UNIQUE 3 は音楽フリークにとって、ダンスミュージック界における巨匠達が次々と登場していた時代に、WARP RecordsやThe Chemical Brothers、Photekらと名を並べてシーンに姿を現した。1989年、エドジーと彼の仲間が1st Albumである「The Theme」をバージンレコードと15万ユーロで契約した事で、まさにジェットコースターのような彼等の歴史が始まった。その時から現在まで、20年近い活動において、彼らの活動の集大成として作られたアルバムが本作「Invasive signals」である。本作は、Unique 3にとってライフシーンの重要となる点を記録したもので、ミュージックシーンにおいてスポットライトを浴びるべきアルバムである。いくつかのトラックは、ドラッグの使い過ぎによる妄想状態の中で生まれたものや、絶望の中にいる時や人生の中での最悪の状態のときに生まれた曲もあるが、本作はUnique 3が20年に渡るレイブシーンやクラブシーンで受けた影響を自分たちの中で吸収、消化し、アウトプットとして生み出したものである。本作はレイヴ、クラブシーンにおけると活動の経験と影響を利用して巧みに作られており、しっかりとした音楽的才能の思考法と90年代初頭のレイブシーンの良さを現代の素晴らしいプロダクションテクニックによりミックスする事に成功している。この作品は音楽を全体として捉えたアルバムとなっており、その中でもこの三曲は特に際立っている。
Serial Killer:
まず、Serial Killerでは、ライブミュージックの素晴らしいパワーを感じる事ができるだろう。10年前〜現在までの真夏の快晴の中のサマーフェスでのセットを思い起こすような、パンチの効いた808のベースがうねり、忘れる事のできない容赦のないギターとシンセリフの上にMCを乗せた曲である。
Take This Love:
Unique 3のもっている卓越した技術により、今までに培ってきた様々な要素をフックとして曲を構成した。Edzyの兄妹であるAdeleのオールドスクール感のあるボーカルを用いる事により、ラジオですぐかけられるドラッグできまっている時よりも早くグロースティックをぐるぐるまわしたくなるようなモンスタートラックに仕上がった。
Shaddes Of Grey:
初期のテクノがどんなにすばらしかったかを教えてくれるような、過去の思い出を深く反映している曲で、ディープなキックと303のハットの刻み、また、それらによってもたらされるグルーヴィーなフックが、エレクトロ好きにとってはたまらないだろう。
Invasive signalsは、Unique 3にとって17年の空白の時期を埋める二枚目のアルバムです。全11トラック+6曲のライブ収録の構成で、Unique 3の17年の歴史が本作には詰まっている。彼らは確実にダンスミュージックシーンにおいて、独特のカラーやキャラクターを確率してきた事をこのアルバムで証明している。
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