WALK OUT

「LADY SAW引退!?」ー。90年代から現在までその抜群のDJスキルと、スキャンダラスでハードコアなリリックで特に女性ファンから圧倒的な人気を獲得している「ダンスホール女王」のLADY SAW。ダンスホール・シーンのみならず、近年ではNO DOUTと共演してグラミー賞を獲得したりと、幅広く活躍していることでもお馴染みのハズ。そのLADY SAWの最新作が登場決定。タイトルは『WALK OUT』で、これは「（部屋などから）出て行く」ことを意味したもの。LADY SAWは90年代半ばより、VP RECORDSと直契約をして、これまで７枚のアルバムをリリースしてきましたが、実は本作がVP RECORDSと最後の作品となる模様。決してトラブルがあったわけではなく、LADY SAW自らが「この作品で一つの区切りをつけようと思う。レコーディング、ツアー、ショーとこの何年も走り続けてきた。しかし、その間にも自分には家族や大切な人達がたくさん出来て、そうした愛すべき人達との時間も大切にしたい。彼らの支えがあって自分はココまで続けて来れたし、また彼らにも多くの犠牲を与えて来て、自分はそれを取り戻したい。アーティストとしてのキャリアが今後どうなるかはまだ分からないけど、一度ココで区切りをつける必要性を自分では感じている」と判断したとのこと。と言うわけで、今作はLADY SAWにとっても大きな意味を持つ作品。意気込みもハンパ無し。これまでも、単にスキャンダラスだったり、刺激的なテーマを取り上げていただけではなく、確かなDJスタイルで、女性の立場から「言うべきコトをハッキリとモノ申す」強い姿勢を練られたリリックでデリヴァーして、人気を獲得してきたLADY SAWですが、本作では冒頭からその圧倒的なDJスキルを爆発させ、また中盤からは「ハードコアなDJ」の先入観が強いが実は「Give Me A Reason」等でもお馴染みの通り、シンガーとしても優れたLADY SAWのメローでメロディアスでバラエティに富んだ激ヤバの歌世界を立て続け、最後は再びDJとしての強く、逞しく、勇ましいジャマイカ女性のスタイルを体感できる内容。つまりは、LADY SAWのその高品質でオリジナルな魅力が全て注ぎ込まれた激強力作。そしてダンスホール・エンターテイメントの懐の深さを易々と表現し切った名盤。女性レゲエ・アーティスト作品の歴史に残る代表作。何故LADY SAWが女王に君臨し続けてこれたか、その回答が全て詰まった内容。「No Less Than A Woman」「Chat To Mi Back」「Me And My Crew」他最新ヒット曲収録!!　捨て曲一切無し!!　少し気が早いかもしれないけど、「現時点の年間ベスト」とか言っておきます。とにかく、絶対要注目の一枚。絶対頼みます！