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Deetron

90年代後半に音楽活動を始めてからDeetronは常に高みを目指し、そのスキルを磨いてき た。世界のあらゆる場所で開催されるフェスやクラブイベントに頻繁にフックアップさ れ、3台のデッキを使いこなし、巧みに組み合わせるリミックス技術に加えて、幅広い自 身のプロダクションは大いにフロアを沸かせている。あらゆる面で、高いクオリティーを 保持した彼の音楽キャリアに脱帽である。 
スイスのベルンに生まれ、ヒップホップに魅せられターンテーブルを駆使するようにな り、90年代前半に見たDJ Dj,iminとJeff Millsのセットにインスパイアされ、練習に練習 を重ねた賜物こそが今日のDeetronの完成されたスキルであろう。かつて理想のDJを目指 したその若者は、今では世界中のDJにとっての目標とされるようになった。3台のタンテ を使いこなす彼のミックススキルの右に出るものはいないであろう。時代がデジタル化す る一方で、Deetronにとってバイナルは今でも彼のクリエイティビティーの中心にあるものである。 
2013年、ハウス・テクノ界で地球レベルで尊敬されるDJとなったDeetronだが、レーベ ルに属することがなかった彼がこう語っている。 ”どこにも属さないということ。それは、あらゆる人と制作できるいうこと。選択肢を一つ にするなんてつまらないからね。” この言葉にあるように、Deetronの音楽制作のコアにあるのはオリジナリティー溢れた Deetron Soundである。が、しかし必要とあればその音さえも変える大胆さも備えてい る。常にアップデートされていくDeetronのサウンドパッレットから繰り出される音楽 は、聴く者をワクワクさせる。 
最近では、ボーカルを組み合わせた曲作りにハマっており、アルバム2作目”Music Over M,tter”のコアに存在するのがボーカルである。本作では、 Hercules & Love Affair、 Seth Troxler、Ovasoul、George Maple、Ben Westbeech aka Breach、Fritz Kalkbrennerなどなど実に多くのアーティストを起用した超大作となった。 
Deetronの音楽性に惚れ込み、多くのリミックスオファーが絶えないことも、また事実で ある。No Artificial Colours、Todd Terje、Tiga、Booka Shade、Redlight、The Juan Maclean、Glasser、George Fitzgerald、Portale、Cocolores、Huxley、 Honey Dijon、Jose Padill,など、名をあげればキリがないほどである。 
2014年にミックスした”F,bric 76”は異色なものを組み合わせつつも、一直線上に綺麗に まとまった感じはかなりDeetronバイブが出ており、まるで万華鏡を見るようなものと なっている。同年には、自身のレーベル”Ch,r,cter”を立ち上げ、レーベル最初のEPを同 じくスイス人プロデューサーのRippertonとのプロジェクトRoots P,nor,m,をリリース した。次々にヒット作をリリースする中、2016年には DJ BoneとのプロジェクトThe Storytellersを始動させ、Concrete Paris、Brunch Electronik Lisbon、Shelter Amsterdam、Moondance Festival Croatiaなどでのb2b活動に繋がった。 
2017年に入ると、イギリスのジャズファンクアイコンのJamiroquaiへのリミックスを EMIで発表し、DMCのDMC buzz chart & Music Weekへのチャートインを果たした。 
音楽はDeetronにとって全てであり、それは個を超越するものである。