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SCUBA

HOTFLUSH

テクノの異端者Scubaことポール・ローズと彼のHotflushレーベルは2003年以来、エレクトロニック音楽のシーンにおいてヘヴィーなベースサウンドの方向性をより研ぎ澄ましてきた。後のダブステップとなるアンダーグラウンドのガラージでキャリアを始め、次第にダークでヘヴィーなベースをアブストラクトなエレクトロニカを通して、ジャッキング・ハウス、ダークなテクノを発表し、Joy Orbisonのスマッシュヒット”Hyph Mango”やPaul Woolfordのピアノハウスバンガー”Untitled”などアンダーグラウンドの時代を象徴する流行を作り上げてきた。それだけでなく、Mount Kimbie、George FitzGerald、Sepalcureなどの幅広いジャンルのキャリアをスタートを支えてきた。

方やDJやプロデューサーとしても、ローズは個人的にUKのエレクトロニックシーンにおいて知名度を上げていった。今までに4枚のアルバムをリリースし、人気のDJ Kicksシリーズに選ばれたり、Berghainでレギュラーイベントを開催したり、2013年にはDJ Mag Best Live Act awardを獲得した。

音楽的な方向性としてはScubaはあえてダンスミュージックシーンのトレンドと逆の方向を進んでいる。憂鬱な雰囲気の漂う傑作デビューアルバム”A Mutual Apathy”を2008年にリリースし、2010年には影が漂うな空気感を持ちジャンルをまたいで広く評価された”Triangulation”を発表した。別名義のSCBではディープな4つ打ちリズムの作品を追求していたが、出し抜けにリリースされた 2011年の”Adrenalin EP”は続くアルバム” Personality”へと繋がる90年代のハウス回帰への道筋であった。「”Triangulation”がたとえ人気ある作品だとしても、同じようなことはやらないって決めたんだ。」とポールは語る。「”Triangulation”を気に入った人は”Personality”は嫌いだろうなとあえて試したんだ。」

レーベルとしてのHotflushも、Scubaのサウンドが変わるとともに発展していった。レーベルとしてアルバムをリリースするのが当たり前にになっていったころ、”一般的に基本的なダンス・シーンの作品”へと方向性が変わっていったのだ。ポールは「昨年はアルバムを考えずにシングルをリリースすると真剣に決断したんだ。それは良い判断だったよ。リリースを減らして、それぞれの作品をもっと大事に扱ったんだ。2015年にはまたアルバムをリリースするけどね。」と語る。

  2014年になるとScubaは新鮮な音楽のアプローチを取った。率直に言うと「世界的に真逆のことをやりたかったんだ。なにか違うことがやりたかったんだ。」” The Phenix”のEPシリーズはその最初の証明だ。よりダークで内省的な方向性でダンスフロアに溶け込むようなダイナミックスを孕み、ディープな空気感と恐ろしいヴォーカルが特徴的だった。

2015年に3月には過去の方向性を融合させたような新作アルバム” CLAUSTROPHOBIA”をリリース、レーベルからもReconditeやLocked Grooveの作品を精力的にリリース。 2016年は閉鎖問題の途中だったロンドンの名門クラブの人気MIXシリーズの”fabric 90”をリリースするなど、ポール・ローズとHotflushは常に多様性に富みエキサイティングなリリースを今後も続けていくだろう。