「まるで夢の国のカーニバル」
昨年、日本で初開催された「EDC Japan」を体験しての率直な感想だ。妖精やピエロ、モンキーに扮したキャストたちが会場内至るところで遊んでいたり、デイジー(ひなぎく)の花とカラフルなデコレーションで会場が彩られていたり、DJブースを備えた光り輝く車が現れたり……。まさに夢の国のエレクトロニックなカーニバルだった。
「Electric Daisy Carnival」、通称「EDC」は、1997年にロサンゼルスでスタートした世界最大のダンスミュージックフェスティバル。現在では、ラスベガス、ニューヨーク、オーランド、プエルトルコ、メキシコのほか、ブラジル、インドなど北中米を中心に世界中で開催されている。規模も年々拡大し、ラスベガスでの開催は、2011年に23万人、2012年と2013年は30万人超、そして2014年から2017年にかけては40万人の動員を記録。日本では昨年、初開催ながら2日間で8万4千人を動員し「EDC」のもつ求心力には驚かされる。「EDC Japan」の開催は、昨年のダンスミュージックシーンにおけるひとつのトピックであった。
この「EDC」の魅力は、徹底した世界観作りにあると思う。エントランスをくぐると冒頭に書いたような夢の国のカーニバルに迷いこんだ感覚になる。同様にメインステージであるZOZO マリンスタジアムのkineticFIELDもおとぎ話の世界観だ。笑ってしまうほどの巨大なフクロウのモニュメントが私たち見下ろす。これは本国アメリカでも使用されるものと同様だ。夜になると照明演出で、まったく違う世界へと変貌を遂げる。セカンドステージのcircuitGROUNDSは砂浜に作られているため海を眺めながら音楽を楽しめる。このcircuitGROUNDSは、光とレーザーをテーマとしているだけあり、エレクトロニックの側面を堪能できる。そのほかにも、デイジーの花とカラフルなデコレーションで彩られたテント型ステージneonGARDEN、移動式のステージで様々なエリアに突如出現するBoomboxARTCARなど個性豊かなステージにも注目だ。
いわずもがなDJ陣は、世界のトップDJたちが一堂に会する。“世界ナンバーワンDJ”というキャッチコピーで世界中で大活躍している兄弟ユニットDIMITRI VEGAS&LIKE MIKE。そのパフォーマンスの高さでも絶大な人気を誇るSTEVE AOKI。歴史を塗り替え進化し続けるお騒がせネズミDJ、DEADMAU5。トランス、レイブシーンのトップアーティストABOVE&BEYOND。ダンスミュージック界の若きプリンスDJ MARTIN GARRIX。2000年代後半の世界的ダンスムーヴメントにおける最重要プロデューサーDIPLO。ボーダーレスな選曲とテクニカルなスクラッチで構成され世界各国から称賛される革新的なプレイスタイルを持つSHINTARO。“世界トップの”と枕詞がつくDJばかりだ。
さて、世界最大級のエレクトロニック・ダンスミュージックフェスティバル「EDC Japan 2018」が今年もいよいよ今週末の5月12日(土)、13日(日)の2日間、ZOZO マリンスタジアム&幕張海浜公園EDC特設会場で開催する。タイムテーブルも発表され期待が高まるばかりだ。
追記
最後にひとつだけ、主催者へ改善のお願いを。セキュリティーの人のスタイルも、EDCならではのユーモアのあるものにしてくれたら、このフェスは100点です!
EDC Japan 2018
https://japan.electricdaisycarnival.com/
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