REPORTS

DYNAMITE ROKU音NIGHT

 近年、様々な業界でメーカーや団体・企業が、音楽とのコラボレーションでショービジネスを打ち出しているのを頻繁に目にする。それにはEDMの爆発的な躍進で、クラブミュージックシーンに再び火が付いたことも大きいだろう。
 そして昨年、また1つ新たな面白いプロジェクトが誕生した。それが【ボートレース】だ。音楽でボートレースを盛り上げる新プロジェクト「ROKU音」が、300人限定のプレミアムイベント「DYNAMITE ROKU音NIGHT」を開催するという事で、興味津々パーティに潜入してきた。

 会場となったのは、ボートレース場に隣接する商業施設BIGFUN平和島内のイベントスペースRed&Blue TOKYO。品川から電車で10分ちょっと、平和島駅からもバスで5分程度。都心から20~30分もあれば来れてしまう場所にボートレース場とRed&Blue TOKYOはあった。


Text : Masatoshi Murata
Photo : Official
   
 会場に入ると、既にDJ畑中奈緒美がプレイ中。オープンからまだ30分にも関わらず、オーディエンスは皆DJブースを囲むように、我前へと楽しそうに音楽とダンスを楽しんでいた。

 キラキラした華やかなステージが終了し、続いての登場したのはDJ SHINTARO。Red Bull Thre3style 2013世界チャンピオンに君臨して以来、その名を一気に轟かせた彼は、今や世界が認めるターンテーブリストだ。期待通り、スクラッチからDJがスタート。畑中奈緒美が残したキラキラ感とは一転、見入る程のDJスキルで圧巻のプレイを見せていた。ステージ上には、ダンスミュージックファンには馴染みのセクシーダンサー集団CYBERJAPAN DANCERSも煌びやかなボディスーツとセクシーなダンスをしたがえて登場し、一気にフロア熱はピークへと達した。
DJ SHINTAROのプレイは中盤からビートダウンしてHIP HOPへ。その展開作りたるやさすがの一言で、ステージはハイテンションのまま終了、最後には女性ファンの黄色い歓声が飛び交ったのが印象的だった。

   
 そして何やら会場がザワつき始め、隣のラウンジでトークを楽しんでいたオーディエンスも、さしては休憩中の運営スタッフまでもがフロアへ流れ込み、気づけばフロアは満員に。そう、続いてはこの日のスペシャルゲストMAXの登場だ。

ここから余談。
安室奈美恵with SUPER MONKEY'Sのファーストを予約購入し、未だにヘビロテしているぐらい、何とかプロジェクトよりも、48よりも、アクターズスクールど真ん中世代の筆者がゆえ、ここは仕事を忘れてフロアを掻き分けて前線へ乗り込んだ。
ここまで余談。

 そしてMAXのライブがスタート。「今日は懐かしい曲やこれなら知ってる曲ってのを用意したので盛り上がりましょう!!」というNANAのMCの通り、次々の繰り出す往年のヒットチューンに、フロアとステージが一瞬にして一体となった。最後にはもちろんRiDE ON TIMEが…泣。

 あっという間に20分間のライブが終了し、その熱気を残したままステージ上スクリーンには、実際のボートレースの映像が流れ始め、デモレースが始まった。入場時にランダムに配られた6色のリストバンドと同じ色のボートが勝てば、ドリンクチケットが当たるという、オーディエンス参加型の粋なスペシャルコンテンツが用意されていた。LIVEからこのスペシャルコンテンツまで、フロアには爽やかなハイテンションが溢れかえる中まだまだパーティは続いた。

   
 この後もDJ丸高愛美のキャッチ―&ハッピーなDJプレイ、そしてラストに登場したDJ Andoが投下する、近年のメインストリームを象徴するヒットチューンにより、最後の最後までフロアは熱気に包まれたままイベントは終了。明るくなったフロアで見たオーディエンスの顔には汗と笑顔が溢れていた。

 実はこのイベントは300名限定の無料招待制イベントだったにも関わらず、全員へワンドリンクが付き、さらにラウンジにはフードケータリング(もちろん食べ放題)も用意されていたから驚いた。

 1000人以上の募集から見事当選した人にとっては本当にラッキーなイベントだった。ボートレースに行くのも、クラブに行くのもきっかけは何だっていいはず。トレンドをひっくり返してしまう程インパクトのあるエンターテインメントは、ストイックなシーンからよりも、むしろこういったオープンマインドな仕掛けや雰囲気から生まれる事が圧倒的に多い。音楽好きやクラブ好きであれば直接クラブを目指すのもいいが、シーンを取り巻くいろいろな«遊び»にももっと注目してみるのも面白い。
 その一端の架け橋を担う『ROKU音』プロジェクトの挑戦と、ボートレース界がどの様な躍進・変化を見せていくのか。今後の動向にも注目したいところだ。


■ROCK 音 Official Site
http://roku-on.jp/