INTERVIEWS

ALLEN TG

TORTURE GARDENのオーガナイズとDJをしているALLEN TGといいます。よろしく。 OK。俺と古くからの友人だったデヴィッド(DAVID TG)でTORTURE GARDENを始めたのは1990年からなんだけど、そのとき俺はアルタネイティヴなパーティをやったりDJしたりしてて、デヴィッドはコンセプチュアルアートと映像制作の学校に通ってたんだ。で、ある夜に俺とデヴィッドで暇をもてあましてて、そのときに「俺たちがやりたい理想的なクラブって何だろう」ってことをいろいろ話してたんだけど、そしたら、二人で考えが一致したんだよ。新しいタイプのフェティッシュパーティ……最先端の音楽と、複数のフロアと、ファッションと、パフォーマンスと、ビジュアルと、インスタレーション(ある特定の室内や屋外などにオブジェや装置を置いて空間全体を変化させ、場所や空間全体を作品として体験させる現代芸術のこと)と、マーケットブースと、その他のいろんなものを全部詰め込んだパーティをやりたいねってお互いが考えてたんだ。で、それからコンセプトとかを詰めながらそういうイベントの開催を模索するようになったんだよね。最初は100人も来なかったんだけど、5回目にいきなり500人来ちゃってさ。びっくりしたよ。今ではゴシック/インダストリアル好きの人とか、SM好きな人とか、フェティッシュファッションが好きな人やボディ・アートが好きな人とかが、ゲイ/ストレートの垣根なく来てくれるようになったんだ。みんなすっごくユニークな人ばっかりだよ。 そうだね、やっぱり重要なのは常に俺ら自身が進化していくことだね。俺とデヴィッドが18年イベントをやってきた中で、その時その時で求められるものに合わせてテイストを変えてきたのも、そういう進化を志向してきたからなんだ。あと、お客さんが常に自分のセクシャリティを自由に発散させたり、自由に着飾ったり踊れるような、刺激的でスリリングな空間を提供し続けるのも重要なファクターだと思う。 イギリスとアジアで活動してるプロモータがいてね、そいつから「日本のSota.SってDJがTORTURE GARDENのことを雑誌で知ってすっごく興味を持ってて、ぜひ日本でやりたいって言ってきてるんだけど、手を貸してやってくれないか」って聞いたんだ。SotaはTORTURE GARDENの世界観とか、俺たちのビジョンをどう日本で実現すればいいのかってことを考えて理解してくれてたね。で、2001年の3月に初めて日本で開催したんだ。 すっごく感動したよ! イベントも、お客さんも最高だった。Sotaもスタッフの皆も親切にケアしてくれたし。これまでで5本の指に入るくらいの素晴らしさだったね。2001年のTGJは、俺の人生で最も重要なハイライトの一つだよ。 とにかく前進あるのみだね。来年の5月でTORTURE GARDENは18周年を迎えるんだけど、イギリスで18歳って成人になる年なんだ。日本だと20歳なんだっけ? これってすごいことでさ、イギリスで18年も続いてるイベントってウチくらいなんだ。もちろん来年5月は盛大にアニバーサリーをやるつもりだよ。あと、世界中のいろんな都市でTGをやりたい。今イギリス以外だとイタリア、ギリシャ、そして日本でTGをやってるんだけど、これをもっと広げて行きたいね。 2000年に2枚のミックスCDをリリースしてからは、もうずっとTGの活動に付きっ切りだね。なかなかスタジオワークとかに時間を割くことができなくてね……。あと、カムデン・タウンでライブ・ミュージックをベースにしたハコをやってるんだ。今はそれに注力したいと思ってる。 いや、実はさあ、カオリ(ALLEN TGの奥様、ファッションデザイナー)の妊娠がわかってさ!うれしいよ!まさかこうなるとは思ってなかったから、超エキサイティングだね! 俺もパパになるんだ、って思うと感慨深いね。 俺は、イベントに来てくれる日本の皆がいつでも楽しく、ラウドネスで、クレージーで、ラブリーになれるようなプレイをしてきたし、今回ももちろんそうするよ。日本の皆は本当にセンスがいいよ。たとえ皆がもう酔っ払ってデキあがっちゃっててもね。いつも俺のプレイを盛り上げてくれて本当に感謝してる。ありがとう!