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「計算であり、方程式であり、音楽家が実際に演奏しているもの」 Jeff Millsが自身のインスタレーションを語る

いよいよ今週11月30日(木)から開催される、日本のダンスミュージックシーンに特化した国際カンファレンス「Tokyo Dance Music Event」(以下:TDME)。その目玉プログラムのひとつに、Jeff Millsの作品『Planets』を約60台のスピーカーで再現するインスタレーションがある。このインスタレーションは、11月30日(木)、12月1日(金)に渋谷ヒカリエで行われるが、体験できるのはTDMEのみだ。
 開催を目前に、TDME事務局がJeff Millsへインタビューを行い、その原稿が届いた。そこには、『Planets』や本インスタレーション、TDMEについて語られていた。下記は、事務局が行ったインタビューを要約したものだ。
 
 
 
 
『Planets』の目標は、クラシックとエレクトロニックミュージックを区別がつけられないくらいにまで、ミックスすることでした。『Planets』は、前世紀のものでも、ここ何十年かのものでもありません。“この時代を描写した何か”として認知されるかもしれません。『Planets』は、ホルストの『惑星』にインスパイアされたものですが、私のアイデアは、全く違うサウンドトラックを作り上げることでした。最初はホルストと彼によるギリシャ神話を用いて9つの惑星を説明する物語を引き合いに出すことを考えていました。しかし私は、科学的事実に基づきながら、どのようにトラックを構築しようか?ということに興味が向かっていきました。(Planetsは、それぞれの惑星の構造、素材、サイズ、質量、密度など科学的データをもとに作曲されている)
 
このインスタレーションで、スピーカーの間を歩けるようにするというアイデアは『Planets』をよく表現しています。『Planets』は、作品を生のオーケストラで演奏した、だけのものではありません。そこにあるのは、計算であり、方程式であり、音楽家が実際に演奏しているものです。おわかりのように、これはとても入念に作り込まれたインスタレーションなのです。
 
このインスタレーションのアイデアは、『Planets』を知る日本の方たちからのものでした。私にとって日本は昔から実験の場でした。様々なアイデアを日本に持ち込んでテストして、それが成功したらヨーロッパに持っていく。今でもそうです。なぜならこういった試みに深い関心を持つ人が、日本には一定数いてくれるから。
 
TDMEのように人がひとつの場所に集まれるイベントがあることはいいことだと思います。それはたとえ、国際的なものではなくても。実現には多くの協力が必要ですし、お金も時間もかかる。しかし、実現するといいことはたくさんある。私のキャリアの中で、エレクトロニックミュージックは、まさにTDMEのようなカンファレンスフェスティバルからスタートしました。それは、80年代後半にニューヨークで開かれたNew Music Seminarでした。
 
 
 
 
繰り返しになるが、このインスタレーションが体験できるのは、TDMEのみ。そして、開催は11月30日(木)、12月1日(金)の開催中に行われる計4回のみ。詳しくはオフィシャルサイトをご覧いただきたい。
 
 
TDME公式サイト
http://tdme.com/ja/