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「SNOW MACHINE」レポート -日本の音楽歴史に残る激レア冬フェス?!-

Photo by SNOW MACHINE official
Text by Shitanosekai

 冬場の白馬がオーストラリア人を中心としたインバウンドで大盛り上がりを見せている昨今、なんとも異空間で刺激たっぷりなフェスを体験した。その名も、「SNOW MACHINE(スノーマシーン)」。ニュージーランドでも開催されているフェスの日本版なのだが、なんとオーディエンスは98%オーストラリア人という、日本にいながら海外フェスを体現出来る、さらにはフェスが全くといって開催されない2月末のド平日という時期に開催される冬フェスなのである。白馬のスキー場近辺にメインステージが位置する為、ほとんどのオーディエンスは昼にスキーやスノーボードで白馬の誇る世界的有名な「パウダースノー」を満喫し、リゾート気分満載のまま世界のDJやバンドのパフォーマンスでさらに爆上がり出来るのだ。



 前夜祭とも捉えられる2月27日では、スキー場ゲレンデにてナイトスキーが開催され、そこには簡易DJテントが設置され、「SNOW MACHINE」の醍醐味である「スノースポーツとクラブミュージックの融合」がさっそく垣間見れた。

 そして、いよいよメインステージでのイベントが3日間に渡って開催される。夕方4時からの開場なのだが、それまで朝からそれぞれ山でスキーやスノーボードを楽しんで、そのままシャトルバスや宿泊施設から徒歩でメインステージに続々とオーディエンスが集結してくる。ここは本当に日本なのかと錯覚を覚えてしまうくらいの異次元空間が広がる。国内フェスではありえないVIPエリアのアウトドアデザインは流石の一言!「ゴールデン街」と題されたコンテナハウスが立ち並ぶエリアは、良い意味で若干ずれたデザイン感覚で日本の伝統的な飲み屋街を再現されていて、かなりぶっとんだ空間だ。さらに「カラオケテント」なるブースがあり、意味もあまりよく分からずに潜入してみると、いわゆるカラオケバーなのだが、歌詞が映る画面に向かってその場にいるほとんど全員でカラオケ大合唱!という、国内フェスでは絶対に見られない光景に完全に圧倒されてしまった。とにかくお客はオーストラリア人ばかり!日本人もチラチラと見かけるが、みんな楽しそうにフレンドリーに交わっている様子が最高である。



 メインステージ3日間のラインナップは、DIPLOを筆頭に、NINA KRAVIZ、CLAPTONE、DENIS SULTA、GEORGE FITZGERALDなど世界的トップDJ陣の他、HILLTOP HOODSやILLYなどオージーHIPHOPアーティスト、国内からは大沢伸一やSATOSHI TOMIIEなどレジェンドDJ陣らも参加。さらにSNSで大バズりのMARC REBILLETなどライブアクトも大盛り上がりで、ダンスミュージックファンじゃなくても楽しめるバラエティ豊かなメンツもSNOW MACHINEの魅力であろう。さらにそのシチュエーションも抜群で、パウダースノーが会場中を舞い、ライティングと大自然の融合が本当に素晴らしく綺麗で、冬フェスでしか味わえない絶妙な空間で爆音を浴びる事が出来た。




 メインステージ以外にも、様々なスキー場のゲレンデで特設ステージが組まれていて、世界のトップDJ達が雪山に囲まれた絶景空間でプレイする、なんとも贅沢な空間もあった。特に、DIPLOがシークレットで登場した際にはゲレンデがこんなにも埋まるのか!という位のクラウドが集まり、突然の登場にサブステージも大盛況で、アーティストとの距離もかなり近く、国内のフェスでは味わえない、これぞ「SNOW MACHINE」の真骨頂というシーンという世界が広がっていた。




 さらに、DIPLOとNINA KRAVIZなど出演していたDJ達が普通にプライベートでゲレンデで滑っていたり、メインステージで遊び足りないクラウド達はアフターパーティーで白馬の夜を楽しんでいたようだ。白馬村全体で朝から夜まで遊べるという画期的なフェスである。

 来年の開催も既に決定しているようなので、野外ダンスフェス大好きな人はもちろん、国内フェスにもう飽き飽きして刺激を感じない人にも是非とも体験してもらいたい、“異次元感覚の冬フェス“だ。

「SNOW MACHINE」公式サイト
 https://snow-machine.com/jp/ja/