Ailie
TEXT BY: Interview by : 山岸睦郎
自分で最初にシビれてアルバムを手に入れたのはシャバ・ランクス。ある日、何かで流れていたシャバのPVを見て、「なんだ、これは!?」って衝撃を受けて。小4、5ぐらいだったと思うんですけど、タワレコにお小遣いを握りしめて買いにいったのを今でも覚えてますね。もともと音楽は好きで、なんでもかんでも聴いていたんですけど……。あとは兄と父の影響で、RUN DMCとかPUBLIC ENEMY、GUYとか。だから90年代前半とかの、ブラックミュージック全般っていえるんじゃないかな。
基本的には何も変わっていないと思います。それまでもいろんな表現をしてきていて、結びつく人たちが自然とレゲエであったりヒップホップであったりというのはありましたが、当時からジャンルというものをまったく気にせず、自分から溢れ出るものを曲や歌にしていただけなんで。出合った人たちと響き合って、それを表現する。それでまた、みんなと楽しさや気持ちよさを共有する。音楽の意味ってその部分にすごくあると思うので。僕も常にそういう存在でありたいっていうのは、その当時からの変わらない思いだし、今はさらにそれが明確になってきている気がしますね。
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僕の人生のテーマは「楽しもう」なんですね、深い意味で。悲しくて暗かった時に、自分が見つけた言葉は「楽しもう」で。この今の状況も含めてとにかく「楽しもう」だったんですね。どっちを向くかだけの違いだと思うんですよ。1番苦しかったころの体験って、「あの時があったからこそ」って思えるような貴重ないい体験になっているはずだから。僕にとってはそうだったし、それだけ悩み苦しんだから、今が何であれ楽しめるようになったというか。光があれば必ず闇は存在する。逆にいえば暗闇があるから星が光り輝くわけだから、僕は光の方を見ていたい、常にそう考えているんですよ。
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うーん、なんだろうな。むすかしい質問ですね。人と人との間にある空気のような、人と人とを繋ぐ媒介のような、柔らかくて温かいもの……。誰かと誰かがいて、そこに音楽が流れるだけで、2人の間に同じ思いが生まれたりとか、それって気持ちを共有していることになると思うので。音楽ってそういうものなんじゃないのかな。僕はそう思いますね。