INTERVIEWS

DDR

DJ / プロデューサーのDDR。子供の頃バンドでギターやドラムをやり、カレッジではミュージックテクノロジーを勉強した。あの頃はあまりコースもなかったし珍しかったんだ。影響を受けたミュージシャンはホークインズ、ブライアンイーノ、ジミーヘンドリックス、セックスピストルズはもちろん、今もパンクが大好きなんだ。 若い頃からバンドをやっていたのでそれは自然なことだった。テクノは18年やっている。あの頃はパンクバンドの*スクオットパーティがたくさんあって、それがその後のスクオットパーティの流れになったわけだけど、あの頃にAcid Houseが出て来て僕らはAcid Technoをやった。僕らの音楽はpunk of the house musicなんだよ(笑)

*スクオット=住宅占拠、廃屋・廃ビルなど空いている建物に住み着くこと。
*スクオットパーティ=占拠した建物でパーティを行うこと。 笑。僕らが一番最初にそこにいてやり始めたからね。90年にサウンドシステムをやっていてそこでいろんなアーティストに会ったんだ。その頃僕は日本にも来たことがあるDemented are goというパンクバンドのボーカル、Markと一緒にサンプラー、ドラムなど使ってライブセットをやっていたんだけど、80年代からのパンク系レイブ、スクオットパーティシーンはパンクバンドからどんどんテクノにシフトしていってAcid Technoができたんだ。その頃チョッキーチューンでスタジオを運営したり、96年あたりに現在もロンドンにあるKinetecレコードにスタジオを作りそこのスタジオエンジニアをやりながら自分のレーベルも始めたんだ。 そうだね。95、96年はロンドンで盛り上がって97年からインターナショナルにプレイされるようになったね。 イギリスに古い法律があって、確かオランダもそうだったと思うけど、空いているビルに不法に入って住んだとしても警察は力で追い出すことはできないんだ。必ず裁判所に行って正式な立ち退き書類がないとどうにもできない。手続きに時間はかかるし、静かに住んでいる分には警察も面倒くさいしほっておいてくれた。友達のトラベラーたちがウエアハウスをスクオットしてそこに1、2週間住む。飲み会みたいなノリでパーティをやるわけだけど、みんな友達だからそこに住んでいなくても遊びに行く。これがパンク系だったりフェスティバル系だったり、いろんな人が集まってやったパーティがどんどん大きくなっていった。だからスクオットシーンが始まっていろんな音楽に枝分かれしていったのはやはりスクオットシーンがあったからこそだと思うけど。あれからは法律も変わったりそういう友人がメインでやっているわけではないしスクオットもどんどん少なくなっているしね。 重いものを運ばなくていいところ(笑)みんなそう思っているんじゃないかな?あの頃はああいう音を出すために機材を集めなきゃならなかったし、面白く斬新にするには大きなスタジオが必要だった。 現在はAbletonを使っているけれど今まで使っている16チャンネルミキサー、ドラム、ループ、全く同じやり方でやっているんだ。それに99%音は同じだと思うし、いい意味でも悪い意味でも手っ取り早い。だから誰にでもできるけど。僕にとってはソフトの方がフレキシブルでいろいろ使えるし、また違ったクリエーションができるということかな。 今はLogicとAbleton。作曲する時は機材とジャムする感じ。何をどうしようとは考えていないな(笑)マシーンを流していろんな色でカオスを作りそれをオーガナイズしていく感じ。即興だよね。 僕もとても楽しみにしているんだ。Acid好きもAcid Technoを聴いたことがない人にも是非聴いて欲しいな。