Trilogies -Mars89- episode 3 “NEW DAWN”

『3つの世界が共存するサイエンスフィクション』

毎月3週にわたり開催されるレジデント・シリーズ TrilogiesにMars89が登場。
Mars89のサウンドには、カテゴライズされない音楽観のなかにも確固としたイメージが息づいている。それは現実と想像の境界線を自由にまたぐゴーストのような強烈なキャラクターとの整合性になっており、そのインダストリアルでダビーな暗く冷たいサスピシャスな音像は、解放への咆哮をともなったレベルミュージックとして鳴らされている。
Mars89は、Trilogiesシリーズ中最も高いキュレーション能力/空間創造力をもったアーティストといって間違いない。UNDERCOVERのコレクションの楽曲制作やコラボレーション。田名網敬一のドキュメンタリーフィルム、豊田利晃監督の映画『破壊の日』への楽曲提供。Thom Yorkeや〈Warp Records〉のプレイリストへのピックアップや、先述のコレクションの楽曲「THE DROOGS」へのThom Yorke、Zomby、Low Jackからのリミックス提供など、音楽性/アート性の広がりは多岐にわたる。音楽はもちろんファッション、映画や文学といった芸術性が生む、Mars89の多角的な視点で構築された仮想空間は、オブスキュアでありながらも熱と実体を持つほどに具体的で映像的だ。
世界中から注目を集める、稀有の才能が描く逆理の三部作、権力と概念からの解放を謳う革命家Mars89のTrilogiesがスタートだ。

ブリストル系譜の自在なベースサウンド、ノイジーかつインダストリアルなブレイクビーツやエレクトロ、プリミティブなミニマル、レフトフィールドなダブやエクスペリメンタル、さらに予測不能な局面へと展開する驚愕の連続、TrilogiesシリーズはMars89によるオープン・トゥ・クローズ・ロングセットで幕を閉じる。
Contact、Foyer両フロアをメイクするmelting botとyoyogiparty. jpは、東京を席巻する現行レイヴシーンが形成される上で、重要な一角を担ってきた。melting botが主催するパーティLocal Worldに象徴される、DIY、クィアネス、ミーム、アートやファッションといったワードを巻き込んだデジタルネイティブによる安息の地は、強烈なエネルギーを伴いながら同心円を大きく広げている。DJ mewやLynneといった、ベースミュージックに素地をもちながらも立体的に広げられる解釈や、sofhesoの複層的なエクスペリメンタルなど、ビートやカテゴライズに対して柔軟な発想をもちながらも享楽的なMelting botらしいキュレーションが施された。一方、代々木公園で定期的に開催されてきた、エキシビションとパーティーが融合するyoyogiparty. jpは、かつての代々木公園がそうであったようにエネルギーの発散場や、発想の集積場として機能しており、その強い求心力はクリエイターやアーティストの特殊な才能を引きつけている。Ms.Machineのギタリスト1797071や、eminemsaikoをはじめとする今回のラインナップも、超現場主義ともいえる、イマジネーションの爆発的な膨張を起こしうるワンダーゾーンを描き出す。
心理を扇動しながら映画のように進むサウンドジャーニーと、2フロアに現出するエナジティックな区域、3つの世界が共存するサイエンスフィクション。ダークヒーローMars89による想像を超えたクライマックスが目の前に広がる。

episode 1:
https://clubberia.com/ja/events/295114-Trilogies-Mars89-episode-1-Tribute-to-DSZ-with-BS0-United/

episode 2:
https://clubberia.com/ja/events/295383/

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