「一雫が水面に創造する波紋のような音と空間」をコンセプトにしたサイケデリックテクノレーベル〈Liquid Droop Groove〉。〈LDG〉のクラブエディションシリーズ、Prologueを再びENTERで開催。沖縄屈指の野外フェスティバルに育ったAgaitidaの主軸であり、数々のレーベルナイトを演出してきたマルチ集団である〈LDG〉がこの度、自身が主催する野外フェスティバルEDENに招聘したZemögを渋谷に位置するENTERに招く。
長年にわたり、モジュラー・シンセシスとフィールド・レコーディングと実験に基づくヒプノティックサウンドを維持しながら、未知のサウンド・パッセージへの接近を可能にし、自国コロンビアにおけるヒプノティックサウンドの先駆者となったZemögは、コロンビアの有名なコレクティブ、Matteriaの共同設立者であり、ビジュアル・アーティストである。自国に留まらず、世界でその名を轟かせてきた気鋭アーティストの彼は、どんなスロットでもプレイできる能力とヒエラルキーを持つセレクターとしての一面も持ち、自身の精神性とヴィジュアルアーティストとしての活動に裏打ちされた芸術性に紐づいたオーガニックなミニマリズム、トライバリズム、ディープなアンビエンスな作品をリリースしている。〈From a Lost Place〉から正式にデビューし、その後ベルリンの〈Hardwax〉、そして〈Huinali〉と〈Ordinamento Selettivo〉からリリースしている彼は、Claudio PRCやFeraのリミックスも手がけるなどリミキサーとしても活躍している。
2022年にはアンビエント、テクノ、トライブ、ダブといったジャンルを通して、山々や先祖伝来の文化的、音楽的環境に深くインスパイアされたプロジェクト〈Tepuy Records〉を立ち上げ、さらに〈LDG〉からリリース予定もある彼の豊富なディスコグラフィーはプロデューサーとしても信頼が寄せられている何よりの証拠だ。
体を揺らすメランコリックなグルーヴは生命のリアリズムを感じさせ、ヒプノテックかつメディテイティブ、テクノシーンの重要人物であり異端児としても知られる〈LDG〉の主導者YUTAを筆頭に、様々な現場を漂泊しながら自己に囚われないマルチな活動で暗躍する松果体のAllA、実直なミキシングとダイナミズムを伴う無機質な空間を作り込むayakaがコロンビアのアンダーグラウンドシーンのパイオニアZemögが共演する。
明け方アフターアワーズにはAquarium、Phonehead、Bushmindとの狂楽パーティ惨劇の森や、音楽レーベル〈駒場野震動研究所〉の主宰としても知られ、自身が震央となり音を波及させるフロアメイク職人Ko Umeharaと、Traffic JamのSHELLYが登場する。
屋外というロケーションを最大限に活用し出力する「天空の楽園」をコンセプトにしたEDENとは打って変わって、最大都市東京きってのナイトシティ渋谷を含めた東京を拠点に活動しているローカルDJが名を連ねた。現場経験に裏打ちされた実力派DJと、コロンビアの開拓者であるZemögの遭遇による輪舞は、これから更に高揚し勃興していくヒプノティックミュージックシーンのプロローグに過ぎない。
Open 10PM
¥2000 Door