James(ジェイムス)- Vo, Dan(ダン)- G, Alice(アリス)- Key, Nick(ニック)- Dr, Chris(クリス)- B
英国はリーズから出現したニュー・レイヴの珍種?グライムの異端児?日本が生んだ格闘対戦ゲームの傑作「ストリートファイターII」のキャラクター、リュウとケンの必殺技“波動拳”からバンド名を拝借した、その名もハドーケン!。自主レーベルからデビュー・シングル「ザット・ボーイ・ザット・ガール」を発表したのは2006年冬のこと。イギリスでは当時、彼らのサウンドは「グラインディー」=「グライム」+「インディー」なるジャンルで括られていた。つまり「グライム」(イースト・ロンドンの貧しい地域で生まれたストリート密着型のヒップホップ。ザ・ストリーツやディジー・ラスカル等が有名)と「インディ・ギター・ロック」という二つの要素をミクスチャーしたサウンド。それもそのはず、バンドの中心人物、ジェームス・スミスは、ハドーケン!結成前に、ドクター・ヴェノムという名義でグライム・プロデューサーとしてキャリアをスタートさせていたのだ。当時10代のジェームスが、音楽を作り始めるきっかけになったのは、ザ・ストリーツ、ディジー・ラスカル、ワイリー、ケイノといったグライム・アーティストや、それ以前のUKガラージだったという。しかし、黒人のコミュニティーが圧倒的に多いシーンの中で、ドクター・ヴェノムとしての彼のキャリアはあまりいいものではなかった。その後、ロンドンから北のリーズに移ったジェームスは、カイザー・チーフスを筆頭に盛り上がっていた、リーズの音楽シーンに影響を受け、バンドを結成。大学の親友でもあったピラウ(B)と、ジェームスのガール・フレンド、アリス(Key)、ピラウの弟のニック (Dr)、そしてニックと同じ音楽学校に通っていたクリス(G)が加わり、再び拠点をロンドンに移すことに。当時のロンドンは、パーティー・シーンが猛威を振るっており、音楽のクロスオーヴァーが当然のように行われており、インディもメタルもヒップホップもレイヴもみんないっしょくたになっていた。そんな音楽シーンに圧倒されたハドーケン!もジャンルをマッシュ・アップするスタイルを次第に確立するようになっていった。そして、自主レーベル、サーフェイス・ノイズを立ち上げ、06年「ザット・ボーイ・ザット・ガール」をリリース、NME誌のビデオ・クリップ・チャートに食い込むと同時に、プレイ数が 170万回を超えるMySpaceや、ラジオでの人気を介して、一気にシーンに浮上。ストリーツことマイク・スキナーから「グレイトな新人」、ミューズのマット・ベラミーから「一番気になってるバンド。とても面白い。どういう音楽と表現していいかわからないけど、サンプリングの使い方が尋常じゃない。もっと他の曲も聴いてみたい。」と言わせてしまうほどに注目を集める。2007年夏にはサマーソニック07で初来日を果たし、5曲入りEP『リキッド・ライヴス』をリリース。2007年11月には、ミックステープ作品「Not Here To Please You」をUSBのみでリリース(日本未発売)。そして、いよいよデビュー・アルバム『ミュージック・フォー・アン・アクセラレイテッド・カルチャー』が2008年7月9日(イギリスは5月5日)に発売となる。ほとんどの曲がセルフ・プロデュースだが、3曲(M3、M4、M8)をJacknife Lee、1曲(M9)をRich Costey(MUSE,Interpol)が手掛けている。そして今年、サマーソニック08へ2度目の出演を果たし、9月にはLIQUID ROOM 2ディズでも大成功をおさめ話題を呼んだ。
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