ディープハウス、シカゴハウスの歴史を語る上で避けては通れないレーベルのひとつPrescriptionとその首謀者Ron Trentの周辺が再び騒がしくなっている。「漆黒」と表現されるシカゴのレジェンドDJであるRon Trent。彼によって放たれたPrescriptionのレコードの数々は90年代に世界中のハウスシーンを席巻していたが…ここ数年、ヨーロッパや東京のリアルタイムを知らない若いDJたちによって再びプレイされ、中古レコード市場でも高騰している。そんなPrescriptionの歴史的音源集がオランダの名門レーベルRush Hourが全24曲、6枚組LPボックスセットでリリースした(CDでのリリースは3月15日)。その経緯やヨーロッパやシカゴにおけるハウスシーンの現状についても語ってもらった。
取材・文:DJ REMI
協力:Sound of Vast
——ここ数年、90年代にハウスを聴いてない日本の若いDJたちがPrescriptionの音源をプレイするのを聴く機会が増えています。今回のコンピレーションのリリースに至った経緯を教えて下さい。
新しい世代の子たちが僕の昔の作品に興味を持ち出したことがきっかけで、ビジネスパートナーのANTALが年代で区切ったコンピレーションを出したらどうかって提案してくれたんだよ。選曲は自分とANTALとチームメンバーでやったんだけど、わかりやすくなるように心がけたよ。
——リリースにあたって「Prescriptionの本質を守っていこうと思った」とコメントされていましたが、あなたの考える“Prescriptionの本質”とは?
言葉、サウンド、パワー、ダイナミックさ、実験的なこと、ヒーリングワーク。これらの要素が合わさったものだと考えている。
——Rush Hourを中心に、ヨーロッパの多くのレーベル、DJの間でも90年代のディープハウスリバイバルを感じます。ヨーロッパでプレイする機会も多いと思いますが、あなたにはヨーロッパのハウスシーンはどう映っていますか?
音楽への大きな関心は見てとれるけど、ディープハウスが何なのか? とかの知識が十分じゃないように感じるかな。
——昨年はレーベル、Music And Powerを立ち上げて、5枚のレコードをリリースしました。その他にもElectric BlueやFuture Visionも同時進行でリリースが続いています。各レーベルのコンセプトの違いはあるのでしょか?
3つともそれぞれ違うアティテュードを持ってるんだ。Electric Bluesはエレクトリックでエクスペリメンタル、Future Visionはグループやアーティスト向け、Music And Powerは自己制覇のものって感じかな。
——ここ数年はJerome SydenhamとAybeeとのコラボレーションアルバムをリリースしたり、ドイツのRAWAXからはローランドの機材AIRAシリーズを使用して制作された楽曲をリリースするなど常に新しいことへのチャレンジを見ていて驚かされています。今後、何か面白い計画を考えていたりしていますか?
実験的なことを続けるよ。いろいろなプロジェクトが進行しているよ。まだ全体の予定は公表できないから、動向をチェックしておいてくれよ。
——90年代前半にニューヨークに活動拠点を移し、現在はシカゴに戻られたと聞きました。音楽活動や心境の変化はあったのでしょうか?
そうだね。いろんなところに住んでシカゴに戻って来て、数年ぶりに今までにないぐらいインスピレーションを受けてるよ。たくさんの情報とインスピレーションを集めてきたから、今はシカゴでその要素を結合させようとしてるんだ。
——ニューヨークから戻ってくる以前と現在でシカゴの街やダンスシーンに大きな変化はありましたか?
テクノロジーが発達してコミュニケーションが取れるようになったものの、正直音楽のソウルは失われたように思えるかな。
——2014年にAIRであなたのプレイを聴いたのですが、今作にも収録されている「Morning Factory」を朝方にプレイして大変興奮したのを覚えています。今でもPrescriptionの作品をDJプレイで使うことは多いですか?
もちろんだよ。ただ、もっとも威力を発揮するタイミングでプレイしたいと思ってるよ。
——あなたのDJをダンスフロアで聴いてるとアフロなビートやスピリチュアルなサウンドと同時に重たい低音が響いてることがいつも印象的です。“いい音”を出すコツ、こだわりを教えてください。
スタジオワークにしろDJにしろ、音楽において使っているテクノロジーをうまく掴んでいること、理解して制作すること。それから自分の内なる声を見つけて、自分なりにプレイして表現することだね。正確に物語を伝えるんだ。
■リリース情報はこちら
http://www.clubberia.com/ja/music/releases/4873-RON-TRENT-PRESENTS-PRESCRIPTION-WORD-SOUND-POWER-RON-TRENT-PRESENTS/
取材・文:DJ REMI
協力:Sound of Vast
——ここ数年、90年代にハウスを聴いてない日本の若いDJたちがPrescriptionの音源をプレイするのを聴く機会が増えています。今回のコンピレーションのリリースに至った経緯を教えて下さい。
新しい世代の子たちが僕の昔の作品に興味を持ち出したことがきっかけで、ビジネスパートナーのANTALが年代で区切ったコンピレーションを出したらどうかって提案してくれたんだよ。選曲は自分とANTALとチームメンバーでやったんだけど、わかりやすくなるように心がけたよ。
——リリースにあたって「Prescriptionの本質を守っていこうと思った」とコメントされていましたが、あなたの考える“Prescriptionの本質”とは?
言葉、サウンド、パワー、ダイナミックさ、実験的なこと、ヒーリングワーク。これらの要素が合わさったものだと考えている。
——Rush Hourを中心に、ヨーロッパの多くのレーベル、DJの間でも90年代のディープハウスリバイバルを感じます。ヨーロッパでプレイする機会も多いと思いますが、あなたにはヨーロッパのハウスシーンはどう映っていますか?
音楽への大きな関心は見てとれるけど、ディープハウスが何なのか? とかの知識が十分じゃないように感じるかな。
——昨年はレーベル、Music And Powerを立ち上げて、5枚のレコードをリリースしました。その他にもElectric BlueやFuture Visionも同時進行でリリースが続いています。各レーベルのコンセプトの違いはあるのでしょか?
3つともそれぞれ違うアティテュードを持ってるんだ。Electric Bluesはエレクトリックでエクスペリメンタル、Future Visionはグループやアーティスト向け、Music And Powerは自己制覇のものって感じかな。
——ここ数年はJerome SydenhamとAybeeとのコラボレーションアルバムをリリースしたり、ドイツのRAWAXからはローランドの機材AIRAシリーズを使用して制作された楽曲をリリースするなど常に新しいことへのチャレンジを見ていて驚かされています。今後、何か面白い計画を考えていたりしていますか?
実験的なことを続けるよ。いろいろなプロジェクトが進行しているよ。まだ全体の予定は公表できないから、動向をチェックしておいてくれよ。
——90年代前半にニューヨークに活動拠点を移し、現在はシカゴに戻られたと聞きました。音楽活動や心境の変化はあったのでしょうか?
そうだね。いろんなところに住んでシカゴに戻って来て、数年ぶりに今までにないぐらいインスピレーションを受けてるよ。たくさんの情報とインスピレーションを集めてきたから、今はシカゴでその要素を結合させようとしてるんだ。
——ニューヨークから戻ってくる以前と現在でシカゴの街やダンスシーンに大きな変化はありましたか?
テクノロジーが発達してコミュニケーションが取れるようになったものの、正直音楽のソウルは失われたように思えるかな。
——2014年にAIRであなたのプレイを聴いたのですが、今作にも収録されている「Morning Factory」を朝方にプレイして大変興奮したのを覚えています。今でもPrescriptionの作品をDJプレイで使うことは多いですか?
もちろんだよ。ただ、もっとも威力を発揮するタイミングでプレイしたいと思ってるよ。
——あなたのDJをダンスフロアで聴いてるとアフロなビートやスピリチュアルなサウンドと同時に重たい低音が響いてることがいつも印象的です。“いい音”を出すコツ、こだわりを教えてください。
スタジオワークにしろDJにしろ、音楽において使っているテクノロジーをうまく掴んでいること、理解して制作すること。それから自分の内なる声を見つけて、自分なりにプレイして表現することだね。正確に物語を伝えるんだ。
■リリース情報はこちら
http://www.clubberia.com/ja/music/releases/4873-RON-TRENT-PRESENTS-PRESCRIPTION-WORD-SOUND-POWER-RON-TRENT-PRESENTS/