Tainted Lunch

マーティン・パタースン・カリーによる4年ぶりのセカンド・アルバム。ＵＳ西海岸からドイツに移住したからか、レゲエをベースに含ませた作風はどこかへ消えうせ、エレクトロクラッシュの毒気をクリック・ハウスで洗い流したような洒落たヴォーカル・アルバムに仕上がっている。シャンソン紛いもあるけれど、カリブ・テイストが香る「アフター・ディズアスター」や白人でもないのにブルー・アイド・ソウルを思わせる展開は実に彼らしいというか。コーラスでアーランド・オイエ、ドラムスにウラディスラフ・ディレイほかゲスト多数。「アイ・アム・ザ・チーズ」で引用される詩はアルチュール・ランボー。文／三田格