INTERVIEWS

PRINS THOMAS

これはノルウェー語で、「エンジン全開」っていう意味を持つんだ。直訳すると「巨乳」という言葉にもなるんだけどね(笑)。んー、実はあまり名前に関しては得意じゃないんだよ。自分自身をプリンス・トーマスって名付けてるくらいだしね。でも自分達が出す音楽にあるユーモアの部分をこの言葉で表現したかったんだ。あまり真剣過ぎず、音楽を作ることを楽しもうという思考をね。人々がそのスピリットを感じてもらえれば最高だよ。 2005年だと思う。最初は単に自分と自分の知り合いの音源を出したかったんだ。当時ノルウェーのプロデューサー達はイギリスやアメリカのレーベルに音源を送って、そこから出してもらうことしかできてなかった。[Reinforce]や[R&S]、[Paper Recordings]とかいった所からね。でも自分は、それが間違ってると思ったんだ。なぜなら、例えば僕が[R&S]から出したら、プリンス・トーマスの音というより[R&S]の音としてレーベルのカラーに加わるだけだと思ったから。自分達の色、アイデンティティを確立するなら自分達のレーベルから出すべきと考えて、始めたんだ。最初は本当に趣味としてやっていたし、自分が好きなもので、他では出ないようなものを出していきたかったんだよ。結果として、思ってたよりうまく行ってるけどね。
実は[Full Pupp]の前に[Tambourine]というレーベルも持っていて、それは序章のようなものだったんだ。あまり運営の方法が分かってなくて、プレスしすぎたり、ちゃんとした配給も持っていなかったから、発送料とかだけで膨大な金額を費やしてしまったり…本当に試行錯誤だったね。今は少し分かるようになってるけど(笑)。 直接影響を受けたところはないかな。音楽的にも自分は本当に幅広い影響を受けているし、どこか一つに偏ったことはないからね。[Full Pupp]に関してはある程度色も固まってるし、少し分かりやすくなってると思う。もう一つのレーベル[Internajona]lでは同じようなリリースを繰り返さないと、最初から決めてやっているんだ。だから、スタイル関係なく好きなものを出していくつもりだよ。理想的には、そのように、好きなものを何も気にせず出せる立場にたどり着くことだと思うな。でも1つ憧れのレーベルを挙げるとするなら、70年代から80年代初期の[Island]かな。スライ&ロビーからグレイス・ジョーンズまで出せちゃうっていうね。 んー、どこかにこだわっているという訳ではないかな。どこでも可能性があると思う。自分達の音楽に興味を示してくれるところにはちゃんと音を届けたいと思うし、自分もよく世界を回っているから、レーベルの宣伝をすることはやりやすくなってきているよ。 少しずつやり始めているよ。最初は個人的には嫌だったんだけどね。皆、ヴァイナルよりMP3を買ってしまうんじゃないかと懸念してたんだ。でもMP3を売らなかったら、ヴァイナルからパソコンに落として、違法サイトで配られちゃう。だからMP3も販売することにしたんだ。人々が求めているんだったら与えてあげないとね(笑)。 実は[Smalltown]が[Full Pupp]のアーティストをリリースしているというケースでもあるんだよ。でも本当に凄くローカルなシーンだから、皆繋がってる。ミックスをお願いしあったり、リミックスを頼んだり、お互い助け合ってるよ。そんなに多くいる訳でもないし、アーティストとして、他の人に自分の音楽を広めたいというのは自然なことだしね。 たくさんだよ(笑)。ブラックベルト・アンダーソンのアルバムを9月頃に出すでしょ、イートゥレ・リンデン・ダンススコーラのアルバムが11月、自分もそろそろ12インチを作らなきゃと思ってるし、12インチだけでも20枚くらい予定されているよ。もちろん[Full Pupp]のコンピもね。 [Full Pupp]は純粋にノルウェーのアーティストだけのためのレーベルなんだ。だから海外の人は出さないと決めている。でも、もう1つ作った[Internasjonal]は正に言葉通り、インターナショナルな感じにしたいと思っている。最近は色んな人からデモをもらうし、[Full Pupp]の海外版として、自分が惹かれたものを出していきたいと思っているよ。斬新で驚かしてくれることをやっていて、世に出ないのがもったいないと思うものは出していきたいし、残念ながら最近は滅多にそういう人はいないけど、時にそんなミュージシャンは現れるわけで、その時僕は飛んで駆けつけるよ(笑)。 [Full Pupp]ナイトがオスロ、ベルリン、フランクフルトにあって、ニューヨークでも始まる予定になっているよ。レジデントとしてはそれがちゃんとしたものだね。他はフリーランスとしてやっていて、基本はヨーロッパを回っているけど、南米にも、日本も行くし、今は世界中を旅するようになった感じかな。 そんなに大したクラブ・シーンはないよ。昔はもっと良くて、良いクラブもいっぱいあったけどね。最近は少しずつ戻ってきた感じはするけど、少ししか良いクラブはないかな。300~400人規模で良い所は何個かあって、もっと小さいバーみたいなところもいくつかあるね。
元々ダンス・ミュージック・シーンみたいなものが根付いてないから、ノルウェーのDJは自分達で曲を選ぶし、幅広い選曲をする傾向があると思う。お客さんも特定のジャンルにこだわりがないから、皆を満足させるためにも幅広くしていかなきゃいけない感じなんだ。だから、クラブで流れている音は本当にバラバラなスタイルが混じっているものだよ。 一緒にやったことのあるDJはほとんど好きだよ。自分の好きな音は週毎に変わってしまうくらいだから、共感するDJとか、趣味の合うDJもすぐ変わると思う。だから、どう答えたらいいかよく分からないけど、一緒にやったことのあるDJは皆気に入っているよ。 若い時のヒーローは…アーサー・ベイカー、ラテン・ラスカルズ、シェプ・ぺティボーン、ジョン"ジェリービーン"ベニテス、ジョージ・マーティン、ノーマン・ホイットフィールドとか…皆、今でも憧れの存在だよ。ジョージ・マーティンが4トラックとか使ってやってたことには今でも驚かされるよ。 もっと最近の憧れだったらあるよ。デリック・メイとかDJハーヴィーとか。ハーヴィーは最高の奴だよ。ヒーローとか憧れはあまり強く意識してないけど、何かやる時に、その見本を見せてくれる存在がいるのはありがたいことだよね。
もう7、8回目だからねー。こっちのクラブの印象は、とにかくサウンドシステムが素晴らしいよ。お客さんも、良い夜だとこれ以上ない最高のレスポンスを示してくれるし、日本でプレイするのは大好きだよ。普段は皆落ち着いてるのに、クラブだと羽目を外すからかな、とにかく踊りまくってくれるよね。クラブでないと、僕をハグしたがる人なんていないし(笑) ○Laughing Light / The Rose [Whatever We Want]
○Rude 66 / Unknown (Nicolas Courtin?) [Creme Organization]
○The Bombers / Pistolero [West End]
○(Ricardo)Villalobos / Fizpatrick [Playhouse]
○Venetian Snares / Sabbath Dubs [Kriss Records]
○New Sins / same <7inch> [Elastic]