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ULTRA MUSIC FESTIVAL レポート

3月25日、米国マイアミはダウンタウンに程近い海沿いの公園でWinter Music Conference(WMC)の目玉イベントとでもいうべき、大型野外パーティー「ULTRA MUSIC FESTIVAL」が開催された。16エリアに14ステージが並ぶ5万人規模の野外フェスを昼から夜まで密着レポート!

とにかく巨大な野外会場 前々日にNikki Beachで開催された人気のハウスレーベル「Defected」のビーチパーティでは超大豪雨で、野外なんてあり得ない状態だったのが、ウソのように晴れ渡った当日、開門の2時間後くらいに到着すると当日券の売り場には、ものすごい長蛇の列! 聞けば1時間半待ちくらいとのこと。当日85ドルの券を 100ドルで売るダフ屋が大忙しなのもおもわず納得! プレス申請をしていたことを幸運に思いながら、なんとか取材パスをゲットして、チケット売り場から軽く1kmは離れた入口へ。割とイイカゲンなセキュリティーチェックを通って中に入ると、そこかしこで鳴り響く爆音の中、もうかなりの人々が入場している。ていうか、こんなに近くで音出し合ってちゃ、混ざって聞こえねーだろっ!とか思いつつも、まずは場内のようすや出演DJを確認するために、ゲート横の壁に貼られた地図&スケジュールのバナーをチェック。 全部で16エリアに14ステージが並ぶ広大な会場内に、これでもか!と詰め込まれた有名DJやバンドの数々。。。ここで、早くも最低3つくらいは身体がないと行きたいところに全部行けないジレンマに遭遇。でも、これだけ同時並行でおもしろそうなステージをやられてちゃ逆にあきらめも付くってモンで、とりあえずは2つあるメインステージの1つ「ULTRA STAGE」へ。

昼真っから大盛り上がりのステージ

ちょうどイスラエルトランスのスーパースターInfected Mushroomが始まったばかりのステージはすでに6、7割の混雑振りで前に進むのも結構大変なかんじ。しかも、マイクを片手にDuvdevが歌い(う なり?)ながら、観客を煽るもんだから、「Im the Supervisor」がかかったりした日にゃ、一斉に飛び跳ねる人たちでステージの周りはスゴイ土煙に! 振り返って見上げれば、それにしてもマイアミ の空は青くてキレイだなぁなんて思ったけど、あまりにも痛いので、とりあえずステージ前からは退散。

で、プログレッシブハウスの大御所Danny Howelsがやってるという「Carl Cox & Friends」テントへ。ここにも、すでにかなりの人数が入っていて、みんな思い思いに踊ってる。一応、屋根はついてるんだけど明るいからか、みんな笑 顔で仲間とわいわいやりながら踊ってて、音もそんなにヘビーではなく、Dannyも写真なんか撮りながら楽しんでプレイしているかんじ。ほどなくして、御 存知、元UnderWorld、Darren Emersonに変わる頃にはさらに人が入ってきて、Darrenがノッケから手を振り上げて飛ばすもんだから、観客みんなでRaise Handで大喜び!! まだ4時なのにみなさん大丈夫なんですか?ってくらい盛り上がってる。

昼間のTechnoって難しいかも?

この調子でいくと絶対に体力が持たないので、一休みも兼ねて、ス ウェーデンのトップテクノDJ、Adam Beyerがやってる「Tecnho Stage」をのぞきに行くと、ステージ上になんかエロい格好したオネーサンたちが5人揃ってダンスしてる。公式サイトとかには「イビサから直行のショー ガールも満載!」みたいなことが書いてあったけど、正直、この人たちはあんまりうまくなかったな。テクノは音的に、どうもこの白昼の明るい雰囲気とはマッ チしにくいようで、ここはまだあまり人も来てなく、スペーシーな感じなので、後でもう一回来ることにして早々に移動。

たどり着いた「House Stage」ではイギリスの若き天才、注目株のNic Fanciulliのプレイで、みんな大暴れ。テントに入りきれない人たちが、外でガンガンに踊っていて、これがオレンジ色に傾きつつある夕陽を照明にす ごいいい雰囲気を醸し出していて、フェスならではの幸せ感満点!。ここらへんの時間になると来場者もかなり増えていて、おかしな格好の人やベッピンさんも 多くなってきたので、場内をパトロールしてスナップ写真のハンティングに。

ブレイクビーツステージもヤバイ!

途中で「Break Beat Stage 02」に立ち寄るとなにやら、ものすごい数の人が集まって飛び跳ねてる。見れば、ステージ上で日本のマンガみたいな格好をしたスラリとスタイルのいいオ ネーサンがメチャメチャ踊っている。しかも、このダンサーたち、かなりダンスもうまい上にエロくてナイスなんだ! DJは回りの人に聞いたところ、北米で もっとも人気の女性ブレイクスDJ、Baby AnneとJen Lasherとのこと。実は初めて聞いたんだけど、ちょっとヒップホップっぽい感じですごいパワフル&ダンサブルなプレイで驚いた!観客もものすごいパ ワー!日本だったら、こうしたフェスではメジャーなDJのやってるステージに固まりがちなのに、このへんがアメリカならではっていうか、スゴイよね。

でも、やっぱ全ステージが人気ってわけではなくて、裏手にある新進DJを集めた「New Times DJ Breakthrough Tent」やローカルDJを集めた「Florida Favorites」などは、いつ通りかかってもあまり人気がない感じで、DJもやる気ないというか開店休業みたいな状態になっていたのがちょい寂しかっ たかな。ちなみにブレイクス専門ステージは計2つあってライブ寄り、DJ寄りって分かれてるんだけど、特にライブ寄りの02は全体にヒップホップ色が強く て、日本でいうブレイクビーツとはちょっと違う感じでした。

場内のバーやトイレは大混雑

ちなみに場内には10箇所くらいバーがあるんだけど、すべて大行列。そして どこも写真付きIDを見せて21歳以上であることが確認できた人だけもらえるリストバンドがないと酒が買えないという仕組み。ビールは一杯6ドルでカクテ ル類は8ドル。屋台の飯はホットドッグやシシカバブ、とうもろこしで作った大判焼きにチーズをはさんだようなヤツから、結構本格的なチキンステーキ乗せ ジャンバラヤや、ステーキファラフェルまで、かなりバラエティに富んでいて、だいたい5~10ドルちょっとくらい。

ほかにも、売店テントではULTRAオリジナルTシャツやキャップが売っていて、これはTシャツで20~25ドルくらい。なんだかんだで、思いのほかお金 を使うこともあってか、場内には何か所もATM(現金引き出し機)が設置してあって、どこも大行列なのがおもしろかった。同様にトイレもかなりの数が設置 してあるんだけど、これも大行列でマジでツライ。加えて夜になると真っ暗でなんにも見えない(しかも、そのころには便器汚れまくり!)ので、婦女子の方々 はかなりの苦労をされたハズ。

大本命Prodigyのライブは途中リタイア

まあ、そんなこんなでいい感じに日が傾いてくると、再び盛 り上がってくるのがメインの「ULTRA Stage」。すごい数の人が集まりだして、超いい雰囲気に。昨年NYにできたクラブPachaのレジデントとしても活躍するEric Molliroをしばし楽しんだ後、もう1つのメイン会場である「Live Stage」へ。そこでは、今、注目株のHot Hot Heatがやってたんだけど、ものすごーい人数が集まっていてステージ前方には近寄れず。。。しかたがないので丘の上から鑑賞となりました。

その後も、再び戻った「Techno Stage」でDJ Hellを聞いたり(今度は大混雑です!やっぱりテクノは夜?)、「Techno Stage」の目の前にある屋台ゾーンで飯食ったりしながら心待ちにしていたのが「ULTRA Stage」で予定されていたProdigyのライブ。が、これが、始まるまでのセッティングの間も続々と人が押し寄せてきて、始まると同時に暴れまくる 人続出なので、写真撮影も落ち着いてできず、1,2曲で、ほうほうの体で退散。ものすごーく心残り。でも、暴れてる外人ってマジ怖いんだもん。。。

最後に

その後も「Live Stage」ではKILLERSやJunkieXL、「ULTRA Stage」でもArmand van Heldenなんかがプレイしていたんだけど、日が落ちると店やテントの周り以外は真っ暗になっちゃうし、海沿いってこともあって、マジで寒い!!!思 いっきり体調悪くなって、残念ながらリタイア。寒さに強いはず(?)の外人勢もけっこう凍えてる人が多くて、ULTRAの看板が出ている丘の上で夜になる と行われていた、電撃パフォーマンスを横目に帰路に着きました。。。。

ちなみに、ULTRA自体は深夜12時でいったん終わるんだけど、歩いて10分くらいのところにあるAmerican Airlines Arenaという競技場では朝11時まで、Rabbit in the MoonやORBのライブ、Danny Tenaglia、James ZabielaらのプレイでCarry on(アフター)パーティが開催されていたようです。やっぱULTRA、やっぱマイアミ、タダモンではないです!!参った!!