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「セクシーであり、実験的であれ!」DJ REMIが提案するハウスパーティー「NIGHT CLUB」の独自性

 面白そうな匂いをプンプンさせるパーティーがある。開催は11月3日(金)、会場は渋谷・ZERO。タイトルは「NIGHT CLUB」という。
 
 面白そうな理由に、まず、CMT、DSKE、REMIという3人のDJの存在がある。オルタナティブ・ダンスミュージックシーンの先駆者として全国を回るCMT。東京とベルリンを拠点に活躍し、都内ゲイパーティーシーンで圧倒的な人気を誇るDSKE。そして日本屈指のシカゴハウスDJのREMI。普段あまり交わることがなかったDJたちが(CMTとDSKEは初共演)がどのようなパーティーを作るのだろうか? まずそれに興味は尽きるのだ。そして、3人というDJの人数、ワンフロア構成のZEROという会場での開催、フライヤーデザイン、この限られた情報からではあるが「NIGHT CLUB」には、他のパーティーとは違う“何か”がある。その“何か”を探るためオーガナイザーのREMIに取材した。
 
 
 
 
——「NIGHT CLUB」を始めようとした背景には何がありますか?
 
ハッキリ言うと現状のアンダーグラウンドシーンに違和感を感じてたんです。パーティーの多くが、外タレを呼んで、メインとラウンジの2フロアー構成でっていうスタイルで。若いDJがみんな、その大きな現場を目指して活動してる。それが悪いこととは思わないけど、ナイトクラブとかDJのカルチャーって元々は独創的なものだったと思うんですよ。でも、みんなが右向け右みたいな活動をして、似たようなパーティーをやって。ネットで音源も聴けちゃうから、お客さんもパーティーに行く前にある程度想像ができちゃうんですよね。そうなるとお客さんの反応は悪くなると思います。結果として、フロアーでの音楽体験よりもBARで飲んだり、友達とのおしゃべりが中心になると思うんです。
 
なので自分は誰もやってないようなパーティーがやりたい。そう思ってCMT、DSKE、REMIの個性的な3人が普段DJすることがあまりない場所でもあるZEROで一晩やったらどうなるだろう?っていうところから「NIGHT CLUB」の計画がスタートしたんです。
 
——CMT、DSKEの2人を選んだのはなぜですか?
 
CMTさんは全国を飛び回るいわゆるやオルタナティブシーンの先頭を走り続けてるDJでDSKE君はベルリン帰りで、東京の誰もが認める都内ゲイパーティーシーンで圧倒的に輝いてるDJ。自分はシカゴハウスというジャンルを東京でずっと背負って独自の路線でパーティーをしてました。通ってきたカルチャーもバックボーンも全然違うんです。ただ3人とも他には存在しない強烈なオリジナリティを持って、DJもパーティーもやってるんですよ。
 
自分は常々、ハウスDJは「セクシーであり、実験的であれ!」って思っています。CMTさんやDSKE君は、その定義がバッチリ当てはまると思ったので声をかけせてもらいました。2人は今回初共演だけど、自分は2人とガッチリ一緒にやってるんで、この2人を組み合わせるという実験は間違えないって自信持って言えますよ。
 
——会場にZEROを選んだのはなぜですか?
 
今の2フロアー主体のクラブで遊んでるお客さんにとってワンフロアーのクラブって逆に新しいって感じる部分も多いと思うんです。それとZEROはNORIさんが水曜日レギュラーをやってて、Dazzle Drums主催のBLOCK PARTYがあったりして、ニューヨークハウスやディープハウスの文化が強いクラブなので、そのイメージが吹き飛ぶくらいのパーティーができたら、成功ですね。ここ1年くらいでZEROのサウンドシステムは格段にアップデートしています。俺たちみたいな硬い音も鳴らせますよっていうGOサインが店長のYUKI TERADA君からも出ました。VJや照明、内装なども俺たちの流儀でやらせてもらって、既存のZEROのカルチャーにはなかったパーティーができたら何か新しいものが生まれるんじゃないって思ったんです。
 
——フライヤーもわざと出演者を書かなかったりしたそうですね。アートワークのイメージもパーティーを物語っているように思います。
 
じつはこれ80年代のシカゴのRon Hardyのパーティーのフライヤーのサンプリングなんです!自分の中での「セクシーであり、実験的であれ!」っていうハウスDJの定義はシカゴでハウスが生まれた時がルーツなんじゃないかなって思ってて、GOOGLEで「シカゴハウス フライヤー」で画像検索したら、80年代のオールドスクールなフライヤーがいっぱいでてきたんですよね。
 
ZEROは大きな箱ではないですし、DJの予算などを考えるとかなりギリギリの予算編成でした。なので、VJのLa CosmosのNAOTO君と「あ~でもない、こ~でもない。」って問答を重ねた結果、フライヤーは80年代のものをピックアップしてサンプリングして自分たちで印刷しようって事になって。それが逆に他のパーティーにはないアートワークになったんです。
 
出演者を書かなかったバージョンを作ったのも、他の人がやってない事をやりたいっていう単純な理由からなんですよ。「NIGHT CLUB」っていうパーティー名でこのアートワークで、DJ名前も入ってないフライヤー見たら、逆に想像力を掻き立てるじゃないですか? パーティーはもちろん、DJスタイルやアートワークひとつとっても、やっぱりオリジナリティが重要だっていつも思っています。


 
——Remiさんにとってハウスミュージック、ハウスパーティーの魅力はなんでしょうか?
 
しつこいかもしれませんが、やっぱり「セクシーであり、実験的であれ!」っことですね。セクシーな雰囲気ってハウスのパーティーにとって重要な要素だと思っています。セクシーなハウスがかかって、そのときにダンスフロアーでたまたま目が合った異性に恋をしちゃうみたいなことがあったりしないかな?って夜遊びしてるときにいつも思っています。自分もDJをしてて目の前のカップルにイチャイチャされたりすると燃えるものです。実験的な音楽かかってる中でそんなラブリーなシーンが見れたら、ハウスパーティーに遊びに来てるな~って感じがしてテンションあがるんですよ。
 
——当日はどのようなパーティーになりそうですか?
 
パーティーが始まるまで「どんな夜になるのか?」というのは、オーガナイザー側も読めないんですよね。それがお客さんの緊張感も生むのかなって思っています。遊びに来る人たちにはドキドキしながらZEROの階段を下りて来てもらいたいですね。
 
 
 

 まさに3人のDJの科学反応に期待したいパーティーだ。今回が初開催となるこの「NIGHT CLUB」。私の嗅覚に誤りがなかったら「NIGHT CLUBの1回目、まじやばかった!」と、後々語られるパーティーになるに違いない。