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Red Bull Thre3style Japan 中部予選

世界中のDJが技やクリエイティビティを競い合い、世界No.1 Party Rock DJを決めるDJバトル「Red Bull Thre3style」。その世界大会の出場権をかけた戦いが、先日の仙台大会に引き続き、6月10日(日)に名古屋"iD cafe"で行われた。日曜日にも関わらず名古屋最大のキャパシティーを誇る会場のフロアが人で埋め尽くされ、ものすごい盛り上がりをみせた。 text : yanma (clubberia) 
中部予選にエントリーしたのは、DJ HORIUCHI、DJ TAKA、DJ OSAMNUTS、DJ SHIGE、DJ MAKIYA、DJ SENRYU、DJ HOSONO、DJ MATTOの8名。審査員は、90年代初頭より名古屋クラブシーンを長年支え続けてきたDJ MURAKAMIGO、iD cafeのヒップホップフロアを10年間レジデントとして揺らし続けているDJ RYUJIN、そしてツアージャッジのDJ KOYAが務めた。そしてMCは、名古屋にあるMUSIC STATION ZIP-FMで番組を担当するMEGURUが務めた。
DJバトルが始まる前より、すでにオーディエンスも盛り上がりは沸点に達した状態だった。先日の仙台とは、まったく違う雰囲気だ。仙台はどちらかというとクールな印象だったが、名古屋は間逆。オーディエンスの求めるのもにうまく答えなければ、フロアから人がいなくなりそうな、盛り上がっているが、DJには気の抜けない雰囲気だ。東京でもあそこまで盛り上がっている現場を、まず見たことがない。
 
 
その中、トップバッターとなるのは、iD cafeのレジデントDJであるDJ HOSONO。1曲目にPitbull "Give me everything"をプレイ。すると、ブレイクの部分でオーディエンスから合唱が起こり、観客が盛り上がる曲を心得たホームDJならではの手腕を伺えた。その後も、ハウストラックをメインにレゲエ、ヒップホップへと移行していった。
2番手は、「Red Bull Thre3style 2011 Japan Final」にも出場したDJ HORIUCHI。プレイ前から多くの声援が注がれており、地元での人気の高さが伺える。M.O.Pからスタートし、ハウス、レゲエへとスムーズに移行していくスタイル。後半よりスクラッチや2枚使いが増えていき、選曲性とスキルの高さをみせた。
 
 
3番手は、年間100本以上のギグをこなしているDJ SHIGE。序盤は、スクラッチや2枚使いを駆使して、短いスパンでミックスしていきフロアをロックする。中盤よりBeyonceやRihannaなど女性ボーカルの人気トラックをプレイし、徐々にテンションを上げていき、Cobra Starship "You Make Me Feel"のブレイクの部分でフロアからの合唱を誘い一体感を作った。
4番手は、X-HALLを中心に活動しているDJ MAKIYA。10、9、8…とカウントダウンしていき、LMFAO "Shots"で盛り上げる。その後もAlexandra Stan、Madonna、Lucenzoなどのパーティー・チューンが続く。曲のロールアップや、サイレンなどのサンプリング音源を巧く使いフロアを盛り上げ、最後は、名曲"Stand by Me"のエディットで奇麗に締めた。 
 
 
5番手は、ヒップホップ、R&BのミックスCD "NO DOUBT"を制作し、人気を獲得しているDJ TAKA。前半に、Alexandra Stan、Pitbullなどのヒップホップ、R&Bのアンセム系を立て続けにスクラッチを多用しミックスしていく。そして中盤は、Cherly LynnやEarth, Wind & Fire、Boys Town Gangなどのディスコ・クラシックへと雰囲気を変え、後半はパーティー・アンセムで盛り上げた。
6番手は、黒人ラッパー B'ZAROのライブDJを務めたキャリアを持つDJ SENRYU。今までのDJと変わって、映画の曲のような壮大な世界観のトラックでスタートし、その後もPapa Roach、M.O.Pなどのハードコアなトラックで繋いでいく。後半は、Afrojack、Alexandra Stan、Mitomi Tokotoといったハウス、エレクトロのトラックで構成していた。 
 
 
7番手は、浜松で活動するDJ MATTO。ブースに立つとアウェイながら、彼に送られる声援が大きい。Fatman Scoopで静かな立ちあがりにも関わらず、無駄の無いスクラッチと絶妙なタイミングでミックスされていくプレイでフロアを離さなかった。Wiz Khalifa & Snoop Dogg "Young, Wild & Free"、Oasis"Whatever"、からRUN-DMC"Walk this way"の流れで、驚きが歓声に変わり大きな盛り上がりをみせた。最後まで、他のDJと曲が被ることなく、ミックスごとに歓声があがるプレイだった。
最後のDJは、名古屋、岐阜、石川、大阪で活動を行っているDJ OSAMNUTS。この日もっともパフォーマンス精神溢れ、オーディエンスを煽ったDJだった。王道のパーティー・チューンを展開しつつ、曲と曲との間に、Red BullのCMから「Red Bull 翼を授ける」の部分をサンプリングして会場を盛り上げたり、LAMFO "Shots"にET-KINGの"日本全国酒飲み音頭"の一部を入れ盛り上げていった。
 
 
審査が終わり、中部地方代表の座を勝ち取ったのは、DJ MATTOだった。おそらく、応援に来てくれた友人たちと一緒にいた彼。そこの輪から特に大きな歓声があがる。彼がステージに上がり「やりきれなかった部分もあるので、決勝では出したい」と意気込みをオーディエンスに語った。プレイ後、DJ MATTOにやりきれなかった部分について聞いたところ、傍からは安定したプレイに見えていたが、本人曰くミスがあったそうだ。ただ、プレイ中はオーディエンスの声援がブースでも聞こえていて、支えになったと話してくれた。また、ツアージャッジのDJ KOYAにDJ MATTOの勝因を聞いたところ、「選曲、スキルなど審査基準全てにおいてバランスがばっちりだった」とコメント。そのことに関しては、他の審査員のDJ MURAKAMIGO、DJ RYUJINもDJとしてのバランス感を高く評価しおり、3人とも同じ意見で彼を優勝させたとみていいだろう。DJ KOYAへは引き続き中部予選に関して聞いたところ、「お客さんのパワーに、バイブスに圧倒されました。DJもみんなパーティーDJで、それぞれフロアをロックしていたと思います。仙台で行われた東北予選とも、DJもお客さんも雰囲気が違ってびっくりしました」と話してくれた。
Red Bull Thre3style Japan Tour 2012は、東日本から、これより16日(土)広島 "Club G"、17日(日)福岡 "CLUB X"と西日本に移動する。中国・四国、九州・沖縄予選では、どのような才能が表れるのだろうか。また、その才能を持ったもの同士の熱いバトルが繰り広げれることが期待される。
中部予選のバトルがスタートする前に、clubberiaのアカウントからバトルがスタートすることをツイートすると「マットがんばれ!」と応援のリツイートがあった。おそらく地元の友人だと思うが、DJ MATTOは彼にどう報告するのだろう。きっと喜んでくれるに違いない。その裏で、悔しがっていた他の出演者。関わった人の数だけドラマが生まれる。その思いと一緒にDJ MATTOには決勝でも実力を出し切ってベストなパフォーマンスをしてほしい。
 
https://www.pioneerdj.com/ja-jp/product/software/wedj/dj-app/overview/