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DJ ASAHINA イビサレポート

今年2度目のIBIZAは、5日間の一人旅。毎年ピークシーズンに行くのが定番で、行動を共にする面子も常に決まっているのだが、たまたま大形連休が取れてしまったので、独りでクロージング・パーティに行ってみることにした。

1日目

経路は成田 - バンコク - マドリード - イビザ。実はこの経路が比較的早く、安いらしい。なんせマドリードからイビサまでのチケット代は往復で6000円強だった。タイ国際航空のチケットさえ安 く押さえれば、時期によっては80000円以内でのイビサへの旅も可能だ。
マドリードから出発の飛行機が1時間半遅れた為、到着も大幅に遅延し、ホテルに付いたのは深夜1時だった。イビサは大体のホテルでクラブのディスカウントチケットが売ってるので、フロントに聞いてみると
「売ってたけど・・・ちょっと遅すぎるな」と言われ残念。
タクシーで向かい、フロントで入場料を払うことにした。前から調べて行こうと思っていたイギリスの老舗ハウスレーベル「Azuli」のクロージング・パー ティ。場所はお気に入りのCLUB「El Divino」だ。深夜に到着した僕は夕方から夜にかけての街の喧噪を見ていないので、想像の中では今年の7月に行ったHed Kandiのパーティを思い浮かべ、猛烈な動員と行列を覚悟していたのだが、・・・・・・。
あれ?人が箱の周りに、全然いない。入口に向かうと「何しに来たの?」といわんばかりにこっちの態度を待っている。
「前売り持ってないんだけど、入れる?」
「30ユーロだよ」
すんなり。しかし30ユーロか。安いな・・・(8月は45ユーロの時も)と思いながらフロアに向かうと、自分の腕時計を思わず2回も見てしまった。2時過 ぎてる。IBIZAではピーク突入の時間だ。だがフロアは2000人は入るだろうと思われる敷地に、100人程度しかいなかった。
正直驚く。想像とは違ったからだ。
翌日昼に街に出て気付いたことなのだが、やはり9月の後半にもなると、休暇で遊びに来る人は激減するようだ。7月8月がやはりイビサのピークで、どこに 行っても混んでいるし、どこに行っても盛り上がっている。だが9月後半は、客の取り合いになってしまうことがわかった。この日、プラヤデンボッサという地 区にある「Space」でFat Boy Slimがプレイしていたので、絶対数として少ないイビサの遊び人達は、みなそちらに流れてしまったようだ。
だがDJのRobbie Riberaのプレイは、From Miamiとはいえ少ないながらも居るヨーロッパのオーディエンスをかなり盛り上げていた。彼らしい、トリッキーで重たく、ハードな音使いの合間に、UK でのヒット・ハウスが折り込まれている。イビサ仕様、なのかもしれないが、ばっちりとオーディエンス達にマッチしていた様子。
Azuliはおそらく今年初めてIBIZAに参加したと思われ、街で自由にゲット出来るDJ MagのIBIZA判にMix CDを付けて配ったりと、大プロモーションをかけていた。個人的には好きなレーベルなので、7月8月に味わってみたかった。来年に期待。

2日目

本当はPenelopeという新しいクラブに、以前麻布のYellowにも来たことのあるスペイ ンのDJ、Chus & CeballosがDirtyというパーティのクロージングを担当していて、彼らの音楽は大好きだし、はじめての箱だったので行くつもりだったのだが、こ の「Dirty」というパーティ、街でまったく、まったく宣伝を見かけなかったのだ。
さすがにここまで来てあまり盛り上がってないパーティに行くのはちょっと・・・
とかなり不安がよぎったので、間違いない!と思われる「Release Yourself@Pacha」へ行った。
間違いなかった。Roger最高。会場も昨日のEl Divinoがウソのよう。IBIZA、まだこんなに人居たのか!と思ってしまうほどの満員ぷり。Tom Novy / Your Bodyが大注目を集めている様子で、昨夜も今夜も、かなりヘビープレイだった。が、Rogerの使い方はまたちょっと昨夜とは違い、アカペラとしてあら ゆるトラックに乗せていた。彼らしい巧みな技のプレイ。どれだけの盛り上がりかは、映像を用意したので、ぜひチェックを! Rogerの前に回していたの は「Tom De Neef」。Rogerのレーベル「Stealth」でもお馴染みのDJだ。彼のプレイは久しぶりの「フィルターハウス全開」といった感じ。懐かしくも清 々しく踊れた。
街のディスカウント・チケットで35ユーロの1ドリンク付き。7月と同じプライス。これが8月は50ユーロのドリンク無しに変身するからキツイ。何の疑問 もなく、支払えるパーティだとおもう。月曜日はPrivillageでManimissionという巨大サーカスパーティが人気を集めていて、はじめてイ ビサに行くひとは必見のパーティだが、余裕のある人はぜひこの「Release Yourself」も味わってもらいたい。

3日目

これは欠かせない、Defected@Pachaだ。 DJはレーベルオーナーのSimon DumoreとJunior Jack & Kid Creme。街のポスター、フライヤーには「Martin Solveig」の名前もでかでかとあったが、来なかった。まあ、よくあることだ。毎年遊びに行くたびに、なにかしらそういうのはある。Simonのプレ イは、レーベルオーナーらしいパレード的なプレイではあったが、Martin Solveigの新曲「Jealousy」を彼がプレイしたのが、次のDefectedからRemix発売を臭わせてニヤリとしてしまった。その後の Junior Jack & Kid Creme。実は彼らのプレイは7月に行ったIBIZAでも聴いていて、その時のプレイは・・・・・・だったので期待していなかったのだが、この時の彼ら は非常にクールだった。個人的に大興奮したのは、1993年にリリースされたX-Press 2のクラブヒット曲「Muzik X-press」を原曲でKid Cremeがかけたこと!これにはアドレナリンも全開だった。
この日のPachaはもちろん超満員だが、今までみたことのないアトラクションが沢山行なわれた。クロージングならではなのだろうか? ステージの前にア スレチックで良く見るロープウェーが用意してあって、ダンサーがそれにのりながら踊ったり、上からミラーボールが降りてきて、その上にダンサーがぐるぐる と廻っていたり・・・ フィナーレは華々しくといったところか!? 残念なことに、なぜか朝6時にもならないうちに終わってしまった。あっという間だった 気がする。楽しいパーティだった証拠だ。

4日目

Purple Musicというスイスのディープ・ハウスレーベルのクロージングに行こうと思っていたが、スケジュールをチェックしたら先週がクロージングだった。情報が交差している。危なかった。。。
PachaではSubliminalがSteve Angelloだったが、5日目の早朝にはマドリードに移動だったので、街探索で夜は眠ることにした。街はやはり、7月8月にくらべると気温も寒く、人も 少ない。街にあるそれぞれのクラブのグッズショップも、在庫品薄。。。こうやって、イビサの夏はデクレッシェンドしていくのだなぁ・・・と、少ししんみり してしまった。
簡単にまとめると、これからIBIZAに行ってみよう!と思っているかた、クロージングパーティの時期はかなり来客も減るので、大きいパーティでないと盛 り上がりは感じれない恐れがあります。Pachaは絶対的な安心を与えてくれますが、それ以外のクラブは大幅に当たり外れが出ますので、注意です。ビッ グ・ネームのパーティが好きな方は、どこにいっても問題ないと思いますが、イビサならではのドメスティック・パーティや、新進レーベルのパーティは7月8 月のほうが本来の姿を見れると思われます。djasahina的には、クラブの料金も、混み具合も、宿代も、エア代も、すべてがクールな値段でかなり盛り 上がりが楽しめる、7月に行くのが一番のオススメかと。ただ、僕自身が6月のオープニングを体験したことがないので、あくまでも参考までに。。。

7月の賑やかイビサ・レポートは僕のHP、http://www.djasahina.com/ にて展開していますので、興味ある方は、チェックしてみて下さい!!