東京・渋谷・道玄坂クラブカルチャーの新たな黎明期 - 2021年に 翠月 でスタートした Alien Sex Friends。クラブ・ダンサーとミュージック・ラバーたちが集うのは1フロアーと最小限のプレイヤーが行き交う DJ ブース - 明快かつマッドにパーティの品質を追求する姿勢で、幅広い年代・個性のゲストたちと強烈な夜を繰り広げて4年ほど。更に活動を拡張すべく、ホームエリアで最も大きな規模を持つ WOMB にて新たに A.S.F. と題した主催クラブ・イベントを開催している。10月4日は2回目の開催。
2F メインフロアでは A.S.F. が翠月で表現してきたダークで快楽的なダンスミュージックを WOMB ならではのダイナミックなサウンドと空間へと拡げ、追求していく。レジデント DJ の P-yan と Ryokei と共にダンスフロアを操縦するのは Kabuto だ。
2000年代後半に東高円寺 Grassroots で Kabuto がはじめた Lair は、幅広いジャンル・年代の人々が親密な空気感を楽しめるロングランパーティとして現在も継続中。2016年からは DAZE OF PHAZE も主催している。 Lair より大きめのダンスフロアで、より国際的で先見性のある DJ ブッキングが実践される機会になっている。 熱心にクラブに通う東京の人々に、最先端の感覚を提示する Kabuto はもちろん、最も忙しい DJ でもある。2025年はすでにアジア各国、オーストラリア、米国、欧州でプレイを披露している。キャリア初期から駆使しているアーバンでスペーシーなデトロイト・US テクノと、欧州の狂気的でドライなミニマルテクノ・ディープハウス、タフなウルグアイのテクノを束ねるハイブリッドでボトムヘヴィなスタイルはダンサーの足踏みと共に WOMB を大きく揺らすだろう。
さらにサウンド・エンジニアの Ryosuke Tsuchiya、ヴィジュアルの REALROCKDESIGN も A.S.F. に欠かせない人物として、腕を振るう。
4F では反復するベースとエフェクトに意識を溶かされるような、クラブミュージックならではの音楽体験を約束する。
前回の A.S.F. でも、4F フロアのクラウドを完全ロックした G が今回もプレイするー彼は名店 Mago で主宰するパーティ RICE に Zip や Daniel Bell らを招致しており、ミニマルハウスというジャンルを定義する瞬間を作り出してきたパイオニアから認められる、独自の選曲・ミックス観を持つハウス DJ・至高のディガーだ。G とデッキを共有するのは同じく A.S.F. のキーマンであり、前回は G と同じ時間帯に2F フロアをロックしていた Yamarchy。
とびきりの音楽愛と選曲で、様々なジャンル・年代の音源を往来する2人の初共演に期待しよう。とびきりファンキーで、ディープな時間になるだろうから履き慣れた靴で来るのがいいだろう。
BPM とサウンド・コンセプトが鋭利な他の階と比べて、1F にはより多彩な質感とリズムを操り、混沌に呑み込まれるような空間を提供する DJ が揃った。BOW と SISINOBU からなる ZUNDOKO DISCO は、仙台の名店 Shaft など東北エリアでのパーティーオーガナイズを経て、現在は国内外のクラブ・フェスでその実力と存在感を発揮する DJ デュオ。多様な現場・状況で培われた、複雑なテクスチャーのテクノやダビーなベースミュージックを接続するセンスは、想定外の新鮮な体験をもたらしてくれるはずだ。
さらに東高円寺 Grassroots での EXPO や国内各地でのギグで評価を高めてきた Akie もそのオブスキュアで素晴らしいバイナルコレションを披露する。国内のコンセプチュアルなパーティからの期待に応えてきたスキルと、Newtone Records でのバイヤー経験で得られた電子音楽の知見は抜きん出ている。
軽やかに枠組みを超えるオリジナルなセットを楽しめるだろう。
いずれのフロアも A.S.F. が音楽性に熱い信頼を寄せる DJ が揃っている。クラブと音楽に求める何かを、今まで以上に熱狂できる瞬間を、ここで体験できるはずだ。