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Atjazz

20年以上のキャリアを誇るMartin IvesonのソロプロジェクトであるAtjazz。赤塚不二夫氏の天才バカボンのイラストレーションを使用したジャケットでも話題となった『THAT SOMETHING』でNU JAZZアーチストの1人としてデビューした彼が今回、実に5年ぶりの来日を果たす。代官山"AIR"で開催されるパーティー「EUREKA!」への出演を控える彼に、音楽制作、アフリカでの体験、来日への意気込みなど話を聞いた。

 

 

何年か前はオファーがあれば全部やっていたけれど、あれは自分を捨てているような感覚だったね。


- 久しぶりの来日ですね、改めて自己紹介をお願いします。以前のインタビューで答えてくれた飛行機嫌いは治りましたか?


本名はMartin Iveson、イギリス出身。もちろん、みんなからはAtjazzという名前の方が親しみがあると思うよ(笑)。またここでインタビューをやるのにはいい質問だね。あれから12時間以上のフライトを何度も経験して、今ではシートに座ってテレビを見るのがちょっと楽しみになってるくらいだよ。


- 最後の来日から5年近くが経過しました。この5年間であなたの音楽性や生活の変化などはありましたか?


もちろん、たくさんの出来事があった。私の音楽は以前より早いペースで花開いていくようになったし、同時にリリースも増えた。でも最近はリミックスのオファーを減らすようにして、自分自身の製作物やマスタリングの仕事により関心を持つようになったね。それに今では3歳の子供を持つ父親になったし、もうすぐもう1人も生まれるところだ。「歳をとって、賢くなって、カッコよくなったね!」と息子に言われてるよ(笑)。


- 現在取り組んでいるプロジェクトはありますか?次に控えているリリースなどあれば教えてください。


実は僕自身、Martin Iveson名義のアルバムを書いている途中なんだ。それからGilles Petesonのレーベル<Brownswood>や、<Counter Records>、<Ninja Tune>、<Z Records>、他にもたくさんあるけれど自分の中でホットな曲を最高な形でしかやらないようになった。何年か前はオファーがあれば全部やっていたけれど、あれは自分を捨てているような感覚だったね。
   

 

 

 
- スタジオにある機材など、もし秘密でなければ教えていただけますか?


秘密にすることは全くないさ(笑)。 僕の場合レコーディングからミックスダウンまで全てをCubaseで行っていて、ミキシングにはユニバーサルオーディオの機材を使ってる。そして、スタジオには「これでもかっ!」ってくらいシンセサイザーがあって、ARP2600、ARP Odyssey、Minimoog Model D、Korg Mono/Poly、Korg Poly 61M、Roland SH09、Pittsburg Modular Synth、Doepfer Modular、MFB Modular、Roland Jupiter 6などなど、Teiscoのシンセも幾つかあるよ。モニターにはTannoy Little Red monitorとGenelec M040を併用してる。
他にもスタジオに寝っ転がってて使ってない機材がたくさんあるよ。


-  いつも驚かされるのは、あなたの楽曲制作のスピードの速さです。この前もTwitterで1日2曲のリミックスをやったとつぶやいていましたね!自分の中で制作のコツや始める際の構成などはあるのでしょうか?


いつも早く終わるって訳ではないんだ。ただし、一度流れに乗ってしまえば後はとにかくやるだけ。ミックスダウンにもそこまで根詰めて作業することもないし、そこにたどり着くまでに半分の作業は終わってる。アナログシンセを使ってキーを打ち込む作業もシンセをよくわかっていればスピードにも乗れるし、プログラミングについても分かってる。僕は椅子に座ってプラグインをいじりながら作業をするタイプじゃないし、逆にそれではとても長い過程になってしまう。私から皆にアドバイスするのであれば、ビートを作って、メインの音を作れば後は自分の気の向くまま、そう、DJのように作業を進めていけばいい。これを読んでいるあなたがDJであれば、私の言っていることが何であるか分かるはずさ。
   

 

 

 
「ベースラインを歌う」っていうのは多分世界でここだけしかないのかもしれない。


-  今ではアフリカ大陸でも大きな成功を収めていますが、最初にプレイしたのはいつですか?同時に、アフリカのシーンについてどう感じていますか?


2011年の2月に初めて南アフリカを訪れたんだ。その時1度に8箇所を回って本当に素晴らしいツアーだった。お世辞抜きに自分のキャリアの中でおそらく1番大規模でベストなパーティーができたと思う。「ベースラインを歌う」っていうのは多分世界でここだけしかないのかもしれない。ハウスミュージックは間違いなくポップミュージックに位置付けられているし、シーンは常に盛り上がっているよ。


 

 

 

 
- 南アフリカのDJ/プロデューサーのJullian Gomesに会ったのもそのタイミングですよね。2013年にはアルバムを共作していますが、どのようにしてこのプロジェクトが立ち上がったのでしょうか?


そうだね、南アフリカで短い時間彼と会ったけど、Jullianは元々バルセロナで開催されている「Sonar」にRedbull Music Academyの卒業生として参加していたんだ。そのついでに僕がイギリスのスタジオに招いて一緒に「Overshadowed」という曲を1日で作った。翌日2人の間でもっとできるんじゃないかという話をしてあのアルバムの企画を始めようということになったんだ。
 

 

 

たくさんのレーベルのアーティストとコラボレーションをしながらAtjazzのブランドを上げていきたい。


- それではあなたの最新のEP『Fox Tooth』についても伺います。<Local Talk>からはどのような経緯でリリースに至ったのでしょうか?楽曲のコンセプトや名前の由来などあれば教えてください。


<Local Talk>のボスでもあるMad Matsが、数年前から「俺のレーベルから曲を出して欲しい!」って何度も言ってきたんだよ。その時は僕の頭にはなかったんだけど、ある時スペインで彼と会ってディナーをしてワインを何杯か飲みながら彼に口説かれたんだよね。いや、<Local Talk>に惹かれたと言ったほうが正しいかな(笑)。そしてスタジオに戻ってからARP2600をいじり、制作に丸2日費やして強烈にディープな曲を作った。その後さらにディープなスタイルのダブバージョンも足して送ったら彼らは本当に喜んでくれてリリースに至ったわけさ。


- レーベル<Atjazz Record Company>についても聞かせてください。今後新しいリリースや注目のアーティストなど教えてください。


<Atjazz Record Campany>(通称ARCo.)は今それぞれのアーティストアルバムにもっと力を入れているよ。それにSi Tew、The RAH Band、Cazuma & AndreasやTomohawk Bangらの素晴らしいリリースも控えている。僕たちの持っている色々なサウンドを常に高いレベルに保とうと努力しているよ。Atjazz名義でのアルバムに関してはまだなんとも言えないけれど、引き続きたくさんのレーベルのアーティストとコラボレーションをしながらAtjazzのブランドを上げていきたいね。とはいえ今は本名のMartin名義に集中しているよ。

 

 

 
- 日本の音楽シーンについてどのようなイメージを持っていますか?


日本のハウスミュージックファンは皆クレイジーだったのは知ってるよ。でも最後に訪れた時からしばらく経ってしまっているから、どんな変化があったのかを見るのが本当に楽しみさ。


- 日本滞在中にDJギグ以外で何か予定はありますか?


残念ながら今回は2日間しか日本にいられないんだ。でも世界で1番と言われている日本食を食べて、時間があれば温泉に行ければいいな。
 

- それでは最後に日本のファンにメッセージをお願いします。


1999年に<Sony/Kioon>から出した最初のアルバムの時からずっと僕の音楽を聴いていてくれたことを本当に感謝しています。赤塚 不二雄のアートワークをジャケットに使ってアルバムをリリースできたのはとても幸運なことだったし、最初に訪れた時から今まで本当にみんなの愛を受けてきました。たくさんの変化があったけれど、私の音楽に対する愛は変わらないし、歳をとったおかげか数え切れないリミックスと共に、ダンスフロアを沸かせる武器がたくさんあるよ。一緒にフロアをロックする準備はできているよ!Let’s go!!
   

 

 

- Event information -

タイトル:EUREKA! with Atjazz
開催日:7月31日(金)
時間:22時
料金:当日¥3,500 WF¥3000
会場:代官山“AIR"
出演者:【
MAIN】Atjazz (from UK), Kuniyuki Takahashi -Live, Kenji Endo (Unite Music), Midori Aoyama, sio
【LOUNGE】KAZUHIRO ABO (DONUTZ | Dimension), Toshimitsu "Tiger" Takagi (NXTDOOR), Kazizi (Greyhound), TP, DJ JT-ZUN, hiroshi kinoshita (the SESSION)
【NoMad】Eitetsu Takamiya (Flower Records), Ryo Kawahara (Flower Records)


■clubberia event page
http://www.clubberia.com/ja/events/238692-EUREKA-with-Atjazz/
https://www.pioneerdj.com/ja-jp/product/software/wedj/dj-app/overview/