INTERVIEWS

Trentemoller

これはオリジナルなアルバムではないんだ。自分がリミックスをしてきた数多くの12インチの中から特に気に入っているものを集めてミックスしたコンピレ-ションなんだ。クラブ音楽的なコンピではくて、ドリーミーでフォ-クでシュ-ゲ-ザ-的な素敵な切ないヴォ-カルの入り混じった音楽が溶け込んでぎっしりつまっているんだ。70年代のSuicide から00年代のRaveonettesまでの音楽で、自分自身の曲もはいっているし全ての曲をリミックスしているんだ。僕がプロデュ-スしてきた音楽が好きなひとなら、この作品もきっと気に入るはずだよ。『The Last resort』をまだ聞いたことがないひとは買うことを薦めるよ。あのアルバムは自分自身を表現しているもので、2年たった今でも未だにあの作品を作ったことを誇りに思っている。 僕は4、5歳の頃から音楽を作りはじめていて、11歳の時には小学校の出し物の演劇のために簡単な作曲をしてみて初めて自分が作曲ができるってことがわかったんだ。この経験は本当に自分が音楽を作ったり演奏したりすることに対する情熱を持ち続けることができるようになったきっかけになったと思う。10代の頃にはジャズからロックまでのいろんなバンド活動をしていて、Stone Roses(※1) やSuicide(※2)みたいなバンド音楽もやるようになっていた。
自分でキーボードのサウンドがギタ-ノイズみたく聞こえるように調節して、インディロックバンドの活動をしてたよ(笑)。
自分で言うのも何だけれども、他のハウス、テクノDJと比べるとかなりバリエ-ション豊富だと思う。テクノ、エレクトロセットを50年代のガ-ルズポップとインディロックにミックスして作ってるんだよね。自分がプレイするトラックはほろんど全部自分でエディットを加えたものだね。
ああ、これはいっつも難しい質問なんだよね。自分自身の音楽を作ろうと思っているんだ。本当に自分自身の音作りっていうのには力をいれているよ。でもいろんなスタイルからの影響は僕の音楽を聴けば聞き取れると思うよ。 トラック自身の持つ雰囲気によるよ。特に決まった取り組み姿勢とかはないね。時にはいろんなコ-ドを作ってみてそこから始めることもあるし、ビ-ト作りから始めるときもあるし。コ-ドを作ってメロディ、べ-スラインの順にいれていくことも多いかな、、、、、。
一番悪い癖はやっぱり音楽を作っているときにichatでチャットをはじめることかな。すごい時間の浪費になっていたことがあって。今は音楽を作っているときはチャットはしないようにしてる。そうでないと集中力がなくなってしまうからね。 VIPル-ムに入り浸ってかっこつけているんじゃなくて、ライブならではの音楽的な変化も受け入れてくれて楽しげででオ-プンマインドな雰囲気でお客さんが踊ったりパ-ティを楽しんでくれる公演だね。
うん。去年大きなワ-ルドツアーをやって、そのときにオーストラリアでも何個か公演をしたんだけど、それがすごい成功を収めたんだ。DJとしてプレイするのとはまた何か違う何かがあって。もちろんどっちもすごく好きだけど、バンドと演奏することはかなり濃かったんだ。ステ-ジの上にいるひとひとりひとりがお互いに生演奏で影響を受けたり与えたりして共鳴しているからね。
音楽を開発したり発展させていくということはすごく意義があることで、バンドのミュ-ジシャンたちはそれを得意としていてセットに更なる個性をおとしていってくれるんだ。
もちろん。インディロックやPhil Spector(※3)といったプロデューサ-からインスピレ-ションを受けているよ。そうだね。彼らにはすごく影響を受けてきたよ。Mazzy Starもすごく好きなんだよね。彼らはみんなドリ-ミ-でサイケなフォ-ク音楽を作っててすごくそれがすきなんだ。でもBury Strangers やGrouper、Vivian Girlsとかの新しいバンドもよく聞いてるよ。オーガニックでドラマチックな彼のウォール・オブ・サウンド(音の壁)的なサウンドがすごく好きなんだ。 あのときはただ全てのシ-ンがあまり魅力的でなくて、自分を刺激してくるものがなかったんだ。全部のトラックが同じように聞こえたしね。ディ-プハウスとかそのへんの音楽だよ。ミニマルも同じ。そういった音楽が全部退屈だったんだ。この手のスタイルの音楽のシ-ンではもう創造性とかアイディアとかいうものが全て枯れ尽きてしまったように感じるんだ。
うん、映画のシ-ンの持つ雰囲気に合うように作曲するのはすごくおもしろかったよ。自分自身の音楽を自分を表現するためにプロデュ-スするのとはまた違ったおもしろさがあった。
もちろん自分自身の作品を作曲するほうが楽しいね。自分のデビュ-アルバム『The Last Resort』を作ったのは僕にとってはすごく実験的なことだったんだ。メロディや雰囲気作りをすることがすごく好きで、ただズンズンいっているテクノ作りには正直興味ないんだ。作曲に関してインスピレ-ションは泉のようにわきあがってくるし、そこにア-ティストとしての限界はないからね。別にダンスフロアとか特定のリスナ-のグル-プを意識して音楽を作ることはないね。
ここ数年はずっとリミックスのオファ-を断り続けてきたんだ。リミックスア-ティストにはとどまりたくなかったからね。でもこの間Depeche Modeの『Wrong』をリミックスしたら、彼らがとても喜んでくれて、彼らのアルバムにまでいれてくれてitunesにはボ-ナストラックとして配信してくれたんだ。すごくうれしかったよ。だから今はFranz Ferdinandの次のシングルのリミックスのオファ-を受けていて、やろうと思っているよ。
そんなのわからないよ!笑それにハウスシ-ンなんて自分にとっては全く興味のないものだしね。 イギリスのGlastonburyで自分のバンドと公演したときはすごくいい経験になったし、ドイツのMelt festivalもすごくよかった。アメリカでのツア-もよかったな。シアトルのロックコンサ-ト会場で公演したときもあった。幸運なことにどの公演でもチケットが完売だったよ。小さい会場から2000人規模の会場までね。 いや、あれは半分冗談でやったプロジェクトなんだ。才能のあるファッションデザイナ-の仲のいい友達がふたりいて、彼らと商業的なTシャツとかじゃなくて、手作りで風変わりなデザイナ-ものを作りたかったんだ。手作りドレスとかスカ-フとかだよね。とにかくユニークなものを作りたかったんだ。完売したね。でも全部手作りだったからプロダクションにすごくお金がかかったし、大量な時間も必要だった。今は100%音楽に専念しているよ。
もちろん。すごくあの街が好きなんだ。才能のあるアートとファッションの文化がそこにはあるし、雰囲気のいいバ-もたくさんあるし、クラブにいけば本当にオ-プンで感じのいいオ-ディエンスでいっぱいなんだ。