ミニマルテックハウス職人Steve Bug。DJ/プロデューサー/レーベルオーナーとしてハウスとテクノの間を自由に、そして巧みに行き来し続けるそのセンスとテクニックは唯一無二。レトロなベースラインと不規則なノイズが絡み合って作り上げられるムーディーでミニマルで魅惑的なサウンドはドイツのテックハウス/エレクトロニックハウスのシーンにおけるSteve Bugの地位を確固たるもの としている。 91年、イビサのクラブSpaceに隣接するバーでのアフターアワーズにおいてDJとしてのキャリアをスタートさせたSteve Bugは、やがて出身地であるブレーメンのクラブにおいてレジデント としてプレイするようになり、ベルリンのラブパレードを初め、ドイツ各地を代表するイベント・パーティーにブッキングされるようになる。やがて93年、ハンブルグを拠点とするレーベルSuperstition Recordingsより作品をリリース し(すぐにイギリスの名門Risin\' Highにライセンス)、プロデューサーとしてのデビューを果たす。また、96年には自身のレーベルであるRaw Elementsを立ち上げ、Felix Da Housecatの作品などを 発表するも、自身のトラックである\"Volksworld\"とコンピレーション、\"Da Minimal Funk Part 1 & 2\"をリリースした後にRaw Elementsの活動休止させる。これと入れ替わるようにして新たに立ち上げたレーベルがDessousとPoker Flatである。Poker Flatは、Steve自らが手がけた1枚目のリリース\"Loverboy\"(後のアルバム、\"The Other Day\"のオープニング曲にもなる)のヒットにより、瞬く間に注目を集めるようになる。その実験的で斬新なサウンドは強烈な個性でもってナンバーワンレーベルとしての圧倒的な存在感を放っている。もう一方のレーベルDessousにおいてはVincenzoとの共同名義である\"Discowboys\"など、deep houseスタイルのサウンドを展開している。 自身のレーベルだけでなく、Cocoon Recordsからリリースされたコンピレーション、\"Steve Bug presents The Flow\"、あるいはRaumuやItalic、Turbo Recordsなどの有名レーベルからリリースされたオリジナル作品、Robotman、ADNY a,k,a, Alexi Delano、Antonelli Electr, feat. Miss Kittinのリミックスなど、プロデューサー/リミキサーとしての活動は多岐に渡る。また、MinusからリリースされたRichie Hawtinとのコラボレーション作品\"Low Blow\"を始め、Funk D\' Voidや Jeff Samuel、Freaksのリミックスを手がけるなど、各方面のアーティストからの信頼も厚い。 最新、3つ目のレーベルとして立ち上げたAudiomatiqueにおいてはAnders TrentmollerやMartinezなど、次世代テクノ/ハウスアーティストの発掘に成功している。特に、わずかに4枚目のリリースでありながらもビッグヒットとなった\"Physical Fraction\"はまさしくTrentemollerにとって のブレイクスルー作品となった。 Poker Flatから1月リリースされたシングル\"Smackman EP\"、4月28日発表予定の\"Bugnology 2\"と、 06年に入ってからも休むことなく発信し続けるSteve Bugからは一瞬たりとも目が離せない。