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Awakenings Festival 2015

 テクノ好きであれば「Awakenings」という言葉を一度は耳にしたことがあるだろう。オランダを拠点に世界最大規模のテクノのパーティー/フェスティバルを運営するプロモーター集団である。
Awakenings Festivalは2001年にスタートし、2007年以降は6月の最終週に開催され 、オランダ人にとって夏の風物詩になっている一大イベントだ。2014年から2日間の開催へと規模を拡大し、両日で6万人を動員するモンスターフェスティバルへと成長を遂げた。今年で15周年という節目を迎えたAwakenings FestivalのDay 2をレポートしていきたい。


Text by Mayako
Photo by Awakenings Official
 
 当日は全体的に雲の多い一日ではあったが、時折雲間から太陽が差し込み夕方までは半袖でも過ごせるほど心地のいい気候であった。アムステルダム中央駅の次の駅であるスローターダイク駅から、会場行きのシャトルバスが何台も待ち構えていた。20分程バスに揺られると、車窓からの眺めは美しい緑や広い湖へと変わっていき、会場であるスパールンワウデに到着する。
エントランスとセキュリティーチェックは長蛇の列。今年も両日共にチケットはソールドアウトだ。気になる今年のラインナップだが、Richie Hawtin、Adam Beyer、Sven Vath、Ben Klock、Marcel Dettmann、Ricardo Villalobos、Joris Voorn、Len Fakiなど現在のテクノシーンのトップに君臨するDJが軒並み顔を揃えていた。これほどのラインナップをたった1日で体験できるのは世界中のフェスを見回してもAwakenings Festivalだけだろう。今年は他にもTale Of UsやMaceo Plex、Apollonia、Henrik Schwarzとハウス寄りのアクトもラインナップされていた。
 
 
 大中小8つのステージがあり、会場内の湖のほとりで踊ったりチルできるオープンエアーから、外の光がほとんど遮断されたインドアステージなど多種多様であった。また、ステージによってデコレーションやライティング、ヴィジュアルのコンセプトが分かれており、耳だけでなく視覚でも楽しめるステージ作りとなっていた。特筆すべき点は、ステージ間が近いにも関わらず、一度ステージに足を踏み入れれば他ステージの音が全く聴こえなくなるようになっており、細部にわたって配慮がなされていた。インフラも完璧で、1日で3万人を動員するフェスにも関わらず、トイレやバーはほとんど並ばず済むし、無料の水汲み場や、ほぼ全域で無料Wi-Fiが使用できるなど1日を通してとても快適に過ごせた。
 
 個人的なベストアクトは15時からオープンエアーでプレイしていたApolloniaだ。彼らの途切れることのない安定感抜群のテックハウスグルーヴがばっちりハマっていた。「Minilogue – Doiicie」など、テクノトラックを随所で投入しクラウドの心を掴んで離さなかった。また、テントステージの大トリにプレイしていたBen KlockとMarcel DettmannのB2Bも、ベルグハインを彷彿とさせる凶暴なダークテクノを惜しむことなく披露し、狂気と化したフロアの熱気は最高潮を迎えていた 。ちなみに、他ステージの大トリはSven Vath、Collabs 3000 (Chris Liebing & Speedy J)、Richie Hawtin、Adam Beyer & Ida Engbergとなっており、苦渋の決断を強いられたクラウドが多かったことだろう。
しかし母親と息子が親子でテクノフェスティバルに遊びにきていたのには驚いた。Ricardo Villalobosのハウス~テクノを縦横無尽に駆け巡るプレイで親子が踊っている光景は、オランダがダンスミュージックと歩んできた歴史の長さを物語っているようだった。

来年のAwakenings Festivalは6月25、26日に開催することが決定している。日本の梅雨を抜け出して遊びたい人は、是非ともこのテクノフェスティバルを体験してほしい。