昨年、clubberiaで特集を行ったソニーのMusic Unlimited(以下MU)。今、注目を集める新しい音楽の形である定額制の聴き放題サービスの1つだ。今回、ワーナーミュージック・ジャパンの楽曲も追加されることになり、これまでの1,500万曲から2,000万曲と楽曲数が増加された。
ワーナーといえば、きゃりーぱみゅぱみゅやRIP SLYMEといった人気アーティストが所属しているメジャーレーベルだが、クラブミュージックのように大きな市場をターゲットとしない音楽も、このMUでは多く取り扱われている。私自身、プライベートをはじめ、インタビューを録る前のリサーチとして過去の作品を振り返る時などの仕事にも利用しているMUユーザーの1人なのだが、「このアーティストもあるんだ」と驚かされることもよくある。そこで、最近使用していて思わず嬉しくなったアーティストや作品を絞ってご紹介したい。
●Moodymann
まずデトロイトの孤高の天才Moodymann。しかも買おうかどうか迷っていた自身の名前をタイトルにした最新アルバム『Moodymann』の他に、代表作である『Black Mahogani』も配信されている。今年は春に来日もあるので、それまでにチェックしておきたい作品の1つだ。
●Shpongle
トランス界のカリスマRaja RamとSimon Posfordによる伝説のサイケデリックバンドShpongleの音源も。昨年リリースされたアルバム『Museum of Consciousness』をはじめ、約70曲もの楽曲が配信されている。 昨年のclubberia Party Award 2013でShpongleの来日公演は1位を記録し、今年の6月にフルメンバーでの再来日公演が予定されている。
●Kanye West
今年、フジロックへの出演も発表され、もっとも注目が集まっているヒップホップアーティストの1人Kanye West。あのファーストラインナップには、多くのヒップホップファンは心が踊ったと思うが、私は正直ヒップホップに関しては、ライトなファンなので代表曲は知っていても、多くを知らないのでMUのいいところは、こういった時に掘り下げることができる。楽曲にはその楽曲の人気を示すゲージがふってあるので、人気楽曲を調べる時にも重宝する。
●Metaboman
Robag Wruhmeらのリリースで知られるドイツのレーベル〈Musik Krause〉から、レーベルの中心アーティストであるMetaboman
。中心アーティストといってもかなりマニアックなアーティストではあるが、昨年発表したclubberia Alubam Award 2013で選んだ20枚のうちの1枚『JA/NOE』があったのには嬉しかった。このアルバムの10曲目「Ultrakorper」は特にかっこいいので、ぜひ聴いてみてほしい1曲。
●Asgeir（アウスゲイル）
これまでにアイスランドのグラミー賞、アイスランド音楽賞主要2部門（「最優秀アルバム賞」「新人賞」）を含む全4部門を受賞して いるほか、今では、21歳という若さにしてアイスランドの全人口の10人に1人が彼のアルバムを所有していると言われるほどの人気を誇るAsgeir。クラブミュージックではないが、移動中を主に最近こればかり聴いている。
その他にも、Daft Punk、やThe Chemical Brothersの過去の名曲を振り返るもよし、Steve ReichやBrian Enoといった巨匠の音楽を学ぶもよし、James BlakeやRobert Glasperで空間をムーディーに変えてみたり、AviciiやHardwellといったムーブメントまっただ中のEDMで部屋をパーティー会場に変えてみたり使えるシーンはさまざまだ。また春からはフェスも増えてくるので、アプリをダウンロードし移動中の車内でスマホやタブレットをBGM用の端末として有効活用できそうだ。さらにPS4でも再生できゲームをしながBGMはMUで、というガジェット好きの心をくすぐる機能もある。初回30日間の無料体験も実施しているので、使用感を試してみるといい。
2000万曲という膨大な楽曲数を誇るMU。私のように音楽を仕事にしていなくても生活の一部になっている人は少なくないはずだ。聴いたことない音楽、まだ自分が出会っていないだけの素晴らしい音楽は、数多く眠っているだろう。その音楽はこのMU上にあるのではないだろうか？
Text ; yanma (clubberia)
