文:飯野篤紀
写真:SKINNY、木村 知佳
写真:SKINNY、木村 知佳
まずは神戸ポートタワーにて行われた2月27日(土)のオープニングイベントから振り返っていきたいと思う。神戸ウォーターフロントエリアの景色を一望できる絶景DJ配信とナイトタイムエコノミーの有識者を招致したトークセッションの2つのプログラムがYouTubeにてライブ配信された。
オープニングイベント
よく晴れた空の真下にて、まずは地元神戸で活躍するDJ / プロデューサーのTrasTaからスタート。近隣エリアでクラブ「nagomibar」の運営も行う彼の心地良いテンポのハウスで構成されたセットが、タワー最上階から鳴り響く。
次なるアーティストは、神戸出身で実の兄弟Isao Sudoとのユニット「SUDO」名義でも世界を舞台に活躍するTakashi Sudoだ。DJ TrasTaのセットとはまた打って変わって、アンビエントからジャジーなトラックまで絶妙にクロスオーバーさせるダウンテンポ寄りなセットを披露。次第に染まりゆく夕焼け色の空ともマッチし、情緒あふれる空間を作り出す。
サンセットタイムを担当したのは、イビサやベルリンなどヨーロッパ主要都市のパーティーへの出演経歴を持ち、現在は東京を拠点に活動するDHADHA” だ。メロディアスなテクノを緻密なミキシングで積み重ねるダンサブルなセットをプレイ。時折映し出される神戸ウォーターフロントエリアの夜景は、絶景DJ配信ならではの輝かしい光景だった。
ラストのHITOが始まる前に1時間にわたるトークセッションがスタート。ファシリテーターはタワー3階のSAKE TARU LOUNGEをプロデュースを行うなど神戸の活性化に向け多様な取り組みをする坂野雅氏が務め、長年に渡りナイトタイムエコノミー政策を牽引してきた齋藤貴弘氏や梅澤高明氏、様々な媒体を通して神戸の魅力を発信を行ってきた松下麻理氏を招致して行われた。
神戸ポートタワーのPRの一環として制作されたPORT OF KOBEポスター。神戸ビーフやJAZZ、日本酒など、港から入ってきた海外文化を積み重ねるとタワーができる程、神戸は物語に恵まれている。
上記ポスターを見れば分かる通り、神戸は港町というその土地柄もあり、国内外から持ち込まれた多様な文化を持っている。新型コロナウイルスの収束後、そういった神戸の魅力をどのように活かして人々の誘致に繋げていくべきか。「ナイトタイム事業の繁栄」や「多様性の享受」といった具体的な施策が1時間を通してディスカッションされた。
満を持して登場したのが、姫路出身で現在はベルリンを拠点に世界で活躍するHITOだ。ブースはタワー頂上から室内展望フロアに移して配信がスタート。序盤のミニマルなトラックから徐々にビルドアップし、後半はフロアに居た撮影スタッフ達からも歓声が上がるほどの迫力ある展開に。“これぞテクノ”と言わんばかりのそのエナジティックなグルーヴには圧巻の一言だった。
ARインスタレーション
オープニングイベントの翌日にタワー3階のSAKE TARU LOUNGEを訪れると、フロアの窓に多数のiPadが設置されていた。そう、本イベントのメインコンテンツの1つでもある表現技術者asagiによるARインスタレーションだ。
iPad越しに風景を見てみると、神戸には欠かせない歴史あるアイテムがARで出現。中々普段触れ合う機会が少ないこういった文化的な歴史を最新テクノロジーを通して学ぶことができるのは非常に興味深い。
また、過去から未来へと移り変わるCROSS KOBEオリジナルのInstagramフィルターは現在も使用することができるので、興味のある方はこちらのリンクからインストールしてみてはいかがだろうか。
アートエキシビション
タワー2階のSPACE LAB PORT TOWERに降りると、Apple社のキャンペーン「Macの向こうから」のクリエイターにもフィーチャされた後藤映則によるアートエキシビション『CROSSING #03』が出迎える。普遍的かつ原始的な光で表現された本作品を鑑賞していると、次第に光線の形が歩いている12人に変わっていく。年齢も性別も人種も異なるこの12人は、作者が実際に訪れた世界各国の交差点で記録されたという。本作品からは、人々や文化の多様性が見受けられる傍ら、”時間”という同じ基準を共有している人と人の繋がりを感じた。
絶景DJ配信をはじめとして、様々な先鋭的なコンテンツが展開された「CROSS KOBE」。歴史的ランドマークタワーでのイベント開催というのはあまり前例のないことではあったと思うが、音楽やアートを通すことで、神戸という多様性溢れる街の魅力を新しい形で発信できたのではないだろうか。神戸ポートタワーは本年度より改修工事に入り、開業60周年の節目となる23年度中の完成を目指すことを発表している。リニューアル後のタワーの新しい姿、そして神戸ウォーターフロントエリアの今後の繁栄に期待したいところだ。
上記ポスターを見れば分かる通り、神戸は港町というその土地柄もあり、国内外から持ち込まれた多様な文化を持っている。新型コロナウイルスの収束後、そういった神戸の魅力をどのように活かして人々の誘致に繋げていくべきか。「ナイトタイム事業の繁栄」や「多様性の享受」といった具体的な施策が1時間を通してディスカッションされた。
満を持して登場したのが、姫路出身で現在はベルリンを拠点に世界で活躍するHITOだ。ブースはタワー頂上から室内展望フロアに移して配信がスタート。序盤のミニマルなトラックから徐々にビルドアップし、後半はフロアに居た撮影スタッフ達からも歓声が上がるほどの迫力ある展開に。“これぞテクノ”と言わんばかりのそのエナジティックなグルーヴには圧巻の一言だった。
ARインスタレーション
オープニングイベントの翌日にタワー3階のSAKE TARU LOUNGEを訪れると、フロアの窓に多数のiPadが設置されていた。そう、本イベントのメインコンテンツの1つでもある表現技術者asagiによるARインスタレーションだ。
iPad越しに風景を見てみると、神戸には欠かせない歴史あるアイテムがARで出現。中々普段触れ合う機会が少ないこういった文化的な歴史を最新テクノロジーを通して学ぶことができるのは非常に興味深い。
また、過去から未来へと移り変わるCROSS KOBEオリジナルのInstagramフィルターは現在も使用することができるので、興味のある方はこちらのリンクからインストールしてみてはいかがだろうか。
アートエキシビション
タワー2階のSPACE LAB PORT TOWERに降りると、Apple社のキャンペーン「Macの向こうから」のクリエイターにもフィーチャされた後藤映則によるアートエキシビション『CROSSING #03』が出迎える。普遍的かつ原始的な光で表現された本作品を鑑賞していると、次第に光線の形が歩いている12人に変わっていく。年齢も性別も人種も異なるこの12人は、作者が実際に訪れた世界各国の交差点で記録されたという。本作品からは、人々や文化の多様性が見受けられる傍ら、”時間”という同じ基準を共有している人と人の繋がりを感じた。
絶景DJ配信をはじめとして、様々な先鋭的なコンテンツが展開された「CROSS KOBE」。歴史的ランドマークタワーでのイベント開催というのはあまり前例のないことではあったと思うが、音楽やアートを通すことで、神戸という多様性溢れる街の魅力を新しい形で発信できたのではないだろうか。神戸ポートタワーは本年度より改修工事に入り、開業60周年の節目となる23年度中の完成を目指すことを発表している。リニューアル後のタワーの新しい姿、そして神戸ウォーターフロントエリアの今後の繁栄に期待したいところだ。