2013年の音楽機材のビッグニュースと言えばこれだろう。KORGが1978年にリリースしたモノフォニック・シンセサイザー「MS-20」が、完全オリジナル使用でひと回り小さくなって復活。ここ近年でのアナログシンセブームが到来している中での「MS-20」の復活。これは確実にファンにはたまらないニュースであっただろう。
KORGはこれまでにもiPadアプリやNintendo DS、ソフトシンセでのKORG Legacy Collection / MS-20、その他アナログ・モデリング音源のMS2000などリリースし大ヒットを起こしてきたが、今回は正真正銘のアナログ・シンセサイザー、そして35年前そのままのサウンドを再現させた。
その実力をチェックをしてみた。まずは外観だが、当時のサイズより86%に縮小されたということで、横のサイズが50cmをきってる。省スペース型は今の理想なのでとてもありがたい。また、今になっては欠かせない、MIDI INそしてUSBが搭載されてるということでスムーズに現状の制作環境にマッチできる。たったこの2つの点で既に筆者の理想はクリアー。またパッチの部分がミニジャックに変わったことも嬉しいニュース。とりあえず、自宅に置いてるだけでもその存在感はたまらないものがある。
さて、当時の開発者が監修を務め、アナログ回路を完全再現されたそのサウンドについてだが、まさに気持ちいいアナログの分厚い音。2つのオシレーター、そしてハイパスとローパスのフィルター。特にこのフィルターの歪みと滑らかさがすごく良い。これはKORG Legacy Collection MS-20では出せなかった。その他、VCA×2、EG×2といったシンプルな構成。
またここからがMS-20の実験ゾーン。ミニジャックになったパッチングワークでオリジナルサウンドがどんどん生まれる。付属のマニュアルにセッティングチャートが同梱されているので、まずはそれを手本にパッチングしていき、そこから自分のオリジナルを作るのもおもしろいかもしれない。筆者も当時のMS-20は触ったことがないので、これを見てからオリジナルでどんどん加工していった。あと、ESPと言われる外部信号を加工するプロセッサーがついているので、外部のシンセやドラムマシン、ギター、ボーカルといった信号を入力してMS-20 miniのフィルターなどで加工していくと新たなサウンドが生まれる。ドラムマシンやボーカルに繋げるのが個人的には1番やりたいかもしれない。
とりあえず今は、外部のシーケンサーのトリガー、CVをMS-20 miniのドリガーインにパッチングして同期させてずっとツマミをいじって1日中遊びたい。
消費電力:9W
電源:DC9V
外形寸法:493(W)×257(D)×208(H)mm
質量:4.8kg
付属品:ACアダプター(9V/1.7A)、パッチ・コード10本