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VJ WADAKEN的 中国倶楽部紀行

ニイハオ!VJ WADAKENです。去年から中国でのVJ仕事が増え、ほぼ毎月ブッキング入ってます。 仲間からもふた言目には「また中国?」って聞かれるぐらい、なぜか中国で大人気。 ここでは、僕が中国VJツアーで体験した、成長著しい中国企業主催イベントの驚きの裏側をレポートします!

観光名所にいきなり巨大テントを建設!

中国といえば、すぐ隣の国だけど、行ったことのない人にとって は、朝はみんなで太極拳して、自転車で出かけて、屋台で食べて、子供はドラゴンボールのウーロンみたいな格好して……、みたいなパブリックイメージがある と思う。これらは全部、間違いじゃないけど、実際に行くといたるところにコンビニもあるし、マックやスタバも普通にあるし、オシャレなセレクトショップに はギャルソンやドルガバも売っていて、若者はみんな携帯を持っている。もちろん、クラブだって普通にある。

上海と北京のクラブに関する詳細は、クラベリアのレポートに任せるけど、今回僕が紹介するのは、いわゆる「箱」じゃなくて特設会場で行われる企業イベン ト。スポンサーは中国ではナンバーワンのウイスキーブランド「CHIVAS」で、この日のためにフランスからDJにCharles Schillings、イギリスからアクロバット集団「Hair of Insanity」を招聘。 ageHaの大人気イベント「DEMENSION K」でもキダムばりのショーをしてたので、覚えている人もいるかも。そして、タイからはライブバンドとして、元suedeのメンバーも在籍する 「FUTON」、日本からはVJとして僕が指名された。

場所は上海の観光名所であり、デートスポットとしても有名な黄浦江の川岸にこの日のためだけに建てられた巨大な特設テント。上海のシンボルである東方明珠(上海タワー)もすぐ近くにそびえ立っている。こんな場所にいきなりテント建てるのってアリなの?

【↓写真キャプション】
左:高層ビルが乱立する浦東地区。街頭スクリーンには絶えずCMが。
中:有名な上海タワーこと東方明珠。今日は雲の中。
右:公共の場、しかも観光地にこんな巨大テントを建てていいの?

企業パーティの設備は超豪華!

当日は朝から会場入りして、機材のセッティングに取りかかったのだが、「ホントに今日やるんだよね。大丈夫?」って思うくらい内部のデコレーションはでき上がっていない。まあ、いつものことなんだけど、中国人は驚くくらいマイペースだ。

現地スタッフですら、間に合うのか不安でピリピリするなか、バーカウンターやデコレーションが運び込まれて、単なるテントが少しづつ「クラブ」になってい く。いざ会場ができ上がってみると、その設備のスゴさに驚かされた。今回のテーマ『未来』をイメージして場内には全体的に白を基調としたイカすデコレー ションがズラリ! ムービングライトは20台、VJスクリーンは屋内外で12か所、カウンターのうしろの壁にはプラズマテレビが並ぶ。ラウンジスペースで はフィンガーフードをつまみながら、ソファーでゆったりできるし、酸素スタンドまであった。また、3つあるバーカウンターには、回転寿しマシーンが設置さ れて、 CHIVASがスポンサーだけに、飲み放題のCHIVASカクテルが回っている。しかし、個人的にはビールはないのが辛い!

現在、上海では、このような企業のブランディングパーティが本当によく行われていて、ほかにもフェラーリやプラダなど、数多くの外国企業のイベントでVJ を務めてきたけど、こうした設備の充実ぶりには毎回驚かされる。やはり、いま世界中の企業が中国に注目していることを実感!

【↓写真キャプション】
上段左:DJ&VJブースからの眺め。次々と物が運び込まれている。
上段中:パーティに華を添えるキャンペーンモデル@メイク中。
上段右:開場の一角に設けられたラウンジスペース。
下段左:バーカウンターのうしろにはプラズマテレビが並んでいる。
下段中:どこからでも映像が見える4面立体スクリーン。VJ的には最高!
下段右:これが驚きのカクテルサーバー用回転寿司マシーン!

中国ではVJはスター!?

開場すると、まずは関係者や、TV、雑誌の記者、芸能人のみのプレパーティ。 街中でもオシャレで背が高く細い女の子が多いけど、さすがに芸能人は一段とキレイ! 男も街中の角刈り野郎とは違ってカッコイイ。一般向けに開場すると、 あっというまに場内は2500人で埋まり、身動きも取れないほど超満員に。

DJ&VJブースは会場中心のひときわ高い、見晴らしのよいステージ上に横並びで設置。通常、日本ではVJというとフロアの端っこで寂しくパソコ ンをいじってる裏方的位置付けになることが多いけど、中国ではDJと並ぶくらいのスター扱いをしてくれることが多い。かくいう僕も朝日新聞クラスの新聞に 半ページで顔写真が載ったり、テレビや雑誌の取材を受けたりしたこともあるしね。ビックリ!!

そんなこんなで、どこでもプレイのあとは人が寄ってきて大人気!になるんだけど、中国ではVJの認知度が低いのも事実なので、実は僕をDJだと思ってる人 も多いみたい。う~ん痛し痒し!ともあれ、僕はVJだってもっと目立ってもいいじゃん!って思ってるので、ステージ上でプレイする方が好き。だから、この 会場を見たときも(゜∀゜)キターって思ったね! この日も日本では絶対使わない自分の写真入り映像なんかを流してしまうほどハイテンションに。DJの Charlesとも、急遽「ブレイクの間中はずっと、会場を真っ暗にしてやろうぜ」などと相談して、茶目っ気ある掛け合いができた。彼とは今度フランスの パーティで一緒にやろうと再会を約束。

Charlesが日本でも発売したばかりのTEI TOWAの「sometimes samurai」などもかけて、ノリノリな選曲だったこともあって、普段はほとんど踊らないほどシャイな中国伊達男もお高くとまった美人もみんな一緒に なって笑顔で楽しそうに踊り、しまいにはバンドのステージにお客があがりお立ち台状態になるほど、最高の一夜になりました!

【↓写真キャプション】
上段左:タイで活動する多国籍バンドFUTONの絶叫ライブ!
上段中:キ・ダ・ム!!!なHair of Insanityのステージング。
上段右:“NO COMMUNICATION NO LOVE”が大ヒットのCharles。
下段左:どうです?高いところでプレイするのって気持良い!
下段中:ピークタイムにはバンドのステージにみんな上がっちゃう。
下段右:みんなサイコー!音楽に国境はナシ!

個人的中国雑感

実は、このとき世間では反日運動が盛り上がって暴動が起きている真最中だったんだけど、こうしたパーティを見ていると日本人も中国人もハッピーに感じるポイントは大差ないし、市民レベルでは本当に仲良くなれると思った。

今回、技術面でサポートしてくれた若い中国スタッフは無口で表情を変えず無骨に黙々とセッティングをしていく典型的な中国男子だったので、はじめは言葉が 通じないこともあって、お互い黙々と作業をしていたんだけど、少し時間が経つと無言で煙草を無骨に差し出してくる。「謝謝」と言って、僕も彼らに自分の煙 草を差し出すと、無言でうなずいて受け取る。

そのうち、ちょっとした小休止のたびに中国の強くてちょっと甘い煙草をスッと差し出してくるようになる。その後も基本的には無表情のままなんだけど、別れ 際になって、ようやくはにかむ程度の笑顔で手を軽く振ってくる。毎回必ずと言っていいほど、こんなコミュニケーションがある。これが国民性なのかどうかは わからないけど、僕はそんな中国が大好きだし、これからもVJを通して、お互いの理解を深めていければと思います!!

【↓写真キャプション】
左:Charlesと僕。チャイナ流ウイスキーで何度も乾杯。
中:未来コスのマスコットガール。個人的にはもっとセクシーな方が…。
右:パーティが終わっても上海の夜は終らない。

https://www.pioneerdj.com/ja-jp/product/software/wedj/dj-app/overview/