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ポータブルオーディオフェスティバル - イイ音もって出かけよう!-

6/28、29の2日間、東京・秋葉原で「第5回ポータブルオーディオフェスティバル2014 in 秋葉原」が開催された。ポータブルオーディオフェスティバル(通称:ポタフェス)は『イイ音もって出かけよう!』をコンセプトにした、誰でも気軽に"イイ音"を見つけ、体感できるというイベントだ。国内メーカーを始め世界中のメーカーの最新イヤホン・ヘッドホン500種以上の機器が並び、実際に体験することができる。また地下1階ではライブが行われ、DAISHI DANCE、Takeru John Otoguro、DJ KYOKOなどトップDJから結城アイラ feat. TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND、fhána などのアーティストも出演。さらにはアニソンDJ界のアイコン「サオリリス」と、DJ・トラックメーカー/VJの兄弟ユニットFILTER KYODAI(江夏正晃、江夏由洋:marimoRECORDS)がタッグを組んだシンセサイザーライブユニット「SAOLILITH 2 FILTER KYODAI」のライブが初披露された。それでは会場の様子を追って行きたい。

Text & Photo : Licaxxx
 
 
会場1階の入場口でまず目を引いたのは巨大ヘッドフォン。一目でヘッドホンのイベントが開催されていることが分かる。その隣にはワールドカップにちなんだデザインの beats by dr.dreのブースがあり、ヘッドホン・イヤホン・ポータブルオーディオが展示され、中でもbeats mixr、beats pro、beats studio、beats soloの体験ができるコーナーでは見た目は勿論、それぞれの特性の違いを顕著に体験することができた。さらに奥ににあるモダニティが販売しているSMS AUDIOのブースでは「スターウォーズ™」コラボレーションヘッドホンの展示が展開され、ダースベイダーの登場により会場の目を引いていた。
 
 


 
会場2階にはメーカー各社のブースが並んでおり、DJ向けや外出時につかうポータブルオーディオが展開される部分と、自宅などアンプを通して体験するヘッドホンなどが展開される部分の、大きく分けて二つに分かれいた。中でもAKGのブースは人気で、試聴待ちの人で賑わっていた。パイオニアブースでは新シリーズが展開されており、中でも印象に残ったのはヘッドホンについたダイヤルにより低音の強弱を調節できるSE-MX7と、インナーイヤーののSE-CX8、9に搭載された低音と共に振動を体験できる新開発の「BASS EXCITER」である。「BASS EXCITER」が起こした振動が筐体を伝わり、低音をより強く体感できる低周波数振動となってイヤホン自体から耳に振動を低音とともに感じることができるというものだ。いずれも実際のクラブでは起き得ない体験ではあるが、それによってクラブにいる感覚に近い表現、もしくはそれを超え拡張された体験ができるのは新鮮かつ大変興味深かった。
 

 
 
そして地下1階の会場にはライブステージ、そしてDJや楽曲制作用の機材体験のブースが。中でもM-AUDIOのTRIGGER FINGER PROというパッドコントローラーは夢中になって遊んでしまった。PCからパッドに音色をアサインし、ステップシーケンサーでループを組むことが出来る。
そしてTRIGGER FINGER PROのライブでの操作性は「SAOLILITH 2 FILTER KYODAI」の初ライブでも遺憾無く発揮されていた。複数のアナログシンセサイザーやコントローラーが1台のパルス波を介しBPM同期され操られるライブスタイルは、見た目の迫力と音の変化のライブ性を楽しむことができる。始めのAnalog Modular System A-100を操るサオリリスの姿に萌えた機材ヲタも多いことだろう。
さらにライブ中TRIGGER FINGER PROとAKAI Professional MINIAKもサオリリスが操っていた。この日はミニアルバム『SAOLILITH 2 FILTER KYODAI -CONNECT-』に収録の4曲を60分かけたっぷりと披露された。
シンセサイザーの特色が生かされたキラキラとしたエレポップな曲に、インターネット用語などがちりばめられたれた不思議な雰囲気のある歌詞が乗せられている。どれもスペイシーで浮遊感のあるシンセサイザーの音が特徴のどこか90年代の香りも感じるような、それでいてスッと入ってくるエレポップに観客は心掴まれいつしか「SAOLILITH 2 FILTER KYODAI」の世界に引き込まれた。また曲と曲との間のシンセサイザーを駆使した”遊び”も見所の一つで、アナログシンセサイザーのつまみをいじることによる音色の変化であったり、ステップシーケンサーによるグリットにハマりながらも人為的に変化しているリズムなど多いに楽しむことができた。今後のSAOLILITH 2 FILTER KYODAIの活動にも注目だ。