栗原暁:(以下:栗原)
僕がハウスと出会ったのは大学時代、、、「Masters At Work」が好きだったのですが、ちょうど僕がDJを始める頃にエリックさんの「HAVANA」が流行ったのでよく聞いていました。
Eric Kupper:(以下:エリック)
「HAVANA」は僕がN.Yで「Little Louie Vega」と話をしていて、すぐ、その次の日に作ったんだよ。あの曲は彼によるインスピレーションが大きかったね。僕がハウスミュージックという言葉を聞いたのはそこから40年以上も遡るかな、、、(笑)当時はバンドを組んで演奏をしていたよ。
エリック:
1975年にはすでにハウスミュージックの制作の仕事に携わっていたかな。当時は今のようにコンピューターで誰もが音楽を作れるような時代じゃなかったから今ではビンテージと呼ばれるようなハードシンセサイザーをスタジオに持ち込んで朝から晩までスタジオに籠っていた。今回のライブにも、実はそんなニュアンスを少し出したくて「ROLAND JUNO 106」を持ち込んでいるんだ。
栗原:
僕は逆に楽曲を制作し始めた頃からソフトシンセをよく使っていましたね。音源が豊富で利便性も高い部分に魅力を感じています。ただ、相方はわりとハードのシンセを使ったりもしています。最近の日本の音の傾向を考えるハード系の音源も今後の制作において重要になってくると思っています。
エリック:
そうだね。いつの時代も技術の進化と音楽の進化は密接な関係を示して来たと思うよ。現代のようにパソコンで簡単に色々な音を出せると、昔は大きなスタジオにでも行かないとナカナカ出せない音が簡単に出せるようになったので僕も実際にはすごく助かったりしているんだ。
エリック:
日本のハウスシーンはすごく良い状態にあると思うよ。良いシーンには必ず彼のような若くて才能に溢れる良いクリエイターが居て、曲を量産しているものなんだ。まだまだ、これから色々なクリエイターが出て来てシーンを盛り上げてくれる熱のようなものを感じるね。
栗原:
日本のハウスシーンは今(僕らも含めて)POPな傾向が強いんですが、今後はクラブで音を鳴らす事を主体として考えた音もやって行きたいなと思っているんです。もっともっとグルヴィーなヤツを、、、(笑)
エリック:それはとても素晴らしいアイディアだと思うよ!大阪のSAZA*Eや東京でもYELLOWが閉店すると聞いて淋しく思っているよ。N.Yでも大きなクラブが少なくなって来ている。ダンスミュージックの本来の姿「クラブで聞いて踊る音楽」というのを世界的に取り戻して行きたいね。
栗原:元々「free soul」辺りの音はとても好きだったのですが、Francfrancという雑貨店の企画でカバー物のコンピの企画をもらった時に「あ、もうこれはこの曲だな...」って思って... 日本ではJ-POPSとしての認知度も高かったですし「実はこの曲〜」みたいな感じで良いかな?と思って選びました。(笑
)
エリック:
リミックスするにあたってはまず、感じの良いオリジナルの部分を大切にしたいと思ったんだ。この曲はメロディーがすごく良いよね。その部分を残しつつ、あとはクラブで鳴らす事も考えて、DJがプレイしやすいようにある程度の音圧を確保したかな。やっぱりクラブで踊る事を第一に考えたいからね!
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