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GREENROOM FESTIVAL day1

[ACT]ハナレグミ, EGO-WRAPPIN', Def Tech, bonobos, ヘイリー・セールズ, PONTIACS, キマグレン, OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND, COMEBACK MY DAUGHTERS, エミ・マイヤー, COOL WISE MAN, Rickie-G, MOOMIN with STONED ROCKERS, Mountain Mocha Kilimanjaro, 坂本美雨, suzumoku, Signals, Loostripper, Shuya Okino Presents THE ROOM Cruise【Shuya Okino(Kyoto Jazz Massive), Tsuyoshi Sato(BLACK EDITION)】

 

クラブミュージック系ではないが、ラインナップに惹かれ行くことを決めていた「GREENROOM FESTIVAL」。このフェスティバルに行くことは初めてだった私。クラブ関係者やDJ友達にそのことを言ってみると「いいなー、オレも今から行けないかな」とか「あのフェスっていつもラインナップいいよね」と返答があると、私の中で期待度はかなり高まった。

人の力ではどうにもできないが、できることなら野外フェスティバルに遊びに行くときは晴れてほしい―この日の天候は晴れ。それもお天道様に感謝したくなるくらい清々しい晴れっぷりだった。新宿の自宅より約1時間、横浜赤レンガ倉庫にたどり着く。このあたりにくると、横浜ZAIMと横浜公園で行なわれた「KAIKOO」を思い出す。昨年は「横浜レゲエ祭」が横浜赤レンガ倉庫の特設会場で開催されたりするなど、横浜は街と音楽が文化として密接に関わりあっているのを感じる。ゲートをくぐると前と後ろをステージに挟まれ、片側には東京湾、片側には横浜ランドマークタワーやインターコンチネンタルホテルといった、都会的な光景に囲まれる。否が応でもテンションは上がる。とりあえず、フードとドリンクを買ってステージとステージのちょうど真ん中の芝生に座り込む。一緒に行った友人はハンモックに揺られ、それだけで楽しいと言う。ステージには、この空間にぴったりなピースフルなメロディーと詩を奏でていたbonobos。横では、小さい子供が父親と楽しそうに遊んでいる。晴天の中、友人と外でゆっくりとビールを飲みながら音楽を聴く。なんて理想的な休日なんだろうと思う。

bonobosを聴いたあとは、メインゲートを抜けて少し離れた場所にあるBIRD STAGEへと向かった。BIRD STAGEでは、ジャパニーズレゲエのアーティストMOOMINが会場を盛り上げていた。MOOMINの甘い歌声は、暖かく過ごしやすい5月の気候にマッチし、バックバンドのSTONED ROCKERSのアップテンポな演奏が初夏の訪れを感じさせた。

MOOMINのライブを見たあとは、しばらくゆっくり過ごすことにした。このフェスのいいところは、1度入場すると出入りが自由なところだろう。赤レンガ倉庫内で食事もできる、少し歩けば山下公園、中華街にも行ける。非常に自由度が高くストレスをまったく感じることなく、1日を過ごせるのはうれしい。オープン時間から入場すれば、約9時間いつも新鮮な状態でいれることは、フェスを十分に楽しむために必要なことだと思う。

日が傾き始め、赤レンガ倉庫の奥に影が伸びるころ、EGO-WRAPPIN'のライブが始まった。私も楽しみにしていたが、会場内の人もかなり楽しみだったのだろう。歓声が上がるとともにステージ前は人で溢れかえる。演奏中は、ボーカル、中納良恵のアクションが大胆でありカワイクもあり、非常に魅力的で、これがアーティストなのだと改めて痛感した。夕焼けに染まった空間に紅い色気を帯びた彼女の歌声が溶け込み、最後の「GO ACTION」でこの日1番の盛り上がりをみせた。

そして日はすっかり落ち、ハナレグミのライブが始まる。Candle JUNEのキャンドルが灯る中、フォークギターの優しい音色に、彼の深く暖かい声が会場を包む。MCも彼の人間性が表されるかのように自然で、会場も和み笑顔が溢れた。この日は、最高にいい天気だったが、翌日は、天気が崩れることが予報されていた。そんな予報を会場全体で吹き飛ばすかのように、これ以上ない曲「明日天気になれ」で「天気になれ、天気になれと」という言葉に出した祈りが会場をひとつにした。

この日のシメは、"SHUYA OKINO PRESENTS THE ROOM CRUISE"。船は300人乗員可能の大型船だった。踊るというよりもゆっくりクルージングを楽しむつもりで、ソファーが多い2階で過ごしていたが、船が出発してまもなく2階のDJを担当していた、渋谷"The Room"の店長でもあるTSUYOSHI SATOのDJにまんまと踊らされるはめになってしまった。エスニックなディープハウスナンバー、Adam Port「Enoralehu feat. Gigi」がかかったら、ステップを踏みパンパンッとクラップするしかない。テンションが上がってしまったので3階のSHUYA OKINOのDJを聴きに上がった。2階がラウンジだとしたら3階はメインフロア。クルージングで高揚する気持ちをより高めてくれるハウスが流れていた。普段のクラブとなんら変わらないほど盛り上がって、ジャンルは関係ないことを目の当たりにしうれしくなった。3階は窓が開放されており、風を感じながら東京湾の夜景を眺め、贅沢な時間を過ごし、私の「GREENROOM FESTIVAL」は終った。

今回、初めて訪れた「GREENROOM FESTIVAL」。天候にも恵まれ、非常に幸せな時間を過ごすことができた。音楽はもちろんだが、遊びに来ている人のマナーもよく、ゴミがほとんど落ちていなかったことには関心させられた。当たり前のことだが、普通のフェスではなかなかこのような光景は目にすることはできない。関東で1番ピースフルなフェスなんじゃないかとすら思った。ぜひ家族や恋人といった大切な人と行くことをオススメしたい。幸せな気持ちでいっぱいにしてもらえるだろう。

Text:yanma (clubberia)