なので、瞬間的に僕がこういう風にひねってこういうものを作ったら、マーケット的に何百万枚売れるようなポテンシャルを秘めるプロジェクトがあったとしても、そこで僕がそういう風に魔がさして、そっちの方にいっちゃうと、途端に僕の1番大事なボトムラインになっている「ブラック」の人たちが興醒めしてしまうというか。
それでなくてもそういう人たちって、そういうのにすごい敏感で移ろいやすいものなので、僕にとっては1番の宝なんですよね。 そうですね、僕のこだわりはスタイルをコロコロ変える傾向にあって、ジャズっぽい感じやラテンぽい感じや、いわゆるJ-POPといわれるようなスタイルのソングライティングをしたり、はたまたクラブでDJをやるときは、もうちょっと激しいというか、普通の人が理解できないようなかなりトランシーなとらっくをプレイしたり作ったりもするんですけど、さっきの嘘をつかないということにも通じますけど、結局過去に縛られて自分のイメージを1つのイメージに固定しないということですかね。で、誤解を恐れずに、常に新しいことに自分が反応できるように新しいことをやるとか。 その中で1つの音楽性に固定されるのって、リスナーにとってものすごい窮屈なことですよね。クリエイターにも実は同じことがいえて、たとえばサザンオールスターズがまったく違うテクノみたいなことを始めたら、それはそれでみんな反感を持つじゃないですか。でもそれって僕は本当はいいことだと思うんですよね。当然おんなじことを続けていくスタイルの人、たとえばチューブが毎年夏になったら、夏っぽいアルバムを作るっていうのは伝統芸能に近いし、ただ僕はそこにはいないし、それを否定したいし、毎回違うことをやりたいし、今1番自分がフレッシュに感じられることをやりたい。そこですかね、こだわりというかは。 だから、小室哲哉さんとか1番いい例で「何でそんなことやるの!?」ってみんなが思ってるようなことをやるわけでしょ?トランスが好きになったら、そのままトランスやっちゃうし。で、それが成功か失敗かっていうのはマーケットとかみなさんが判断することじゃなくて、基本的にクリエイターっていうのは自分なんで、彼が満足してればそれでオールオッケーなわけで。もちろん経済の問題とかもありますけど、やっぱり表現者である限りは自分が納得できるものを創る。その結果いいものができたらみんなに知らしめるっていう順番なんで、すごいいい例だと思いますけどね。 ニューアルバムというか、個人名義では初めてのアルバムです。どっちも1人でやってることなんで、いまいち違いがわからない方もいるかもしれませんけど。違いがわかっていただけるのはごく限られた方だと思うんですけど(苦笑)。
縦横無尽に好き勝手やってる感じです。タイトルは「The One」といいます。1枚目っていうこともあるので。最近の僕のDJとしてのテイストを全部反映した形になっていると思います。1曲だけカバーがありますが、基本的にオリジナルですね。
9月26日になります。
僕すべてのメディアとか雑誌でも何でもそうなんですけど、メッセージを贈らないことにしてるんですけど、基本的に僕は音楽家なので、僕の音楽がすべてを代弁しているといいなぁと思いつつ、音楽を聴いてもらえればうれしいなぁと思います。
大沢伸一で「OUR SONG」。
ありがとうございました
                                        

