あまり遅くなると入れなくなるかもしれないという情報をもらったので、10時ごろにはダウンタウンの「The Pawn Shop Lounge」に向かう。今回のマイアミでDJ Harveyが回す唯一のパーティーだ。入り口で並んでいると、偶然にも会場入りするところのHarveyに遭遇。恐らく4、5年ぶりの再会!テンション も上がってくる。会場はかなり広く、ワンフロアに2か所のダンスフロアと1か所の屋外ライブスペースで、それぞれが300人~400人ぐらいのキャパだ。 タイミングよく屋外スペースでOsunladeのライブを見れた。彼とも日本で会ったとき以来なので、多分3、4年ぶりの再会だろう。その後LAでDoc Martinに紹介してもらった重鎮Marcus Wyattがいたので、声をかけデモを渡す。そんなこんなしているうちに、1番奥のフロアでHarveyのプレイスタート!ホントに久々なので胸が高鳴 る!!がしかし、初めの数曲で大トラブルが発生。なんとターンテーブルが1台壊れて音が出ない様子だ。配線の問題なのか本体の問題なのか。。、しかしなが らHarveyはプレイを中断することなく、1曲かけては次のレコードをまた載せ、という感じでDJを続ける。その精神面の強さと、そんなことを気にさせ ないほどの力強いプレイに圧倒され、フロアは異様に盛り上がっている。DJ Harveyでなければこうはならないだろう。しかし個人的な素直な気持ちとしては、やはりベストな状態でのHarveyを聴きたかった。残念。。。大ト ラブルに少々テンションも落ちたまま戻ることに。

最後にホテルに帰る前に「JAZID」で「Raw Fusion」のパーティーがあったので立ち寄る。スウェーデン・ストックホルムのレーベル「Raw Fusion」は、Povo、Spiritual South、Simbadといったアーティストを抱え、クラブジャズ寄りの良質なサウンドをリリースしている。ここアメリカでの認知度がどうであるのか は、まったくわからなかったのだが、昨日の「CO-OP」に負けないほどの客の入りよう。朝だというのにまだまだものすごい盛り上がりを見せている。アメ リカのハウスシーンでも、ヨーロッパのジャズ、クロスオーバー系の音が十分にリンクしているようだ。ちょうどKarizmaがDJ中だった。彼のDJは初 めて聴くのだが、すごい!縦横無尽にサウンドを操るといった感じだ。そして、最後は今年東京にも来日を果たし、一緒に曲作りもしたSimbadがプレイ。 マイアミ最後のパーティーを十二分に満喫し、クタクタの体を引きずりホテルに戻る。第五夜終了。

早朝、空港へ向かう。またデトロイト経由で日本に帰国だ。あっという間の5日間は本当に楽しかった。それにしても相当な数のパーティーをハシゴしたわけだ が、僕らが行った数々のパーティーは、ダンスミュージックシーンの中ではアンダーグランドと位置づけられているものも多く、WMC全体からするとほんの一 部分だけだ。そう思うとダンスミュージックシーンは、やはり巨大であり層が深いのだと改めて感じる。

5日間のマイアミ滞在、2回のDJギグを通じてのWMCの感想。
ダンスミュージックバンザイ!!

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「LOOP鶴岡のおまけコラム」

「おまけで鶴岡さんもコラムを」と、宇田川町好きのクラベリア担当さんにもったいない話をいただいたのでちょいと失礼します。僕は今回DJ MOCHIZUKIの通訳でマイアミに行ってきたわけなんですが、WMCの音楽的ヴァイブは充分伝わったと思うので「僕は何を書こうか…?」とマイアミで 撮った写真を見ていると、衝撃的な写真を発見。

バケツをひっくり返したような量のパスタに、ハンバーグ級のミート君…!
アメリカの食事はとにかく量が多いんです!

クラブ帰りに富○そば感覚でファミレス!?で食事をすることになって、ミートボールスパゲッティーを頼むとこの量。あまりにひどいのでタバコと比較して写 真を撮ってみました。MOCHIZUKIのマネジが頼んだパンケーキはフリスビーのようなサイズだし、MOCHIZUKIが頼んだエビフライには、どちら がサイドディッシュかわからないほどのフライドポテトが…。おじいちゃんに「食事を残すと目が潰れるぞ」という教えを受けて育ってきたのだから、食べない わけにはいかずパスタ完食!!

日本を出発する時に「太るまい!」と心に誓ってきましたが、無理です。おいしく5日間すごしちゃいました。
またLOOP店長に落胆のため息つかれるなぁ、「いい加減にしたほうがいいよ」って。

最近「やせる」という見た目のことよりも「体を大事にしたほうがいいよ」というコメントをもらうことが多い鶴岡でした。

(完)
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【写真上段左から】
01.Delanoホテルのゴージャスな中庭で行われたGiant Stepパーティー
02.小雨が降る中、マイクを握りながらご機嫌にフロアを揺らすジャイルス。
03.Osunlade率いるYorba Band @ Pawn Shop
【写真下段左から】
04.2002年ツアーを一緒に回ったDJ Harveyとも数年ぶりに再会!
05.Harveyの神がかり的オーラに飲み込まれていくクラウド!
06.パスタ、ミート君、パンケーキ、フライドポテト…