BOYS BE KKO『HENSA』
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東京を拠点とする気鋭プロデューサーRyunosuke Hayashiによるプロジェクト「Boys Be Kko」がオランダのレーベル「Atomnation」からキャリア初となるアルバムをリリース。美しいシンセサイザーサウンドが全編を通して印象的なこの作品だが、楽曲は緻密に構築されており、ハウス、IDM、ブレイクビーツといったジャンルを跨ぎながらも一貫したコンセプトでリスナーをエモーショナルな世界へと導いてくれる。ダンスミュージックアルバムながらもストーリー性を持った、同氏の集大成とも言える1枚だ。
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DJ NOBU『HIIRO』
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日本を代表するアンダーグラウンドパーティ「Future Terror」やレーベル「Bitta」を主宰するDJ NOBUが、スウェーデンのディープテクノレーベル「Kvalia」からEPをリリース。どこか有機的なイメージを連想させるエクスペリメンタルサウンドが特徴的で、独特なグルーヴ感を持ったトラックが揃う。氏が追い続けてきたサイケデリックテクノを深く堪能するのにも最適な1枚で、オランダのテクノデュオArtefaktが手掛けた楽曲を含めた全てがフロアでも使える上質な作品だ。
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Various Artists『Anthology Of Experimental Music From Japan』
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非西欧諸国のエクスペリメンタル・ミュージックにフォーカスしたイタリアのレーベル「Unexplained Sounds Group」が、日本の実験音楽をテーマにしたコンピレーション・アルバムをリリース。あの「タンジェリン・ドリーム」の現メンバーであるバイオリニスト山根星子や、エクスペリメンタルミュージック作家Ryo Murakamiなど、上質な音楽を生み出し続けるクリエイターら全14組が集結。日本産のディープな地下音楽を知るのに最適で、アンビエント・ドローン音楽ファンは必聴の作品だ。
Various Artists『HOW HIGH 01』
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Ryokeiが主宰する東京アンダーグラウンドシーンの人気パーティ「How High」から第一弾となるコンピレーション・シングルがリリース。「Phreak」の中心アーティストであるTakashi Himeoka、探心音のレジデントHisashi、「Chatty Chatty Mutants」を主宰するRiku Sugimotoらが楽曲を提供しており、コアなダンスミュージックファンも踊らずにはいられないほどのグルーヴィな作品。繊細な日本産ハウス・ミニマル作品が詰まった、世界でも通用する上質なレコードに仕上がっている。
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宇多田ヒカル『BADモード』
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日本の音楽ファンの間でも話題となった宇多田ヒカルの8枚目のスタジオアルバムは、「Resident Advisor」などの海外ダンスミュージックメディアでも取り上げられるなど大きな注目を集めた。国境を超えた豪華なプロデューサー陣が参加していることで知られる本作だが、うち3曲はFloating Pointesがプロデュースを手掛けており、ダンスミュージックに接近したリズミカルな楽曲が多く収録されている。海外メディアでは、世界で知られる「渋谷系」ジャンルの文脈でも語られているが、J-POPの要素を保ちながら多様な音楽ジャンルへの融合を華麗に展開してみせたこのアルバムは、間違いなく今年を代表する1枚になるだろう。
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スケボーキング『THE NEW ALBUM』
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『THE NEW ALBUM』と名付けられた本作は、2020年に再結成したことで話題となった日本の伝説的ミクスチャー・ロックバンド、スケボーキングによる13年ぶりの新アルバム。ロックからヒップホップまで、様々な音楽的要素が盛り込まれた同バンドのサウンドは健在だが、今作はエレクトロ要素の割合もかなり大きくなっており、電子音楽ファンにも親しみやすい作品に仕上がっている。もちろん、Dragon Ashとのコラボレーショントラック「EPISODE 7 feat,Kj」を初めとして、”スケボーキングらしさ”が詰まった原点回帰とも言えるような楽曲もあり、往年のファンからビギナーにもオススメできる傑作だ。