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Jovonn

ハウスの中心地ニューヨークにおいて、周囲に流されることなくアンダーグランドでオールドスクールなスタンスを貫き続けるプロデューサー/DJ。ハウスファンにとってニューヨークと言えば、Body and SoulやShelterが真っ先に頭に浮かぶだろう。それをニューヨークの表側というならば、一人深い地下で佇むJovonnのDJ/楽曲はニューヨークの裏側を感じさせてくれる。ギター奏者の父、キーボード奏者の母を持つ彼は、14歳でDJをスタート。当初はヒップホップのDJであったが、間もなくハウスへ転向、プロデュースを開始する。1990年にリリースした二作目の作品「Turn and Runaway」ではビルボードのトップ10入りを果たし、その後もWest End/Trackmode/CocoSoulといったレーベルから、実に200を超えるレコードをリリースしている。長いキャリアを誇る彼の楽曲は、初期から変わらず極太のキックとベースライン、そしてジャジーなコードが象徴的であり、その黒くロウなサウンドは、一聴して彼の手がけたものだと分かるほど特徴的。いたってシンプルだが、この下腹部に響くような中毒性のあるグルーヴにより、往年のハウスファンからカルト的な人気を誇っている。またハウスだけでなくR&B、ヒップホップ、ネオソウルの楽曲も手がけており、ブラックミュージックというフィールドでの幅の広さが伺える。そんな彼のプレイは、まるで地下の密室で行われる黒い祝祭のようである。うねるグルーヴと、心の内側に突き刺さるソウルがそこにある。このオリジナルなブラックネスを感じて、あなたはその足を止めることができるだろうか。