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Garage A Trois

アメリカ最大のアンダーグラウンドと評されたフィッシュの活躍がめざましかった1998年、ジャズの発祥の地とされるニュー・オリンズにて、ガラージ・ア・トロワの活動はスタートする。最初のメンバーはスタントン・ムーア(ドラムス)、スケーリック(サックス)、チャーリー・ハンター(ギター)の3人で、スタントン・ムーアのソロ名義として発表された「All Kooked Out!」は、ジャムバンドファンのみならず、ジャズ/ファンクの愛好家のあいだでも隠れた名盤として知られている。スタントンの笑うようなドラミングにくわえ、8弦ギターの魔術師チャリー・ハンターがしぶくからみながら、スケーリックのsaxが気持ちよく泳ぎ、類いまれなグルーブを醸しだしている。

この後彼らの活動は、主にニューオリンズ・ジャズ・フェスティバルでのライブで、全日程がソルドアウトとなるほどの盛況ぶりであった。彼らの音はグレートフル・デッドやフィッシュのロック系、エレクトリックマイルス、ジョン・スコフィールドやパット・メセニーのフュージョン系ジャズ、ミーターズやドクタージョンのファンク系、また新しく台頭してきたジャズ系のメデスキ、マーティン・アンド・ウッドやソウライブを聴くリスナーによって支持されていた。

ガラージ・ア・トロワの名義としての1stアルバム「Emphasizer」は2003年に、スケーリックの盟友でクリッターズ・バギンやレス・クレープールのバンドで活動を共にするマイク・ディロン(パーカッション、マリンバ)を4人目のメンバーとして加え発表された。このアルバムはトータス的ポストロックを一歩先へすすめ、心地よい音色からトグロをまくグルーブの渦へとたたきむジャム/インプロは一聴の価値あり。

そして、12/17に発売となる3rdアルバム「POWERPATRIOT」では、脱退したチャーリー・ハンターの代わりに、グレイトフル・デッドのフィル・レッシュ(ベース)、フィッシュのマイク・ゴードン(ベース)やMMWのビリー・マーティン(ドラムス)とのセッションで、めきめきと力をつけてきたベネヴェント・ルッソ・デュオのマルコ・ベネベント(キーボード)が加わり、さらに厚みがましたグルーブの渦にのみ込まれて欲しい。本作で、彼らは一つのピークを迎えたと言っても過言ではない!