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世代、ジャンルを越えて才能溢れるクリエイターを発見! INTERLUDE form TDME、第一次審査発表

取材・文:Yanma(clubberia)
写真提供:Tokyo Dance Music Event事務局


 
 11月30日(木)から12月2日(土)の3日間に渋谷ヒカリエを中心に開催された日本のダンスミュージックシーンに特化した国際カンファレンス「Tokyo Dance Music Event」(以下TDME)。clubberiaも様々なカンファレンスやワークショップに参加してきたが、フォーカスするのは、次世代エレクトロニック・クリエイターオーディション「INTERLUDE form TDME」の一次審査結果発表。理由はシンプルで、音楽業界に携わっていて、新しい才能を見つけること、これほどエキサイティングな行為と情報はないからだ。
 
 1次審査を通過したのは10組のクリエイター。 応募者は100名以上、聴いた楽曲は200曲以上に及んだという。1次審査通過者発表会では、審査員のDJ DARUMA氏、渋谷のレコードショップTechniqueの代表・佐藤氏、クラベリアの代表・高田の3名が登壇(1次審査選考には野外フェスティバルRAINBOW DISCO CLUBも加わっている)。その10組の曲を順番に流し、特徴や魅力を語っていった。各クリエイターが作った音楽ジャンルは、ディープハウスあり、テクノあり、ベースミュージックあり、ボカロありと様々だったがどれも、他の作品も聴いてみたくなる高いクオリティーのものばかりだった。下記は、1次審査を通過した10組のクリエイター名と審査員のコメントをまとめたもの。





①speakpole
「すごく複雑なようでいて、でもきちんと踊れるグルーヴがある。これだけの音(数)が鳴っているにも関わらず、全ての音がきちんと聴こえる。」(DJ DARUMA)
 
②Pee. J Anderson
「オールドスクールなハウスマナーなんですが、新世代の感性が感じられる。UKから出ている新世代のサウンドにすごく共鳴している作品ですね。」(佐藤)
 
③Yullippe
「いわゆるテクノのメッカ・ベルリンで鳴ってそうな、クラブ仕様で重厚なサウンド。」(佐藤)

「プロフィールが面白いので一部紹介させてください。安室奈美恵さんのようなJポップシンガーに憧れ、ロックバンドなどを経て、現在製作中のようなエレクトロニック・ミュージックにたどり着きました。——触れてきた音楽の振り幅は大きく、その結果、ここにたどり着いたのは面白いですね。」(DJ DARUMA)
 
④takecha
「聴いた瞬間に採用!と思いました。ミキシング、マスタリング含めて完璧。オリジナル楽曲数、一人だけダントツの300曲。」(高田)
 
「この方は、すでに海外からのレーベルからリリースされていて、80年代から活躍されていました。USのハウスに影響を受けていると思うんですけど、日本なりの質感というかメロディーを感じました。」(佐藤)
 
⑤Kazu
「エレクトロ以降〜EDMを通過した質感。今の若い世代には、このへんがど真ん中じゃないかな。エレクトロのときも若い子が出てきたけど、EDMの盛り上がりの中で、こういう若い子たちがどんどん出てきているんですね。」(DJ DARUMA)
 
⑥Pepensow
「18歳。応募者のなかで最年少。高校1年生のときから作り始めたみたいで、トラックメイクは現在3年目。ボーカロイドを使われていて、オリジナルが70曲あるみたいですね。これも曲を聴いたときにびっくりしました。」(高田)
 
⑦rinnforzando
「クラブで聴きたいですね。完成された曲。クラブでたくさんの人数がうごめいているのが想像できますね。」(DJ DARUMA)
 
⑧riku sugimoto
「ヨーロッパのミニマルハウスと少しエレクトロが入った最近の音ですね。この曲に関していうと、マスタリングを施すともっと良くなると思います。」(佐藤)
 
⑨FOLD
「ダブステップやトラップの大胆さもありながら、細かいところでAphex Twin的な音のいじり的な部分も意識されているよう。リスニング的な要素もありつつ、フロア的な要素もある。他の曲もバラエティに富んでいて、すごくいいですね。」(DJ DARUMA)
 
⑩Diskngtk
「ヒップホップ、R&Bですね。リミックスを多くやられている方なんですね。この曲は誰かのアカペラを使っているのかな? このトラックに対してに違うボーカルを乗せられる可能性もありますよね。」(DJ DARUMA)
 
 
 審査の発表を終えて、D DARUMA氏と佐藤氏このようなコメントを残している。
 
「10代の方から60代の方までの幅広い方から応募がありました。僕もレコードと触れ合って20年近く経ちますけど、ここまで年齢層が広がったことに驚いています。あと多種多様なダンスミュージックがあり、作られるクオリティーも高くなっています。日本はレーベルが少ないと言われていますが、音楽的文化は高いと思うので、今回の取り組みに関して、発信という意味では、期待できる第一歩じゃないかなと思います。」(佐藤)
 
「イントロからアウトロまで皆さん魂込めて作って頂いた作品だと思いますので、Tomiieさんと僕とSeiho君とここにいらっしゃる皆さんとで、真剣に向き合って審査させてもらいます。バラエティに富んだ素晴らしい作品ばっかりなので、みんなで選ぶのが楽しみです。」(DJ DARUMA)
 

 果たして、この中から誰がグランプリに選ばれるのか……。最終審査の結果は近日発表される。


 

 
 下記はヒカリエで行われたTDMEの他プログラムの様子と渋谷のクラブで開催されたパーティーの様子をまとめたもの。
 
CONFERENCE/SESSIONS
以下4枚は、ヒカリエホールAとヒカリエホールBで行われたカンファレンス、セッションの様子。Jeff Millsのインスタレーションも。


メインステージでのカンファレンスの様子。話題の技術であるブロックチェーンについてや、ストリーミング、海外のダンスミュージックシーンなどがテーマの中心となった。


ヒカリエホールBに作られたテックステージでのカンファレンスの様子。こちらでは、ティーン世代やミレニアル世代にフォーカスしたテーマが多く展開された。



INTERLUDE from TDMEの一次審査結果発表を行ったステージ。主に楽曲制作にまつわるワークショップが開催された。


注目を集めたJeff Millsのインスタレーション。彼がオーケストラと共演したアルバム『Planets』を約50本のスピーカーで再現。参加者はスピーカーの間を自由に歩くことができ、オーケストラの中を動ける仮想現実を体験した。


SPINNIN SESSIONS at TDME
以下4枚の写真は、12月1日にヒカリエホールAで開催された、「SPINNIN’ RECORDS」とのコラボレーションイベント「SPINNIN SESSIONS at TDME」の様子。EDX、Madison Mars、Mike Williams、ALISA UENOが出演。







LIVE
以下6枚の写真は、12月1日、2日に渋谷のクラブで行われたパーティーの様子。Daniel Miller、石野卓球、patten、SIKDOPE、Mr. Ties、Colleen 'Cosmo' Murphyなどが出演のパーティーが開催された。


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